銭洲遠征、100kg級のイシナギを見た!

こんな魚が釣れるんです


  1. 日時:99年5月8日(土)
  2. 場所:銭洲
  3. 参加メンバー:上甲他funeturi-mメンバー3名
  4. 時間:午前7時00分〜午後1時00分頃
  5. 潮時:小潮


釣行記

前回、花丸の優マークをつけたくなるような釣りが出来た銭洲。最近では好調だったマダイも釣果が落ちてきたようだが、大きなメジが回遊してきたり、大型イシナギが釣れ盛ったりと話題には事欠かない。
そんな銭洲に再挑戦することになった。事の発端は、4日の臼井丸をキャンセルした時に同行するはずだったベルデ@伊藤さんのお誘い。ベルデさんはもともと8日の銭洲は決めていたようで、前回遠征釣りを一から教えて下さった新さんも一緒ということで非常に心強いため、迷わず銭洲行きを決めたというわけだ。

前日の7日は大原でアカイカを釣りにいっており、午後4時頃帰宅。片づけやら銭洲行きの準備をしていたらあっという間に9時に。それからちょっと仮眠してから出発。ベルデさんを迎えに行って箱根経由で土肥に向かった。新さんは7日から土肥入りして銭洲に行っており、電話で状況を聞くとマダイやメジの状況は今ひとつだが、良型のヒメダイが入れ食いだったそうで、2ヒロ3本針の仕掛けも必要とのアドバイスをもらう。更にマダイも6号までハリスを落としているようで、これらの追加の仕掛けを急遽作成した。

●またも凪
2時過ぎに土肥港に到着。いつもの氷蔵庫の前に車を付けると、今回一緒にとび島丸に乗る予定の熊さんが既に到着しており、しばし歓談する。港は無風のベタ凪。今日もシケの心配はしなくて済みそうだ。
しばらくして新さんがやってきた。東京とび島会というとび島丸の常連会の会長さんも一緒でいろいろな話が聞けて短い時間だったがかなり勉強になった。
船長と助手の小堀さんがやってきたのでクーラーに氷を詰めて早速乗船準備を始める。船長が指定した釣り座は新さんが右舷トモ、次が会長、次が私でその次がベルデさん。船長室下が助手の小堀さんでミヨシが熊さんとなった。
今回は2度目なので乗船名簿の記入のみ。準備がひととおり終わったところで「今日は南西風だからちょっと揺れるかもな」と船長。南西風対策ということでクーラーなどを固定していた。この準備作業はいつも汗だくになって疲れる。

●今回はVIPルーム使用、船は飛ぶ
今回はVIPルームと称する後部キャビンのベッドを予約済み。1000円で予約可能なので船に不安のある人にはありがたい。そのベッドに潜り込むと出船となる。いつもの船長の注意事項のアナウンスが終わるとキャビンは消灯される。港を出ても凪のようで、連荘釣行の私はしばらくすると眠りに落ちた。
が、しばらくすると船の揺れで起きる。時間は4時半。出船して1時間程であろうか。やはり南西風の影響かちょっと波はあるようだ。が、船はかなり速度で航行しているようで、時々波の頂上からジャンプしているのが分かる。3度ほどはジャンプというよりは「飛んだ」という感じのロングジャンプもあったほどだ。当然、その瞬間は体が宙に浮いてしまうのだ。
その揺れにも次第に慣れて、またウトウト。次に起きたときは6時過ぎ。まもなく銭洲到着という時間。こうなると今度はわくわくで眠れなくなってしまうのだ。と、時間は6時40分。キャビンの灯りがついて「熊野灘」が流れる。さっそく飛び起きてカッパを着て準備を開始する。
外に出ると海はベタ凪とは行かないが、船酔いの心配はなさそうなまずまずの凪。ちょっと風が肌寒いが、気温は高いようだ。
 凪ですよ〜


●ロッドキーパーが!
まずはマダイ狙い。船長指示は6号ないし8号8ヒロ。私は8号で始めることにした。と、竿をセットしているとキーパーの様子がおかしい。よく見るとフリーラークの首振り部分を固定するネジが飛んでしまったいる。おそらく船の振動でだんだん緩んできて、航行中に海に落ちてしまったのだろう。仕方がないので、針はずしやサルカンなどの小道具を駆使してなんとかキーパーの首振りを固定する。こういうアクシデント防止のためにも釣り具の点検は普段から怠らないようにしなくてはいけない。

