無欲でゲット、土肥沖マダイ

綺麗な雌です


  1. 日時:99年4月18日(日)
  2. 場所:田子島〜土肥沖
  3. 参加メンバー:上甲他funeturi-mlメンバー19名
  4. 時間:午前6時00分〜午後3時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

まだ銭洲での爆釣の興奮が冷めやらぬ18日の朝であった。前日は宴会であったにもかかわらずみんな4時には起床してテキパキと準備を開始している。
私も4時半に起床し、顔を洗って車で港へ向う。昨日の成果のつまったクーラーに氷を足して、前日に魚屋から手に入れた発泡スチロール製の箱にも氷をつめる。50Lクーラーの方は船の揺れで魚を傷めるので今日は積むな、という船長のアドバイスがあったので、今回はこのスチロールボックスがクーラー替わりになる。

●総勢20名のOLM
今回はとび島丸と大奉丸に分乗してのOLMである。とび島丸12名、大奉丸8名乗船で私の釣り座はとび島丸の左舷トモ2番目。隣りのトモは昨日の銭洲と一緒で新さんである。
朝からあいにくの雨。風はナライ(北東風)。海は凪だがビールを取り出してのんびりというムードではない。昨日あれだけ爆釣してしまうと今日はがっつかずにのんびりと、と思っているのだがこれがどうでるか・・・。

6時頃になり、荷物の積み込みなどが終わったところで出船。30分ほど南に走って田子島沖まで行くそうだ。船は遠征船に比べれば小さいが、キャビンも奇麗になっており近場の釣りならばまったく問題はなさそうだ。座ってみると私の席は船長の真横。ちょっと頭を後ろにそらすと魚探が覗ける。これはなかなか面白そうだ。

田子島沖に到着すると既に船団が形成されており、我らの健司船長のとび島まるも合流してしばらく潮周りの後に開始となった。

タックルにはDAIWAの電動リールCP-500、竿はキャロナックスラッシュ50−330。天秤の上に3.5mm径クッション2m、下は2mm系1m。ハリス4号8ヒロにマダイ針10号とした。ビシはビッグで80号。コマセはオキアミとアミコマセのミックス。
だいたい船長の指示ダナより7〜10mビシを落として3回に分けてコマセをふりタナを取る。それ以上に沈める必要があるときは船長から指示が出る。魚探を見た感じでは水深60〜80mダチで指示ダナは35〜55mくらいだったと記憶している。

●いきなりキロオーバーゲット
オキアミを1尾付けにして第一投。ちょっとハリスを手前マツリしながらも何とか投入。タナを取ってアタリを待つ。しばらくすると船中最初のアタリは何と私の竿に来た。チョンチョンという前アタリで竿をキーパーからはずして手持ちに、そして竿先が突っ込んだところで竿を立てる。乗った!。ただ、昨日の大型マダイからすれば小さそうで、回りの冷やかしにも笑顔で受け答えする余裕がある。終始竿を立ててポンピングもなしで浮いてきたのは鮮やかなピンクのメス。新さんの出すタモに無事収まる。後検量で1.3kgのマダイ。幸先の良いスタートとなった。さて、あちこちで竿が曲がる、と思いきやこの後は非常に渋い釣りになった。私はいきなりのボウズ脱出で魚探を覗いたりビールをあおったりと余裕なのだが、なかなか船中2枚目が上がらない。

●マダイ釣りはチームワーク
「移動します、タナが合いません」どうもタナボケしている人がいるようだ。この地にマダイ釣りは、全員でタナを合せてコマセを振って、下にいるマダイを浮かせて釣る方法のようだ。なので一人でもタナボケしてタナを下げてしまうとマダイは浮いてこないしエサ取りもビシ回りについてくれないのだ。
この後このタナボケも解消され、全員がタナを取った直後に「良い反応だよお」と船長が言うことがしばしば出てきた。この時に魚探を覗くと、ビシダナより10m程下に赤い影の反応があることが多かった。きっとこれがマダイの反応なのだろう。

大奉丸も時々近くを通るが、MLメンバーはバッテンマークを腕で作ったりしている。向こうも調子は今一つのようだ。
船長はポイントに見切りを付けるが早く、イカ釣り並みに頻繁に潮周りを繰り返す。逆に言えばそれくらい良い反応が出ないということなのだろう。

●ポツポツとヒットは続く
時合なのだろうか、右トモの磯さんにヒット。2kg級。右ミヨシの山崎さんもヒット。慎重にやりとりしてキロオーバーをゲット。トモの新さんの竿先が突っ込んだ。「新さんヒット〜」とミヨシのベルデさんが叫びながらビデオを回しはじめた。「食っちゃったよ〜」と笑いながらやり取りする新さん。無事2kg級をゲットした。

大奉丸で有泉さんがやり取りしているのが見える。後で聞いたらこれは2kg級だったそうだ。
山崎さんがまたヒット。なかなかのサイズのようだ。が、これは痛恨のバラシ。
釣り座のせいか苦戦してた右舷胴の間の川口さんは竿を短い手持ちにかえたり、誘い方を変えたりといろいろマメにやっているようだ。その甲斐あってキロ級をゲット。「釣れたのでなく釣った」貴重な1尾だ。

雨はシトシトと降り続く。10時頃からは風も出て来て結構寒いので途中でインナーを1枚追加で着込む。

●風避けて土肥沖へ
13時頃、風も強くなり波立ってきたこともあり、船長は移動を告げた。大きく移動するようでハリスは巻いておくようにとの指示。20分ほど走って今度は土肥沖の風裏に移動。ここは風も弱く海も良い。
が、ここでも相変わらず食いは渋く頻繁に潮周りが繰り返される。
「竿先よく見てて、イサキも食うから」と船長。するとミヨシ寄りではぽつぽつと良型イサキがあがりだした。が、これは潮上らしいトモの方には回って来ない。我慢の釣りがまだ続く。それでも2度ほどはオキアミの頭がスパッと齧られてる。これはきっと鯛の仕業。まだまだチャンスはあったのだ。
ここでハリスを3号、針をマダイ9号に落としてみる。本当はチヌ4号くらいまで落としたかったが、万が一大鯛が掛かったときにはちょっと辛い。ボウズは脱していることだし、ここは大鯛を意識して仕掛けの大きさはあまり落とさないことにした。

「ヒット!」声に振り向くと右舷トモの磯さんがやりとりしている。これも2kg級が無事タモに収まる。今日の状況なら2枚あげれば竿頭は間違いないだろう。

誘い上げるとやや重い。ん、これはイサキか?と思って上げると初めてみるシキシマハナダイ。写真に収めてお帰り願った。

 シキシマハナダイ

本来ならば、12時〜13時の間は陸にあがってお昼休憩があるのだが、今回は田子島沖とやや遠いポイントまで足を伸ばしたため、これを省略。かわりに沖上がりは早めの15時頃になるようだ。

結局このまま大きな盛り上がりはなく納竿を迎えることになった。船中7枚(ちびマダイをいれると8枚)とちょっと寂しい結果となったが、釣った真鯛はいづれもキロオーバーで乗っこみ間近の黒いマダイがピンクのマダイ。真子や白子はおいしそうだ。

帰港してから大奉丸の釣果を聞くと、数が出なかったようだが2kg超級が揃ったようだ。同じような場所を攻めていたはずなのに不思議なものだ。

どうも私はOLMに参加するといつも美味しい思いをさせてもらっているような気がする。それもたいていは残り物の釣り座で、無欲で、ということが多い。やっぱり竿を通して魚やイカに殺気を伝えないことが重要なのかもしれない。


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