好調の谷間で苦戦、東京湾マルイカ

お土産には十分だけどね・・・


  1. 日時:99年3月28日(土)
  2. 場所:城ヶ島東沖
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前7時30分〜午後3時00分頃
  5. 潮時:若潮


釣行記

●イカの季節?
最近各地で様々なイカ釣りが開幕した、好調であるといった情報がかなり聞こえてくるようになった。南房のヤリイカ、伊豆から遠征で出るアカイカ、初島周りのムギイカ、外房では例年より早くアカイカが釣れだし、西伊豆では夜ムギイカなども始まったようだ。
こんなに誘惑の多い状況なのに27日の土曜日は休日出勤。土曜日がだめなら日曜日、ということで伊豆の遠征アカイカに目を付けて予約をいれておいた。しかしあいにく土曜日の夕方の予報では日曜日は遅くなると西風が強くなるようだ。出船微妙な天候であったが、せっかくいつもより高いお金をかけて遠征に行くわけだし、出来ればもっとコンディションの良いときに行きたいものだ。ということで、今回は遠征アカイカは断念し近場の釣りに切り替えることにした。

●38〜92???
釣りもの未定なのでWebの釣果情報をかたっぱしからリサーチしてみる。すると「マルイカ38〜92、大型6割」という驚異的な数字が目に入った。船宿は剣崎間口港の喜平治丸だ。もともと東京湾のマルイカにも行ってみたい気はしていたので、即決した。喜平治丸は比較的すいているという話もあるし、マルイカの2隻だしにするという情報がWebに掲載されていたことも即決した要因であった。

当日は出船2時間前の5時半に船宿に到着。早速座席を決めに行く。息子船長の船は先着8名で既に4隅は埋まっている状態。「こんだら2ハイ出しにするよ」と女将さんが声をかけてくれる。とりあえず右舷ミヨシ3番目に席を取っておく。

待合室でお茶を飲んでいると女将さんがみんなに味噌汁を配り始める。具の大根は自家製らしく、甘みがあって非常に美味しい。また、この船宿では海苔や納豆、卵のついた朝食もオーダーできるのだ。
女将さんの話によれば、昨日の好釣果は、僚船が雨のため早上がりをしていく中、イカの乗りが好調だったので逆に時間延長して釣り続けたところ、5点、6点掛けの連続だった、という感じだったらしい。
次第に人が集まってきて、16人を越えたところで2ハイ出し決定。先着順に親父船長の船の方に希望者から移動していく。座席表の書き換えが落ち着いたところで見に行くとまだ親父船長の左舷ミヨシがあいている。親父船長の船はやや小さいのでちょっと迷ったが、結局この左舷ミヨシに移動することにした。結局、両船とも片弦6名ずつ、24人が12名ずつに分かれての出船となった。

●風強く、ウネリあり。
港を出ると船は南下する。北風が結構強く、海上はウサギが飛んでいる状態だ。だが、この北風は予報によれば凪になるはず。ミヨシでもそんなに問題にならないだろうと考えていた。

航程約20分で船は城ヶ島東沖へ。見渡すと城ヶ島の地形に沿ってマルイカ狙いの船がかなりいる。土曜日は雨予報で出かけるのを控えた人達が一気に今日出てきたのであろう。しばしの潮回りの後、水深55mで開始となった。マルイカもだいぶ水深が浅くなって攻めやすくなった。

今回は竿は30−180のシャクリ竿、電動リール。弁慶(大型)サイズが多いということで幹糸は5号、ハリスは3号の7本角。ハリスの長さは30センチ程度とやや長め。これは先日の佐円丸の仕掛けがハリス長めで好釣果をあげていた人がいたからだ。角は赤系統を中心に組み立て、下から3番目には最近乗りがよいというサカナ針11センチプラヅノの蛍ムラを付けてみた。

●沈黙・・・
昨日の感じからして最初から入れ乗りか?と思われたがこれに反して沈黙が続く。やはり昨日の雨の影響で水温が下がったのであろうか?
一部の人にはイカが乗ったようだが、ほとんど人が型を見ずという沈黙が1時間ほど続いた。
8時半頃、5mほどしゃくり上げたところであたってやっと1ハイ目。これは赤・緑・白縞のガス糸巻きスッテに乗ってきた。周りでも結構乗っている。時合かもしれない、と気合いをいれてしゃくる。次の投入でもアタリ。しかしこれはバラシ。上げてみると角にはイカの足が。電動巻き上げスピードが速すぎたのであろうか。