7時になって開始。今回も前回と同じ電動リールに80−270のシマノのアルゴス。ビッグのサニービシ100号に天秤、クッションは3mm径1mを使用した。
タナは40m。35mまで落として10秒待ち、ハリスが馴染んだところでコマセを振りつつタナをとる。しばらくすると左舷の方でヒットしたようだ。更に僚船では右舷のミヨシがヒットしマダイを食わせていたようで「他の船はみんな右前が食わせているのに、うちはどうしたんだ?」とミヨシの熊さんに檄が飛んだ。

●ムロは確保しておく
しばらくすると20m前後にムロアジの反応が出たようで「泳がせやる人はムロ取って」という指示が出て、サビキなどでムロアジを取っていた。私は泳がせはやらないが、ヒメダイ狙いで身餌がいるはずなので、手返しの時にタナ周辺でリールをスローにしてムロアジを食わせ、身餌用に2尾確保した。
やがてミヨシの熊さんにヒット。しかしこれはバラシ。更に助手の小堀さんが2度食わせるがいずれもハリス切れ。どうやら4号でやっていたようで、十分に糸が出ずに引きに耐えられなかったようだ。

●小物はまずまず
結局右舷ではマダイは上がらずにマダイ場を後にして小物を狙いに行く。ウメイロ、イサキ狙いのようだが、ハリスはマダイの長ハリスのままで良いそうだ。今度は指示ダナは25m。コマセを振ってしばらくするとアタリ。アワセをいれて巻き上げる、小気味よい引きで上がってきたのはウメイロ。ジャンボイサキも上がりだしたようで「ここで3本針にすぐに変えられる人はすげえ人だぞ」と船長。これを聞いて慌てて小物用の3本針仕掛けを取りだし、マダイの仕掛けを仕舞う。この状況に応じた仕掛けチェンジが重要なのだが、まだ銭洲に慣れない私などはタイミングがつかめない。

●最初の大物狙いは不発
この後はコマセを振る度に当たって、ウメイロ、イサキが釣れる。最初は何故が多点掛けがなく、よく見ると掛かる魚はみんな上針ばかり。ということはコマセに突っ込んで来ていると判断し、ハリスを4ヒロから3ヒロに詰めてみる、これが良かったのか、直後にウメイロ、イサキの3点掛けを達成。その後もウメイロ一荷やキロ級のメジナも上がり小物狙いはまずまず。この場所ではモロコも出るらしく、大道具を入れられる人はやるように許可が出たが、誰の竿も曲がることはなかった。

●良型メジも回遊
食いが落ちたところで船長はまたマダイ狙いを告げる。が、ここでもマダイが食うことはなかった。が、メジの反応は出たようで、トモの新さんが3kg級を掛けて無事にゲット。左舷でも2尾ほど上がったようだ。マダイのタナは40m。メジは20m付近。タナを上げたり、ハリスを4ヒロに詰めたり、コマセを激しく振ってみたりとやってみたが、メジの姿をみることはとうとう出来なかった。

しばらくマダイ狙いだったが、ここで船長は前日好調だったヒメダイ狙いに変更を告げる。新さんの情報通りハリスは2ヒロ、身餌作りの指示も出る。餌はオキアミでも身餌でも何でも良いそうだが、身餌の方が型が良いようだ。

●ヒメダイの反応が見つからない
船は割と長い時間潮回りをしており、さながらイカの反応を探しているかのようだ。「おかしいなあ、反応がないなあ」と船長がマイクで嘆く。やっと見つけた反応で仕掛けを入れてもアカイサキのオンパレードだったりと昨日の好調さがウソのようらしい。
今度はちょっと走ってから丹念にポイントを探査している。「良い反応探すからねえ、ちょっと待ってよお」と船長。この船長は腕は確かなのでこの言葉は非常に心強い。この後は2〜3度仕掛けを入れてタナ70〜100m前後でコマセを振るが、いずれも空振りかサバ。それを見ると船長はすぐに移動を告げる。この潔さがすばらしい。サバは1尾は48センチ、1kgという大型も釣れた。まさに銭洲サイズだ。

