銭洲、大型マダイ爆釣!

5.3kgマダイゲット!


  1. 日時:98年4月17日(土)
  2. 場所:銭洲
  3. 参加メンバー:上甲他funeturi-mlメンバー13名(OLM)
  4. 時間:午前7時00分〜午前11時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

●銭洲とは・・・
神津島の南西沖40kmに位置する銭洲。大物の宝庫でもあり釣り人を熱くさせ、その魅力に取り付かれて通い続ける人も多い。私も昨年一度銭洲釣行を企てたが、あいにくの時化で流れてしまった経験があるが、遠征釣りのために時化による出船中止もよくあることだし、船が出たのは良いがジェットコースターのように揺れる船上で一日過ごすこともよくあるようだ。

●今回は凪か・・・?
今回はまず18日の土肥沖マダイOLMに参加表明をした。噂によれば一部の人はその前日に銭洲に行くとのこと。今回のOLMのメインゲストでもある川口さんに「前日は銭洲なんですか?」とメールを出すとあれよあれよと話しは進み、いつの間にやら17日の銭洲遠征に参加することになっていた。
今回は銭洲ベテランの新村氏に仕掛け作りからレクチャーして頂き、準備は万端、と行きたかったがなかなか時間がとれず結局仕掛け作りを開始したのは3日前から。なんとか前日には土肥のマダイの仕掛けも含めて準備完了。しかも天気予報は晴れで凪。シケでジェットコースターになることだけは避けたかったので幸運である。しかし海の天気のこと、当日どうなるか油断は出来ない。

16日の夜11時過ぎに今回同行のベルデさんをピックアップして箱根経由で土肥で向う。途中だるまやで付け餌を購入。だるまやのおばちゃんは私の顔は覚えてくれていたみたいで「久しぶりだね」と声をかけてくれる。そういえばだるまやにくるのも半年ぶりくらいかな。

2時半頃に土肥港に到着。氷蔵庫前に行くと既に数台の車が止っている。やっぱり今回のとび島丸銭洲仕立のメンバーだ。暗い中竿やリールの品評会などをやっているうちに助手の人がやってきて氷蔵庫を開けてくれたのでクーラーに氷を詰めて船へ。

●恒例の船長のレクチャー
「遠征初めての人は集まって」ということで今回銭洲初体験の5名が集まり船長のレクチャーを受ける。潮のついた服でキャビンに入らないとか夜間航行中は外に出ない、トイレに行くときは船長に声を掛けてから、とか既に知っている内容ではあったが、真剣に耳を傾ける。

その後乗船名簿に記入し今回の釣り座の右舷ミヨシ2番目にキーパーを装着。竿を背後の竿立てにくくりつけ、バッカンを船倉にしまって出前準備はOK。船室に入る。しばし皆さんと歓談の後、スエットに着替えてベッドへ。船の揺れは大したことはないのだが、銭洲に向う興奮でなかなか寝付けない。1時間くらいこんな状態だったが何時の間にか寝入ってしまったようだ。

●銭洲到着!
ふっと目が覚めると6時。予定ではあと30分ほどで到着。既にやる気モードに突入。目を閉じても寝られない。6時半過ぎ、船はスローダウンし「熊野灘」が流れる。ばっと飛び起きて長靴履きカッパを着て外へ出る。曇天ながらも海は凪。コンディションとしてはまずまずか。
「まずマダイやります。ハリス8号、8ヒロ」が船長の指示。これに従って準備を始める。銭洲の開始時刻は7時。まだ20分の余裕がある。準備完了時点で開始10分前。長ハリスは久しぶりなのでちょっと緊張気味。

 銭洲は凪でした

●出だしはムロにサバ・・・
今回は80−270のシマノのアルゴスEVを使用。電動リールWP500に腕長40センチの天秤にビシはビッグの100号を使用。上のクッションは3.5ミリ径2m、下は3m径1mとした。
「はいやって」の合図で仕掛けを投入。指示棚は50m前後(記憶曖昧)。棚より7mほどビシを沈めて10秒カウントしてからコマセを振りつつ指示棚へ。マダイ狙いのためあまり誘いはかけず手持ちで待ってみる。しばらくすると回りではムロアジやサバがポツポツと上がり出した。右舷ではびんさんがヒット。大きそうだったが、無念のバラし。針が折れてしまったそうだ。この後本命のマダイは顔を出さず、30分ほどで船長は移動を告げた。仕掛けは取っておいて、ということなので後でマダイはもう一度やるのだろう。釣れたムロアジやサバは切り身にして後で尾長ダイ狙いのときに使うので大事にとっておけ、とのこと。