●潮流れず・・・
この後も全体に渋く、10時まで3バイという貧果。錘を投げてもほとんど真下に沈んで行くほど潮が流れていないのが分かる。後の2ハイが乗ったのはピンク布巻きとレッドヘッドのレインボー。周りを見てもレッドヘッドやピンク系の角に乗っていることが多いようだ。また白系の角も具合が良さそうだ。時々アタリはあって乗るのだが、どうやらウネリのせいでバレてしまうらしいので、電動巻きをやめて手巻きで対応した。50mを段を付けずに手巻きで巻き続けるというのは結構つらいものだ。

蛍ムラサカナ針は不発とみてスッテに変えてみたりといろいろやってみるがどうやってもイカの乗りはない。反応は本当にあるのか?と疑いたくなるほど。「乗らねえってことはイカがいないんだよ」と右舷に入った常連さんも嘆いている。

●厳しい・・・
12時頃になるとポツリポツリと流し換えの度にイカが乗るようになった。つまりイカはどうやらいるようである。やっぱり乗りが渋いだけらしい。ゆっくりの誘いにしたり、逆にウイリーシャクリのように速く誘ってみたりする。と、はやい誘いの後の静止のタイミングでややアタリが出やすくなった。が、どれも角触るだけ、あるいは離してしまって、取り込みに至らない。本当に今日は厳しい釣りだ。

13時を回った。風はおさまって凪、釣りやすくはなってきた。が、イカの機嫌は相変わらず悪い。買って置いた船宿の仕掛けに換えてみようか、とも思ったが隣のお兄さんは船宿仕掛けで苦戦している。仕掛けの良し悪しでもなさそうだ。もう打つ手はないのであろうか?

●困った時のレッドヘッド
「おし、来た。ガラパンだ」という声を皮切りに右舷側の常連さん達が結構ペース良くマルイカを上げ始めた。結構大型も交じっている。ガラパンというのは常連さん達がレッドヘッドレインボーを呼ぶときの呼び方らしい。どうもみんなこのガラパンに乗ってきているようだ。ならば、ということで下から2番目の角もレッドヘッドレインボーに変更、更に真ん中は佐円丸でもらった黄色のFN−7に白のガス糸を巻いた角に変更する。これが良かったのかアタリが出るようになった。しかし乗らない。そこでアタリがあったらキス釣りのようにちょっと送り込み気味にするようにした。こうしてからはアタリでばらすことがなくなり、ポツリポツリとマルイカを追釣することに成功した。しかも換えたレッドヘッドと白の角によく乗ってくる。数は少ないものの作戦成功で気分は良くなった。

 今回のアタリ角

●やっぱり細仕掛けが有効か
2時半を回った。残りはあと30分。この時点で6ハイ。もしやスソではないか、という危惧さえある。そんな顔を見て気を使ったのか大船長が寄ってきて「今日は乗りが悪いねえ」と声を掛けてくれた。仕掛けは自作か?と聞くのでスペックを答える。「幹は5号じゃ太いよ。俺なんかハリスも3号で直結だ」とのこと。そうか、しまった。今回は大型が多いということで何も考えず昨日は5号幹糸の仕掛けしか作ってこなかった。MLでも細い幹糸・ハリスが効果的かもという話が出てきたのに・・・。船宿の仕掛けにチェンジしようかと思ったがこの時点で既に残り時間は5分。もう今日は仕方がない、と諦めかけた。と、直後にアタリでレッドヘッドに1ハイ。さらに仕掛けを下ろすとまたもアタリ。今度は白に1ハイ。更に次、と思った時に「では時間なので上がります」という船長のアナウンス。そのまま終了となった。
釣果は胴長15〜23センチのマルイカ8ハイ。非常に不本意な結果となった。同船のトップは18ハイ。息子船長の別船は24ハイ。スソは3ハイだった。

今回は水温低下に加えて潮が動かないという悪条件が重なったせいか、非常に成績が悪かった。しかしこんな状況でも常連さんは数を伸ばしていた。聞けば船宿の仕掛けだったそうで、迷ったときは船宿製の仕掛けをとりあえず使ってみるのも策だなあと実感した。
ちなみに喜平治丸の仕掛けは特製で幹糸4号、ハリス3号で枝間120センチ。角は上からレッドヘッドレインボー、布巻きピンク、黄色FN−7に白ガス糸。ピンクFN−7にエンジ色ガス糸、透明FN−7に茶色ガス糸という順番の5本角。赤系統を中心とした組み合わせだ。

 船宿特製仕掛け

そろそろ浅場に入りつつある相模湾〜東京湾のマルイカ。まだまだ修行の釣行が続きそうだ。


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