夢の40パイ突破、犬吠埼沖ヤリイカ

パラソル級多かったです。


  1. 日時:99年5月29日(土)
  2. 場所:犬吠埼沖
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前5時00分〜午前11時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

●ヤリイカ終了間近にチャンス到来
昨年秋から始まったヤリイカ釣りシーズン。終盤もオーラス、外房でラストスパートでパラソル級ヤリイカが釣れているようだ。5月中旬以降、銚子は犬吠埼沖あたりで好調が伝えられていたが、なかなか突っ込むことが出来ず「まだ終わるな、終わるな」と念じ続けたせいか?5月末になってもまだ模様が良い。29日はやっと時間が出来たが、26日あたりから発達した低気圧が日本を通過、強い風は前日の28日まで吹いており天候が危ぶまれたが、天気予報では何とか29日は凪に向かう様子。ならば、ということで波崎港・新栄丸に予約をいれた。

珍しく前日の夜は飲み会。参加の皆さんには申し訳なかったが早々に抜け出して帰宅。一休みして12時過ぎに自宅を出発。首都高速〜東関東自動車道を快調に飛ばし潮来ICへ。水郷道路を経て利根川河口の波崎へ。所用時間は2時間半ほど。

●よく分からんので胴の間?
船宿の駐車場に車を入れると先着は2〜3台。集合は4時だったのでこれから集まるのかな、とクーラーを持って船へ。船は大型で奇麗。なかなか快適そうだ。
両舷のトモが既にクーラーが置いてあり、悩んだ末、右舷胴の間に席を決める。ミヨシということも可能であったが、ウネリが残っていた場合にバラシが多くなりそうなことと、当日の風の予報は南西。大流しが多い外房、潮が真潮なら(南西の日は真潮が多い)トモが有利と判断した。とは言ってもこの地でのイカ釣りは初めてなので、そんなに自信があったわけではないのだが・・・。

●イカ角投入器に羨望の眼差し
しばらく駐車場で仮眠。4時をまわると船のあたりに人がちらほらしてきたので支度をして向かう。MLの北野さん特性のイカ角投入器をセッティングしていると「これ、すごいですね。いいなあ」と同乗の人が寄ってくる。「よく出来ていますので買ったら高いですよ」などとさりげなく自慢。朝から気分がよかったりする。

 これがい組自慢の投入器

船長から氷が配られるとモヤイが解かれて出船となった。結局右舷4名、左舷3名の余裕の釣りになった。逆にこんなにすいているということは今日はだめということかも、とちょっと不安にもなる。

利根川を下り海に出ると船は風に向かって南西に進路をとり全速力。おそらく釣り場は犬吠埼沖だか、私にはどのへんのことだかさっぱり分からない。沖に行くに従って残ったウネリが出てきて、時々船が飛び跳ねるくらいだった。天候は曇り、風に向かっているとちょっと寒い。

1時間ちょっと走ると目前に船団が見えてきた。我々もこの船団に入って潮周り開始。仕掛けを解き終わって投入器にセットしたところで船長の「やって〜、底は150m」という合図で開始となった。

今回のタックルはいつものリョービのヤリイカ竿195センチ外ガイド、ダイワの電動リール。錘は150号を使用。仕掛けは作り貯めてあった自作を最初は使用。幹糸8号、ハリス3号、プラ角11センチ7本角。幹8号はちょっと太めだが、大型ヤリが多点で掛かった時には5号では切れる可能性もあり、その対策で6号と8号を作ってきたが、当初8号でやって乗りが悪ければ6号に落とすという作戦にした。角はカラフル角シングルカンナの各色を使用した。船はすいているので中錘を使用した。