●ウメイロ、バリ食い!
ちょっと走って小物の場所へ。アナウンス通りに8号3ヒロの小物仕掛けを付けて餌も装着済み。針は2本で、網付けで枝を出した仕掛け。針はグレ12号を使用。合図と同時に仕掛けを落とす。最初の2投程はアタリ無し。どうもコマセが出ないような気がして上クッションは好きになれない。どうせ小物だし、ということで上クッションははずす。指示タナは20m前後と浅く、7m落としてコマセを振る。すると今度は明確なアタリ。グングンと引き込まれるのを確認して慎重に巻き上げる。黄色がかった見慣れない青い魚が2つ上がってくる。ウメイロの一荷だ。隣りでもウメイロ。アオダイも上がっているようだ。「ウメイロ、バリ食いだ」と船長。この船長、釣り人をあおるのがものすごくうまく、ファンも多いのだ。
次もウメイロの一荷。次の投入でもアタリ、そのまま竿先を維持していると「合わせなくちゃだめだよ」と船長。そうか、アジやイサキのようにはいかないのだな。次は小振りながらもアオダイ。オレンジ色のロウソクチビキも上がった。

アオダイ
ウメイロ

●メジナもバリバリ!

このへんで小物の食いも一段落。船長はメジナ場に移動を告げる。仕掛けのアナウンスはないのでそのまま3ヒロの仕掛けを使用する。タナはやや深くなった。まず隣りの梅さんがヒット。かなり強い引きにキャロナックが弧を描いている。「隣の人はタモ入れして」という船長の指示でタモを掴んで待つ。上がってきたのは60センチ近いだろうか、大型のメジナだ。こんなに大きいのか。「針、結び換えて」と船長。メジナは歯が鋭いのでハリスに傷が付きやすいのだ。

持竿で構えていた私の竿にもアタリ、すかさず合わせるとぐ〜んと大きな引き込み。「ヒット!」と船長がマイクで叫ぶ。メジナというと堤防で群をなしている小型が思い浮かんだが、ここのメジナは本当に力強い。ドラグの調整をしながら引きをかわし、ポンピングで巻き上げていく。無事タモにおさまったのは2kg級のメジナ。でかい。ハリスを点検するとチモトがざらついていたので結び換えて再投入。しばらくするとまたヒット。これも同型のメジナ。もう腕がパンパンだ。磯釣り師がメジナ釣りに夢中になる理由が分かったような気がした。このメジナのタモ取りに構えていた梅さんの竿が突っ込んだ。「合わせて!」と船長が叫び、梅さんはタモを捨てて竿に飛びつく。おお、このメジナ、どうすんだ?と思っていたら助手の人が来てくれて無事タモに。この後更にもう1尾のメジナを追加。まだ9時だというのに両腕はかなりの疲労。しかしその疲労感も心地よい。メジナの食いが落ちたところで船長はマダイ狙いに変更を告げた。

 ロウソクと呼ばれる魚

「移動の間に魚を絞める、仕掛け、道具の点検をする!」と船長の指示。小物とメジナで50Lのクーラーはもうスペースが乏しくなってきている。

●マダイもバリバリ、まずは2kg級
マダイは朝と仕掛けは一緒。オキアミを抱き合わせで掛けて、タナを取った直後は持ち竿、アタリがなければ置き竿、という釣り方にした。しばらくすると私にアタリ。これはウメイロ。「最初は小物でだんだんマダイになってくるから」と船長。もう1尾ウメイロを上げたところで隣りの隣りの慶松さんにヒット。慎重なやりとりの末あがってきたのは5kg級の大型。すごいなあ、と思っていると梅さんにヒット。しかしこれはメジナ。そして私の竿にやや大きなアタリ。背後で船長が「合わせろ!」と叫んだのと同時に竿を立てる。ヒット、これは小物ではない。時折強く底に突っ込み引きはマダイだろう。ドラグを駆使して慎重に巻き上げて無事タモに収まったのは2kg級の雄マダイ。乗っこみなのだろう、黒ずんでいた。

「銭洲のマダイをなめたらダメだよ〜、2kg3kgは当たり前だからね」と船長。アベレージ2〜3kgとはよくものの本で読むが目の当たりにすると本当に驚きだ。

●5kg、6kgは当たり前
左舷トモの熊さんには6kg級が上がったようだ。右舷トモのミツさんにもヒット、船の向こう側にボコンと浮いてきたのはやっぱり大型。その横では梅さんもヒット中。すごい、大型マダイラッシュ、常にだれかがやりとりしているような状態だ。

