強風中で竿頭、勝浦沖アカイカ

型は今ひとつ・・・


  1. 日時:99年4月29日(祝)
  2. 場所:勝浦沖
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前5時30分〜午前11時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

外房はアカイカ一色。これはスポーツ新聞の船宿釣況欄のことである。ここのところ外房の水温は低いところで安定しているせいか、イサキの状況が今ひとつ、ヤリイカもムラが激しいということで、南房〜飯岡のあたりの船宿までみんなアカイカ狙いなのだ。
アカイカも決して絶好調というわけではなく、イカ特有の当たりはずれはどうしても出てしまう。昨日良いからと言って今日も良い状況では必ずしもない、のだ。

●そろそろ良い日にあたる?
GWの初日の29日はどうか?26日は◎、27日は×、28日は△という感じだったようだ。とするとそろそろ◎の日が来てもよいはずだ。

例のごとく、臼井丸に行く前日は仕事は17時過ぎに切り上げて帰宅し、20時には出発。22時過ぎに船宿到着の前泊コース。船宿に着くといつも見かける常連さんにビギナーのグループの人達が歓談している。しばし皆さんと仕掛け談義などした後に23時過ぎに就寝。起床は3時半だそうだ。

時計のアラームで目が覚める。3時半だ。窓がガタガタ言っている。外はかなり風が吹いているようだ。おかしい、予報では強風ではなかったはずだが・・・。顔を洗って待合所に降りるが誰も起きてくる気配がない。もしや今日も強風で船が出ないのでは、とちょっと不安になりながらも準備のためにちょっと早めに港に向かう。

●風強い・・・
外は北寄りの風が強く吹いており、結構寒い。厚めの合羽を持ってきておいて良かった。
船に灯りはまだついていない。そうだ、席はミヨシ2番目にとってあったっけ。この風ではミヨシは海悪くて苦戦しそうだ、ということでクーラーを空いていた右舷胴の間の操舵室横に置き直す。

しばらしくて船長が現れて挨拶を交わす。今日は片弦8名。イカ釣りだとこれくらいが限度なようだ。支度をしていると、仕掛け巻きから仕掛けをほどくのに失敗。結局一度バラバラにしてまた結び直すという羽目に。このアカイカの仕掛け、何か良い収納方法はないであろうか。

●大原でなく勝浦沖へ
船は定刻の4時半をやや過ぎて河岸払い。やはり海は悪いようで全員キャビン待避が言い渡される。私も後部キャビンに横になって釣り場到着を待つ。船は針路を南に取ったようで、これは岩舟沖かな、と思っていたが30分を過ぎても船は走り続け、結局1時間経ってやっと潮回りの気配。キャビンを出ると岸には勝浦の海中公園が見える。今日は北東風が強く、大原沖は釣りにならないようで、風によるウネリが避けられる勝浦沖が釣り場になったようだ。

船はざっと30隻はいるであろうか、大原や勝浦の船が集結している。コマセ桶を付けている船はいないことから、勝浦沖のイサキは今ひとつなのかもしれない。

 アカイカ船団

●必殺、細仕掛け
今回は竿は30−300のインター竿(リョービ沖潮)に両軸リール。道糸はPE4号でリールのスプールブレーキを緩くして錘の着底を早くするようにしている。幹糸は4号、ハリス3号、連結は三つ又サルカンの極小サイズ。枝間は90センチとした。幹を4号としたのは、最近臼井丸のHomepageの仕掛図の幹糸が6→5号に変更になったのを見たからだ。大型多点掛けの時に不安はあるが、4点以上掛かることはあまりないし、竿も軟調なので、慎重にやりとりすれば幹を切られることはない、と考えた。先日の喜平治丸マルイカでの「幹は3号が良い」という船長の忠告を考えてのことでもあった。東京湾や相模湾で通用することはきっと大原でも通用するはずだ。

海上は風が強いが、ウネリは思ったほどではなく胴の間ならばイカのばらしはそんなに気にはならないだろう。「いいよ〜、底から3〜4m」の合図で仕掛けを投入し開始となった。風が強いのでとりあえず4本角。上からバランスッテオレンジ、赤帽虹3号、赤帽緑3号、白布ハチマキ4号とした。錘は80号。水深は60m前後。

●序盤はポツポツ
着底、しばし待って竿を立てる。底から5mまで誘って置き竿にしてみる、という作業を繰り返す。と、ポツポツとアカイカが上がり出す。しかしどの流しも派手な乗りはなく誰にポツリポツリという感じだ。私にも小一時間ほどで3ハイ。赤帽虹に2つ、赤帽緑に2つ来たが1つは取り込み時に足切れであった。スーっと誘って竿先を止めたときか、上まで誘って置き竿にしたときに当たったものばかりである。今日に限っては錘の着底競争の成績は釣果に関係ないのかもしれない。

ポツポツの乗りがおさまって、7時頃からは沈黙が続く。強風のせいで反応を探すのもつらいだろうし、反応を見つけても船をぶつけておくのもしんどいのだろう。更に雨もぱらついて来て結構寒い。今日は忍耐の釣りになるのだろうか。

●乗り渋り対策
この渋い状況打破のために、角数を1つ増やしてみる。一番下にレンズ3.5号を追加し、上のバランスッテをレンズのピンクにチェンジ。このタイミングでイカの乗りがやや戻り、赤帽緑に2つ、虹に1つ、さらに追加したレンズ青にも1つ。追加した角にイカが乗るのは嬉しい。ただ、いずれも中小型のマルイカサイズ。後でおっかさんに聞いてみたところ、勝浦沖は数は出るが小型が多いのだそうだ。