●いきなり5点掛けだが・・・
久しぶりの錘投入にちょっと緊張したが、仕掛けは無事海中へ。しまった、糸送り機能がオフになっていた、錘落下がちょっと遅いぞ、と思っていたら水深90m付近で仕掛けが止まる。と同時に竿先が激しく震える。ああ、サバだ、と思って最高速で巻き上げようとするがドラグが滑って巻けない。しまった、ドラグはマダイの設定のままだった、と何から何まで準備不足。ドラグを数回に分けて限界まで締め上げて巻き上げる。やっと上がってきた仕掛けでは30センチ級のマサバの5点掛け。道理で重いわけだ。角を飲まれたサバ以外はリリース。このサバ、やせ細っていて全く美味そうでない。

●まずはスルメ、サバが邪魔
サバをはずして、角を付け替えて再投入。今度は100mをちょっと超えたところで竿先に違和感。ありゃあ、またサバか?と思って高速巻き上げ。グングングンと引くがサバのような下品な引きではない。と、仕掛けにはスルメが。お、上にはスルメがいるのか、と気合を入れて3投目。やっと錘が着底。一呼吸おいて糸フケをとるとクインクインというアタリ。よしよし、と超スローで5m巻き上げた後に電動巻き上げ開始。水面には1つ、2つ・・・おっと一番下にも1つ。メスヤリの3点掛け達成。すぐに再投入。着底、また乗った。が、巻き上げがゆっくりすぎたのか、途中でサバの攻撃を受けた気配。上げてみるとイカもサバもいない。サバに振り落とされてしまったようだ。

●朝方はポツポツ
このサバ対策のため、イカが身切れするぎりぎりの速さで巻き上げるように心がける。と言ってもこれがなかなか難しいのだが、今日はイカの角への乗りはよいようでカンナはイカの口近くに掛かっている。ということで、いつものヤリイカ釣りようりちょっと速めの速度で終始電動巻き上げにした。

船は大流し。着底、底から5〜6m誘う、30mほど巻き上げて仕掛けを抜く、再着底、という作業を繰り返すとポツリポツリとは乗ってくる程度で数は伸びない。また、どうもメスが多いようで「パラソル」というサイズはまだあがっていない。
昨日までの時化でイカはいなくなってしまったのであろうか?

 次第に凪になりました

●圧巻、6点掛け!
時間は8時半。錘は150m付近で着底。誘いの作業を繰り返す。すると仕掛け抜きで120mまで上げたところでイカの乗り。スルメか?と思ったが上がってきたのはヤリイカ2点。お、中層に浮いたか?と110m付近から仕掛けを落とし込んでみる。すると今度は120m付近で仕掛けの落下が止まる。サミングで落としていたので、リールのクラッチを入れて、竿先を上げて、とやっていると更にズン、ズンと乗る気配。かなりの重量感の巻き上げ。ドラグを調整しながら絶える。中錘が見えてきた。1つめの角にはイカはいないが下には白い影がゆらゆら。1つ、2つ、3つ、と、まだいる。4つ、5つ・・・おっと一番下にもいる。何とヤリイカ6点掛け達成。しかも大半がパラソル級のオスである。
すかさず再投入。また120m付近でアタリ。今度はちょっと仕掛けを止めて追い乗りを待つ。重量感が高まったところで巻き上げ。今度は3点。この後、2点、3点掛けの連発。「この場所は掛かれば必ず2つ以上ついてくるなあ」と船長もにこにこ。
かけあがりを攻めていたようで何時の間にか底は120m前後になっていて、底付近で入れ乗り。いやあ、これだけ乗ると気持ちがよいものだ。あっと言う間に20尾を超える。

●根掛かりで仕掛け、錘を多数失う
この入れ乗りの間にもアクシデントがあった。下はどうやら根らしく、あまり仕掛けをたるませると根掛かりするのだ。しかしたるませると多く乗ることも多くてこのへんはジレンマ。短時間に仕掛け3組とオモリ4つを消費してしまう。うち錘一つはスナップの閉じ忘れ。なんとも間抜け。錘は2つしか持ち合わせがなかったので船長に分けてもらったが、これが1つ500円。高い。また、根掛かりで切れた仕掛けの先に幹糸同士を結んで連結したが、これまた多点掛けと途中のサバ攻撃で結び目からプッツン。カラフル角仕掛けはどんどんなくなっていってしまい、最後は手持ちは幹6号のダブルカンナ仕掛けだけになってしまった。乗りは良いのでダブルでも大丈夫、と思ってこの仕掛けを使ってみたが、シングルカンナに比べるとやはり乗りは悪く、多点掛けの回数が減っていく。
そこで仕掛けを上げる度に、1本づつ角をシングルカンナに交換したりする。シングルの割合が増えるとまた乗りが復活してきたようだ。

