激渋、戸田沖夜スルメ

寂しい成果・・・


  1. 日時:99年5月15日(土)
  2. 場所:戸田沖
  3. 参加メンバー:上甲、ベルデ伊藤、塩満、びん
  4. 時間:午後11時30分〜翌午前4時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

夜イカ釣りと言えば浅いタナで「入れ乗り」である。昼間は深場の群を追っかけ回すイカ釣りも夜は集魚灯に集まった小魚を狙って水面近くまで浮上する。こうなると仕掛けを下ろすと錘の落下が止められる程の乗りとなり、船上はイカの吐く潮や墨、それに釣り人の興奮で狂喜乱舞となるのだ。
この興奮を味わいたくて、御前崎の帰りという強行軍ながら戸田・ふじ丸からオールナイト夜スルメイカ乗合に乗ることにした。

御前崎から東名経由で沼津、途中、釣具屋に寄ったり食事をしたりして19時半頃に戸田に到着。久しぶりの壱の湯で温泉に浸かった後、21時頃に港へ。

●盛況の夜イカ!
港に行くと船着き場の駐車スペースはいっぱい。みんな17時出船の夜イカの人の車だろう。仕方ないのでちょっと離れたところに車を止めて乗船前準備に入る。

●半夜船、なかなか戻らず
昼間のマダイ釣りの道具の整理などもしていたせいかあっという間に22時半になり、そろそろかな、ということで船着き場に荷物を移動する。隣は「ちどり丸」の船着き場で、結構な人数が17時船の帰港を待っている。が、23時を回っても船は帰ってこない。帰ってこないのは不調で時間を延長しているのか、はたまた入れ乗りで上がるタイミングがないのか・・・。
23時15分頃、やっと17時船が帰ってきた。結構な人数の釣り人が乗っている。気になるのはみんなの顔が心なしか暗いことだ。誰一人として釣果を言わないので、こちらから聞いてみた。「大漁だよ!」と苦笑いしながら答えてくれる。はて?本当なのだろうか?

入れ替わりで23時船組が乗船するが、今日は2隻のうち1隻が仕立、もう1隻が乗合だそうで、乗合組は沖にアンカーを下ろしている船に渡る形になるそうだ。
全員が乗船したところで船は漆黒の闇の中を沖へ。戸田湾を出ると船首を南へ向ける。遙か向こうにイカ釣りの漁り火が見える。30分ほど走ってイカ釣り船団に合流する。その中の1船に船を横付けして乗り移る。17時船から続けている人が1名トモで釣っているがイカを上げている気配がない。おかしい、大丈夫であろうか?

我々4名は左舷トモから席を取り、びんさん、塩満さん、ベルデさん、私の順番。早速準備を始める。既にアンカーで固定している船なので、準備出来次第釣りが開始出来るのだ。

今回は50−300のインナーロッドに電動リール。錘は80号。だるまやで買ったスルメ用仕掛け(幹5号、ハリス4号)を使用。これはウキスッテ5本仕掛けでクリアボディ、ガス糸巻きが交互に付いた仕掛けだ。一番上に水中ランプを装着しておく。ランプは点滅式のものを選択した。

●あれ?
用意が出来たので開始。タナは30mという声が飛んでいたので、ゆっくりとサミングしながら仕掛けを30mまで落としてみることにする。きっと仕掛けが途中で止まるに違いない、と思ったが、30mを過ぎても仕掛けはスルスルと降りていく。おかしい。40mまで落として、シャクリ始める。水面までしゃくって再び落としてみる。すると20m付近で微かなアタリ。竿を立てるとイカが乗った感触。「ちっこいけど乗ったみたい、20m」とベルデさんに伝え巻き上げ開始。一番下のケイムラのクリアボディスッテにチビサイズのムギ。イカはいるようで一安心。

ベルデさんが水中ランプを上下逆につけている。私も最初の夜イカでやった失敗だ。発光部分が下を向くのが正解なのだ。ということで御注進する。

おかしい。水面に小魚が浮いている気配もないし、周りでも活発なイカの乗りは感じられない。おかしい、おかしい、絶対におかしい。

●水中ランプが・・・
と思っていたら水中ランプの様子までおかしくなった。なんと水漏れ。内部に海水が進入してしまい、点灯不能に。買ったばかりの予備のランプはびんさんに貸しているし、ベルデさんに予備あるか聞いてみると電球はあるという。もう一つの予備ランプは電球が切れているだけだったので、何とか電球交換で事なきを得る。水中ランプの予備は2つは持っていった方が良さそうだ。