ミヨシの新さんは今日はハウジング付きのビデオを持ち込んで各自のやりとりを撮影している。でもあちこちでヒットするのでカメラワークはなかなか難しそうだ。

●出た、5kgオーバー!
タナをとった直後の私の竿にモゾモゾというアタリ。スーっと聞き合わせをくれてやるとクンクンと引く。ムロアジか何か掛かったかな、とリーリングを開始するといきなり竿が突っ込んだ。と同時に7〜8m糸が出ていく。3m巻くと5m出るというやりとりがしばらく続く。これはでかい。メジナやマダイとのやりとりで腕はかなりの筋肉痛だがそんなことは言っていられない。中層に上がってきてもググーンと引く。間違いなくマダイだ。上クッションをはずしているせいもあって、引きが強く竿に伝わってくる。5分以上はやりとりしただろうか、やっとビシが見えてきた。ハリスを手繰る。白い影がだんだんと赤くなってくる。マダイだ、でかい。無事助手の人に出すタモに収まったのは5kg超級のマダイの雄。いやいや、すごいのを釣ってしまった。一気に記録更新だ。「マダイ、バリバリだ〜」と船長もニコニコ顔。いや、銭洲はすごいところだ。

 仕留めたマダイ2尾。
この私のやりとりを撮影していた新さんにもアタリ、無事大型が取り込まれる。新さんはその後、一気に20m糸が出ていく大型を掛けたが、敢えなくバラし。なんと針の結びが内外逆になってしまっていたようだ。残念。

一時期は新さん、梅さんと両隣どちらかやりとり中という時間もあり、なかなか仕掛けが投入できない、などという時間もあった。マダイでこんなラッシュは東京湾や相模湾ではまず考えられない。

●オナガダイもまずまず、私は空振り
11時近くになったところで船長はオナガダイ狙いの深場に移動する。やや場所は離れていて30分ほど走るそうだ。この間に食事もしておけ、とのこと。私も水分補給ししばし休憩。みんなも顔がにこにこだ。釣った魚でクーラーもほぼ満タン。50Lを満タンにすることなんてないと思っていたが、あっさりと達成してしまった。

オナガダイ狙いはハリス10号5ヒロ。針は14号の指示だったが、自作はグレ13号だった。まあいいかということでこれを使用。移動の間にムロアジやサバで身餌を作るように指示も出ており、私はサバを捌いて身餌にした。幅1.5センチ、長さは15センチ程だそうだ。新さんがヒイカも分けてくれて、ゲソの部分だけをつけると食うときもあるそうだ。

●初めて目の当たりにする大道具
この場所では4隅の人達は「大道具」を出してイシナギやモロコを狙う。写真でしか見たことがない100kg級のイシナギを見ることができるだろうか。
指示タナは110m。まずはアカイサキがポツポツ上がる。私もアタリがあったが重いだけ。電動巻き上げで上げると案の定アカイサキ。

慶松さんにヒット、竿の曲がりの大きさから本命のようだ。水深が深いため長いやりとりの末上がってきたのは良型のオナガダイ。深くてもあんなに引くのか、と思っていると隣りの梅さんにも本命らしきアタリ。悲鳴をあげながらやりとりして無事オナガダイをゲット。気合いが入るが私にはアカイサキのみ。ゲソを付けたりしてみるが本命からのシグナルはない。

大道具組も時々餌のムロアジが暴れる気配を感じながらも、竿が突っ込まないことにジリジリしているようだ。左舷のベルデさんも本命ヒット。楽しみながらやりとりしているようだ。右舷では有泉さんがメダイを上げる。いやいや、ここでも高級魚ラッシュだ。

●盛り上がりのまま終了、クーラー満タン
結局このまま夢の大物は上がることなく13時15分前に終了となった。
<釣果>
・マダイ 2尾(5.3kg、2.1kg)
・メジナ 3尾(2.0〜2.3kg)
・ウメイロ 6尾 28〜33センチ
・アオダイ 1尾 28センチ
・タカベ 1尾 28センチ
・アカイサキ 3尾 30〜40センチ
・ロウソクチビキ 1尾 35センチ
・ムロアジ、サバ 数尾
明日はマダイ釣りに出なければいけないのだが既にクーラーは満タン。片づけを終えてキャビンに戻る人もみんな幸せそうだ。凪の上にこの好釣果。今回のOLMは大成功。更に私の銭洲初挑戦も大成功に終わった。

 小物全景

●港も大騒ぎ
3時間ほどして寄港。港にはマダイ釣りに出ていたMLのメンバーがいて迎えてくれた。「どうだった?」というので「これこれ!」と見せることが出来る獲物にみんな驚嘆の声を上げる。それも大型マダイがごろごろというのだから無理はないだろう。船長による魚の検量を行った後、記念撮影。見物の人も集まってきてちょっとした騒ぎになるくらいだった。
マダイは船中16尾、メジナは13尾。これが短時間の成果だからすごい。あとはイシナギ、モロコが上がれば最高だったのだが。。。
話によれば、こんなに良い銭洲というのはそうないそうだ。これに味をしめてもう一度行ったところでここまで良い結果を得られるかどうかは?だ。
行ってみるまで未知の場所だった銭洲。行ってみればスケールは違うが船釣りは船釣り。そんなに身構える必要もなさそうな気もした。
とにかく今回は大成功。私の釣り人生の中でも最高の釣りであった。
 港にて記念撮影


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