3kg超で連敗脱出、大原沖ヒラメ

やっと連敗脱出、嬉しいいい!


  1. 日時:99年3月14日(日)
  2. 場所:大原沖
  3. 参加メンバー:上甲、井上、冨田、林夫妻(funeturi-mlメンバー)
  4. 時間:午前6時00分〜午後12時00分頃
  5. 潮時:中潮


釣行記

●連敗記録
・98年12月5日 大原:ボウズ(マダイ2.6kg)
・98年12月31日 大原:小ソゲ1尾
・99年1月15日 日立:ボウズ
・99年1月20日 大原:ボウズ
・99年2月11日 大原:ボウズ
・99年2月21日 下田:ボウズ
これが今シーズンの私のヒラメ釣り成績。ざっと2分4敗。しかも4連敗である。これだけボウズが続くと、がっついてヒラメ釣りに通うよりは頭を冷やすためちょっと間を開けて釣行した方が良いような気がした。

そんな背景があって、今回は満を待しての釣行である。目当ては大原に入り込んでくるイワシ。こいつが群で回遊してくると2kg超のヒラメが数釣れることはよく知られていることだ。

●今回は無心の釣行の予定・・・だった
釣行前にはいつも情報収集を綿密に行い、釣り雑誌などでノウハウを十分に座学で学んでから釣りの臨む私だが、ヒラメ釣りに関してはちょっと消化不良を起こしているのかもしれない。なので今回は特に情報収集もせず、もっと言うと何も考えずににヒラメ釣りに挑戦するつもりでいた。
前日は布良でヤリイカ&イサキのダブル。上がってからひたすら海岸沿を大原に向う。途中で今回同行する井上さんに電話を入れる。すると「今日(13日)はよかったみたいだよ」とのこと。Web上の臼井丸釣果速報によれば右舷が全体に良かったようだ。ということでなるべく右舷の隅を押さえるべく大原港に急ぐ。

大原港到着は20時頃。船に座席を確保しに行くと右舷にはいくつかのクーラーが既に置かれている。仕方なく左舷ミヨシ、右舷ミヨシ3番目、右舷トモ2番目という何ともバラバラな座席を確保する。で、そのまま船宿に向う。待合所に入るとそこにはfuneturi-mlの林さん夫妻が。右舷ミヨシを確保してあったのは林さん夫妻とのこと。ということはミヨシよりはミニOLM状態になること必須である。
常連さんを交えしばし酒を飲みながら歓談。ほとんど寝ずの1日だったのに結局23時半まで飲み会は続いた。

翌朝は4時半に起床。顔を洗い着替えて港に向う。そろそろ井上さんに冨田さんが来ているころだ。賑わいを見せる大原港だが、一時期の混雑ではないようだ。

●即席ミニOLMに
臼井丸に向うとちょうど井上さん・冨田さんが船に乗ろうとしているところだ。林さんとも挨拶を済ませ座席を決める。結局左舷ミヨシに井上さん、右舷トモよりに冨田さん。林さんの隣りに私が入ることになった。
ノブ船長が現れて挨拶。昨日は良かったみたいですね、と聞くと、イワシはいなかったけど潮が良く流れたせだよ、とのこと。今日は乗船者は11名、右舷6名左舷5名、人数的にはまずまずだ。定刻の5時半過ぎに出船。航程30分ほどで釣り場に到着。やや沖目のようだ。イワシが配られて6時に船長の「やって」の合図で開始になった。

●キャロナック筆下ろし。錘60号?
今回は竿、リールともに新調したもの。キャロナックスラッシュ50−330にダイワのタナセンサー。仕掛けは船宿製のトレブルフック孫針で、捨糸は80センチとした。今日の錘は60号指定で、スパンカを上げての釣りとなるようだ。こうなるとどうしても4隅が有利になるのだが、今日の釣果も違わぬ結果となるのだった。

餌のイワシは上顎に親針を掛けて、孫針は小さなイワシの場合は遊ばせておくことにした。60号をぶらさげたキャロナックはちょっと堅い感じ。錘は80号だと思って疑わなかったため30号負荷の竿は持って来ていない。ちょっとうかつだったかもしれない。