●置き竿でもOK
バケツ1つでは足りず2つめを使用する。「そろそろイカはクーラーにいれた方が良いよ」と船長。そういえば、最初の方に釣ったイカはもうグロッキーだ。しかしなかなかそんな暇はない。潮周りの時は角交換や仕掛けのヨリ取りに終われ、仕掛けを入れれば誘いつづけているのだから。船長の目線も気になった(席は操舵室真下)ので、置き竿にしてイカをクーラーに突っ込み始めるが、その置き竿にも乗ってくる。そんなこんなでイカをクーラーに収納するにも嬉しい四苦八苦するのであった。

朝は若草色など派手目の角がよかったようだが、日が高くなるにつれて青や水色の角がよくなってきたようだ。またアカイカで定番の赤帽虹の3号ダブルカンナもつけてみたが、これにもよく乗ってきた。
多点掛けも多く、その分、足切れや水面でのバラシもいつもより多い。しかし今日はそんなバラシもあまり気にならないのだ。

10時頃になるとさすがに乗りの勢いは落ちてポツポツ状態。置き竿にする人も出始めてきた。が、ここでも誘いつづけて、仕掛け抜きを繰り返していると、時々パラソル級が乗ってくる。ひたすらこれを繰り返す。

 よく乗ったカラフル角

●昼イカで未体験ゾーンの数、40尾へ
この時点でスルメを含み34尾。ここまで来たら40の大台に乗せたい。誘う腕にも力が入る。そのせいか、これ以降は1尾釣るのにも一苦労するようになってしまった。竿先から殺気が伝わっているのかな。

11時を回る。そろそろ終了だろう。スルメ5、ヤリ33尾。あと2尾。あの入れ乗りはもう復活しない。あたった、しかし少し巻き上げたところでバラシ。時計に目をやる。再度着底。乗らない。仕掛け抜き、抜き上げたところでアタリ。これはスルメ。一応39尾。時間は11時20分。うう、あと1尾釣らせてくれ。
その願いがかなったか、底付近でのシャクリでアタリ。今度は確かに引きが持続。パラソル級を取り込んで40尾達成。その直後に船長から終了の合図が出された。

<釣果>
ヤリイカ・・・胴長35〜52センチ 34尾(うちパラソル級23尾)
スルメ ・・・胴長25センチ前後 6尾

35Lクーラーはほぼいっぱいになった。
てっきり竿頭かと思ったが、トモの人が更に上手だったようでヤリイカだけで40尾オーバー。スルメ込みで55尾だそうだ。誘いをせずに置き竿中心で攻めた人は20尾に届かなかったようで、やはりイカ釣りは誘い命なのだ。
思えば、根掛かりで仕掛けを失って交換に手間取ったり、角ごとロストしてしまったりといくつかの反省点もある。久しぶりの深場のイカ釣りであったせいもあるが、もう少し丁寧な釣りをしてもよかったような気がする。

帰りは凪の海を1時間ほどかけて帰港。キャビンで爆睡。港で乗船料を支払って波崎をあとにした。

メスのヤリイカはやはり産卵間近のせいか肉は薄くやせていた(それでも旨い)。オスは最盛期のものには負けるがまずまずの肉厚で刺し身などで楽しめた。

昨年秋から消化不良気味だったヤリイカ釣り、締めくくりに良い釣りが出来て非常に満足度の高い今回の釣行であった。


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