ミヨシの方に陣取ったビギナーを含むグループの人達は苦戦している。船長の指示ダナで置き竿で待っている人がほとんどのようで、今日はこの釣り方ではイカは掛けられないようだ。このグループは前日に鴨川の方からアカイカ釣りに出ていたそうで、やはり渋かったそうだ。昨日のアタリ角はトトスッテの透明ピンクだったそうで、うち一人は5本角すべてをこの角にしている。イカ釣りの通説で、全部アタリヅノのしても乗らない、というのがあるが、この通説は正しいようだ。

 赤帽虹、赤帽緑、白布ハチマキ、レンズ青

●本日のクライマックス、中層の群!
9時半頃、船は船団を離れてややナダ寄りの浅場に移動。先ほどまでの場所は潮色が黒く澄潮、今度の場所はグリーンでやや濁り気味のような気がする。水深は40m。着底させると明確なイカのアタリ。しばらくはゆっくりリーリングしてから巻き上げ開始。結構重い。やっと大型か?と期待しつつ3mの長竿を抱えて巻く。結構しんどいのだ。仕掛けを取ると、赤帽2つに1つづつと青レンズに1つの中型3点。他の人には多点掛けは少ないものの大型が掛かっている。特に右舷トモの常連さんは7本角にしていて、幹糸を上からぷっつりやられたそうだ。追い乗りをさせすぎて大型アカイカの引きに耐えられなかったようだ。この好況を船長が無線で僚船に伝えると次々に船が集まってくる。あちこちでイカの水鉄砲が見られる。日も出てきて暖かくなってきて釣り人の気合いも入り直したのであろう。

●誘いは下から
この流しは2投目でオマツリ。ほどいている時に移動の合図。ほどき終わって移動、と思ったら「また入れてみて〜、底から10m位でやって」という船長のアナウンス。とりあえず50mダチの底に落としてやや早めのシャクリで指示ダナに。するとクンクンというアタリ。無事一荷を取り込んで次、やはり同じタナで一荷。次は指示ダナを直撃して見る、が乗らない。底に落として誘いつつ指示ダナに。するとまた乗ってきて一荷。いずれも中型。またクライマックスか、と思ったが、周りはポツポツ程度。どうも下から誘ってこないとダメなようだ。

気が付くと10時半を回っていた。この時点で15ハイ。悪条件の下なのでまずまずの釣果であろう。ただ、潮がやや早く、オマツリも頻発するようになり、群を逃すことも出てくるようになってしまった。

この後は移動の度に1つずつという感じでイカを掛けることが出来た。指示だなは底から4〜5mで、底では乗らずに誘ってタナで待っていると乗る、というコマセ釣りのような現象。おそらく、イカが下から追ってきて、やや上で乗る、という感じなのだろう。そうなるとタナ直撃置き竿では乗らないのは当然だ。落とす、誘い上げる、待つ。乗らなければ20m巻き上げて底まで落とす、誘う。これの繰り返し。いわゆる「仕掛け抜き」とう技法である。深場のヤリイカなどでは常識の方法でもある。

反応があるのにイカが乗らないのは角をイカが偽物だと見破っているからである。しかし、一度イカの視界から角を消して、再び見せてやると乗ってくるのだそうだ。

●終了の合図で1ハイ
11時半過ぎ、数えてみると21ハイ。うまくいけば竿頭かな、と思っているところで終了の合図。仕掛けを落とし直したばかりだったので一度誘って待つ。が、乗らないのでキーパーに掛けて巻き上げようとハンドルを高速で巻いた直後にアタリ。最後に小型をゲットした。このようにマルイカの場合、巻き上げ指示の高速巻き開始時にアタることも多いので要注意だ。

●臼井丸で初の竿頭
結局釣果は中小型を中心に22ハイ。なんと竿頭となった。次頭は常連さんの20ハイ、19ハイと続いた。胴の間でこの釣果なのだから上出来であろう。なにより常連さんを押さえてトップというのは非常に嬉しいものだ。

●考察・・・小型が多いのは何故?
しかし今日は小型が多かった。平均釣果は6〜7ハイのようだったが、各自1〜2ハイは大型をゲットしていたようだ。何故小型が多いのか。1つは3号の小さいスッテを使っていたからかもしれない。ただ、大型狙いでスッテを4号にしてしまうと、今度は数は伸びなかったであろう。
大きなスッテに小型は乗らないが、小さいスッテには大型も乗る。ただ、イカの活性は小型の方が活発だったようで、私の仕掛けは大型が乗る前に小型が乗ってしまった、ということも考えられる。ただ、全体に中小型中心だった今回であったので、ステに3号を配置したのは間違いではないだろう。ただ、今後大原沖でやるときなどは、イカの大きさを見て、スッテの大きさを選択する必要はありそうだ。4号スッテの方がカンナも大きくばれにくいからだ。
あと、数が伸びた要因は幹4号であろう。船宿仕掛けは5号、市販品などは6号なのだ。これだけ差が出ると幹の太さも軽視できないことが分かる。
残るは渋い時の誘いであろう。「外房のアカイカは簡単、置き竿でもOK」と言われているようだが、乗りの良いときはそれでも良いが、やはり渋いときは誘いが必要だ。この誘い、相模湾や東京湾のマルイカで鍛えた成果が出たとも言えよう。

久しぶりの竿頭で気分が良かったので荒天で午後のメバル船が出船中止になっても全然気にならなかった。

次回は5月4日に大原に来ることが決まっている。続けて良い成績を修めることが肝要である。次回は大型中心に数をそろえたいと思う。


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