●井上さんゲット!
まず井上さんがソゲ級を1尾上げる。私の餌にも一度微かな噛み跡が。今回は普段よりも誘いを多めにかけるようにした。具体的には5m程度巻き上げて落とし込むといった感じだ。するとその落とし込み直後にアタリ。しかしこれは食い込まず、傷がついたイワシが戻ってきただけだ。

●右舷ミヨシ寄り好調
8時頃、ミヨシでがんばっていた林さん奥さんがまずマトウダイ。続いてキロオーバーのヒラメを上げる。ややミヨシ有利の流しなのか。井上さんは何時の間にか黒メバルも上げていた。

●置き竿にアタリ!
置竿にしてトモ寄りの冨田さんと話し込んでいると「上甲さん、あたってる」と船長が呼ぶ。見てみると竿先が不自然に跳ねている。竿を持つとどうやらまだイワシは離していない様子。じっくり食いこむのを待つ。今までは糸を送ったりして失敗した経験が多いので今回はじっと竿のテンションだけで待ってみる。20秒ほどしたであろうか、竿先がグーンと入ったところで竿をゆっくり立てる。頭上まで上がったところ無念のすっぽ抜け。久しぶりに本格的なアタリだっただけに残念。と、直後に隣りの林さんがやり取りを始め無事ソゲ級をゲット。私の竿に食って来たやつではないだろうか、と疑わざるを得ないくらいのタイミングの良さだ。

 冨田さんのヒラメ

8時半頃に冨田さんに待望の1枚。40センチ、キロ弱程度か。更に林さんはいつのまにか3枚目をゲット。右舷はかなりアタリが活発にあり、ボウズはとうとう私だけになってしまった。手に持っていて竿も何時の間にか置竿に。餌も泳がせっぱなし。今日もだめなのかなあ、とちょっと悟りを開いたような気分にもなってくる。

●時合いは10時?
「上甲さん、時合いは10時からだよ。根拠ないけど」と井上さん。朝吹いていた北風もだいぶおさまり、ウネリも小さくなってきた。釣りやすくまた暖かい。人間にとっての条件はまずまず。だがヒラメにとってはあまり良い状況ではないのかもしれない。この時間を使って簡単な食事を済ませておく。

●イワシの群発見!

 赤いのがイワシの反応(見にくいです)
10時を回った。林さん奥さんの竿が大きく曲がっている。慎重にやりとりしてあがったのは2.7kgの良型ヒラメ。更に井上さんにもヒット。何とこれも2.5kg。更に右舷トモ、左舷トモでも同型があがる。このフィーバーはいったいどうしたことか?と思っていたら「イワシの群が入ったよ、見てみる?」とノブ船長が嬉しそうな顔で話し掛けてくる。魚探を覗いてみると、なるほど、水面から底まで真っ赤な反応が出ている。更に林さん奥さんにヒットが続く。「タナは1mくらい切っていいよ」との船長の指示。置き竿になんかしていられない。既にアドレナリン噴出状態で持ち竿で誘いを入れつつ竿先が突っ込むのを待つ。しかし本当にイワシに群にあたるとは思っても見なかった。
 井上さんの良型2.5kg

●またしても隣りの林さんに・・・
林さん奥さんにアタリ。しかしこれは食い込まず。直後に私の竿が胴から曲がるくらいまで引っ張り込まれる程のアタリ。しかし竿はすぐ水平に戻ってしまった。仕掛けを上げて無残な姿のイワシを確認していろと林さんの竿が根元から曲がるほどに突っ込んでいる。ああ、また私のイワシにあたったヒラメが・・・。林さんは無事2kg超級をゲット。ご夫婦でヒラメ釣りやりたい放題である。羨ましい限りだ。更にこの後もう1回アタリがあるが、これも食い込まなかった。
右舷トモでは珍しいフッコが上がった。やはりイワシを追ってきたのであろうか。

ここまでアタリを逃すとなるとやはり何か原因があるはずだ。疑わしいのは竿。やはり60号錘では堅すぎる感は否めない。もう1本持参しているのも50-270でやっぱり60号ではやや堅い。ああ、何も考えずに釣ろうということとはいえ、あまりにもうかつだった。これだけのチャンスに恵まれてもヒラメには見放されるということはやっぱり相性が良くないのか、と半ば諦めていたときであった。