●省エネ釣り
もしかしたらタナが低いのかな、と思い、スプールブレーキを強めにかけて、ゆっくりと仕掛けが降りるようにしてタナを探ってみる。船の揺れによって少しずつ仕掛けが落ちる感じだ。これで擬似的にサミングの落とし込みを演出してみる。
これを数回繰り返したところ、50m付近で仕掛けの落下が止まったことを確認。竿立てる、乗った。巻き上げ開始。結構強い引き。そうだ、スルメだから高速で巻いても大丈夫なはず。ということでマルイカやヤリイカでは考えられない高速でがんがん巻き上がる。と、上がってみたのは胴長25センチ程度のまあまあのスルメ。深いところにいるのかな、と同じことを繰り返してみる。が、相変わらずイカの乗りはない。

スプールブレーキ落とし込みで100mまで落としてそこからは電動の低速巻き上げで探る。しかし上げで乗ることはなく、3つ目、4つ目も落とし込みで乗せた。
3つ目が釣れたところでかねてから用意の沖漬けのたれを用意。2つイカを放り込む。やっと念願のイカの沖漬けを作ることが出来る。嬉しい。
が、この後5つ目のスルメを取り込んでからは沈黙が続く。5つ目にしても開始から1時間掛かっている。いったい今日はどうしたんだ?

 沈黙続く・・・

●反応なし
キャビンのトイレに行ったついでに操舵室を覗くと船長が床で寝ている。魚探を覗いてみると反応は全くない。これでは釣れないはずだ。今日はのんびりと時合いの到来を待つか、とビールをあけてちょっと休憩。ベルデさんは賢明にしゃくっているが、私は落とし込みに電動巻き上げのみ。イカ釣りでは疲れていないのだが、徹夜明けで御前崎、その後移動して、また夜イカ。さすがに一日の疲れが出てきた。

●そして爆睡
日付が変わった。闇夜の大潮だが潮はほとんど流れていないようだ。ということは潮が流れ出せばイカが乗り出すかも、などと考えていたが、どうもさっき飲んだビールが異様に聞いてきた。どうしようもない睡魔が襲ってきた。時合いが来れば騒がしくなって起きるだろうと思い、そのままキャビンで仮眠。目を閉じて10秒持たずに爆睡したようだ。
はっと起きると1時半。釣れているかな、とキャビンを出る。「状況変わらないです。もって寝てていいですよ」とベルデさん。うむむ、まだ時合いは来ないか。
だんだんと気温も下がって来たようで、起き抜けの私は寒さに耐えられず2時過ぎに再びキャビンへ。また爆睡してしまう。

●あっというまに朝・・・
はっと起きると今度は3時半。予定の終了時間まであと30分ではないか。いかん、もしかしたら時合い逃したかも、とキャビンを出るが「状況変わりません」とベルデさん。ありゃあ、もう今日はダメだなあ、と思っていると「入れ乗り!」ベルデさんが叫ぶ。なかなか針掛かりしないがタナ20m付近でアタリが出ているようだ。
この叫びで眠気は吹っ飛び、再び竿を持って釣り開始。しかし、群は去ってしまったようで、私が仕掛けを入れても何の音沙汰もなかった。

気が付くと塩満さん、びんさんもキャビンで仮眠中。一応、最後のあがきでしゃくったりしてみるが徒労に終わり4時半前に「そろそろ諦めましょうか」と船長から終了の合図。何だかほとんど釣りらしい釣りをしないうちに終了となった。

●ああ、絶不調・・・
釣果は私がムギ級2尾、スルメ級3尾。ベルデさんが6尾。びんさん、塩満さんも同じくらいと夜イカどころか、イカ人生の中で2番目に悪い結果に終わってしまった。

敗因を考えるに、流れなかった潮、潮が濁っていたことなどもあるが、強行軍のためか著しく集中力を欠き、乗り渋り対策(餌巻きスッテを使うなど)を取れなかったこともあると反省。しかしそんなことを考えずに爆釣を楽しめるが夜イカの良いところ。本当に今回はおかしいぞ。

ほのかに空が明るく鳴り始める。すると遠くでは稲光が。だんだんとこちらに近づいてくるようだ。案の定、帰港した時には大粒の雨に見舞われる。今日はどこまでもついていないようだ。

船で仮眠したせいか、何とか8時半頃には無事東京に到着。最低限の片づけを行い、9時半に布団に入ると17時まで爆睡してしまった。やっぱり強行軍は良くないなあ、と思いつつやめられないのであった。今シーズン中に一度リベンジ予定である。


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