●やっと反応を捕まえる!
「これは間違いないなあ、いいよ、65m」という指示で仕掛けを入れる。「食った食った」という声が聞こえてくる、私の竿にもアタリ。アカイサキの重いだけの引きともサバの下品な引きとも違う。水面に現れたのは赤い魚。やっとヒメダイゲット。40センチ弱のまずまずの型だ。これは持参にイカの短冊に食ってきた。このイカ、大原で釣ったアカイカの冷凍ものである。
更にイカタンを付けて3本針を投入する。コマセを振ると同時にあたったようだが、直後にベルデさん、小堀さんとオマツリ。解くのに約5分。魚ははずれたかな、と諦めて巻き上げるとグングンという引き。なんと30センチ級ながらヒメダイが一荷で食ってきた。今日はイカ餌がアタリなのかもしれない。
この後は潮が悪いのかオマツリも頻発し、あまり釣りにならなくなってしまう。


 これがヒメダイ
●最後にイシナギに大型マダイ狙い
そうこうしているうちに時間は正午近い。最後はイシナギ狙いだ。コマセの人はやや深いタナで大型マダイ狙いになるようでハリスは8号の指示が出る。サバがよく釣れたので、泳がせはサバでやっているようだ。

しばらくすると左舷トモの泳がせ竿が突っ込む。が、しばしのやりとりの後に痛恨のバラし。更にしばらくすると今度は新さんが「食った食った!」と叫びながらリールをゴリ巻きしている。が「あ〜」という叫びと同時に竿先が戻る。これは痛恨のすっぽ抜けだったようだ。

●熊さんヒット!
残り時間はあと15分程。マダイは今日は不発だったなあ、と周りを片づけ始めていると「食った!」とまた叫び声。今度はミヨシの熊さんの竿が突っ込んでいる。割と落ち着いてやりとりをする熊さん。「これは大きいぞ」と船長。今度は大物の姿が見れそうだということでカメラ片手に傍らに走る。

 熊さんヒット中
10分程経ったであろうか、「浮いたぞ」という声に海面を見ると大きな魚体が横たわっているのが見える。でかい、イシナギだ。道糸たぐり助手のギャフが入る。もちろんそのまま船上に上がるわけなく、そのまま船縁伝いにトモまで持っていきウインチで船に上げるのだ。これがまた重労働かつこつがいるようで、船長、助手や常連さん達がとっかかって何とか無事船に取り込むことが出来た。いや、本当にでかい。これだけ大きいと魚という気がしない程だ。イシナギはそのままトモの船倉に入れられた。これで本日の銭洲は終了となった。

 取り込まれる98kgのイシナギ
<釣果>
メジナ  42センチ、1.1kg 1尾
ウメイロ 20〜32センチ 8尾
イサキ  30〜36センチ 4尾
ヒメダイ 30〜37センチ 3尾
サバ   35〜48センチ 7尾
アカイサキ30センチ    2尾
ロウソク 30センチ    1尾
ムロアジ 30センチ前後  2尾
これだけの小物で50Lクーラーはかなり賑やかなものとなり、私としては満足のいく釣果であったが「今日は良くなかったけど・・・」と船長はアナウンスしていた。さすがにいつも銭洲爆釣とはいかないようだ。

 小物全景

●帰港後のセレモニー
さて、船は凪の海を滑るように進み、16時頃に港に到着。帰港後恒例の検量。今日の目玉はなんと行っても熊さんのイシナギ。船から岸に上げるのも大変だったが、この後のセレモニーもなかなか面白かった。
まずは検量。177センチ、98kg。100kgにはわずかに及ばなかったが、体格の良い熊さんの体重を凌ぐ超大物。その後はお清め。まずビールを魚にかけてから手を合わせて成仏を祈る。その後、船長と釣り人がそのビールを飲むのだ。
そして記念撮影。この超重量級の魚を抱えた姿を撮影するのだが、本当に重いようで、なかなか抱える方は大変そうだ。

 お浄めの儀式。成仏して下さい

最後にクーラーにはいるはずのないこのイシナギをビニールの防水シート(工事用)にくるんで運搬する。今回は日曜日にとび島の常連さんが店主の割烹に持ち込むそうだ。

超大物の宝庫でもある銭洲。今回は良いものを見せてもらった。あれだけになると「いつかは自分も」という気にはなかなかならないのだが、もう少し手軽に出来る「ライト泳がせ」くらいは挑戦してみようかとも思う今日この頃だ。


釣行記集へ