●最後の勝負で舳先へ
時間は11時15分。残り時間は45分ほど。潮回りのときに「上甲さん、最後12時まで舳先に行ってやってみな」とノブ船長の指示。だいぶ凪ぎになってきたので舳先でも十分釣りにはなる。それでは、ということで一縷の望みを託して竿を持って舳先に移動した。

舳先に立ってみると眼前には一面の海、振りかえると船全体が見渡せる高さ。何か違う世界に来たような感じだ。さっそくアタリ、だと良いのだが、この潮回りを境に食いは落ちてしまったようだ。命運尽きたか、という虚脱感が襲ってくる。
しばらくするとイワシの入ったバケツを持って船長がやってきて、仕掛けの点検をしている私のイワシを見て「もう最後だし、もっとウロコのびっしり着いたイワシの方が泳ぎが良くていいよ」とアドバイス。今度は金色に光る元気なイワシを付けて投入する。船長の期待に応えるためにも一層気合を入れて釣る。

●そしてドラマが・・・
11時40分。これで大型が釣れたら本当にドラマだよなあ、と思っていると、下げた竿先にゴツゴツというアタリ。はっと目を見開いて竿先を見詰める。すると割と短めの待ち時間で竿先がギューンと突っ込んだ。これを見てグイ〜と竿を起こす。今度は確かな重さ、しかもかなりの重量感だ。「乗った!」操舵室に向って手を挙げて合図する。そのまま少し巻き上げると一気に5mほどドラグが滑って糸が出ていった。止ったところでリーリングするが、ドラグが滑って巻けない。かと言ってドラグを絞めるのも危険だ。そうだ、この竿の良さを発揮しなくては、ということで脇に挟んでいた竿尻をへそに持って来てスタンディング・ファイトの体制に持って行く。こうすることでキャロは良い曲がりを見せてくれた。と、同時に少しずつリールの巻上げが出来るようになる。おそらく竿の弾力でヒラメが浮き上がってきているのだろう。竿下ろしでこの竿の性能を見ることが出来るとは何とも幸運だ。

慎重にさえリールを巻いていればばれる気はしない。あと5m、ヒラメが最後の抵抗を見せドラグを滑られる。が、その抵抗も長くが続かなかった。水面に見えた茶色い影、デカイ。そのまま竿を立てて船長の構えるタモ網の中へ無事収まった。連敗脱出の瞬間である。気がつくとちょっと足が震えている。笑うことしか出来ない、充実感でいっぱいだ。
計量すると64センチ3kg。7度目の挑戦にしてやっと良型ヒラメをゲットできた。

●優秀の美
林さんや井上さんが「よかったね」と声を掛けてくれていた先に井上さんの竿がアタリを伝えている。これもキロ級のヒラメ。優秀の美を飾った。

 35Lクーラーの上の私のヒラメ

時計に目をやると11時45分。少し早いが竿を仕舞うことにした。
井上さんや林さん夫妻はヒラメを締めるのに忙しい。私もヒラメを締めつつ船長にお礼を言う。船長の機転がなかったら釣れなかったわけだし、本当に今日の釣りで臼井丸を選んでよかったと思う。この場でも改めてお礼を申し上げたい。

船中釣果は以下の通り。
林(奥さん)林 上甲 冨田
(右舷) ●(4) ●(5) ●(1) ●(1) ●(1)●(3)
ミヨシ<======================トモ
(左舷) ●(5) ●(2)●(2) ●(0) ●(4)
他に黒メバル、マトウダイ、フッコ。
このうち2kgオーバーの良型は10枚以上が上がった。全てがイワシの群がはいってからのことだ。
港に帰るとニコニコしたおっかさんや女将さんが手を振って出迎えてくれる。きっと船長がこの爆釣を連絡していたのであろう。丘にあがってからはみんなでヒラメを手に写真を撮ったりおおはしゃぎである。

連敗記録ストップに加えて3kg級ゲット。房総半島一周の釣りの旅は最高の盛り上がりを見せて終了することになった。


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