潮速く苦戦、勝浦沖の寒イサキ

脂の乗ったイサキがまずまず


  1. 日時:98年2月25日(金)
  2. 場所:勝浦沖
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前6時30分〜午後12時00分頃
  5. 潮時:若潮


釣行記

イサキと言えば夏の魚という印象がある。昨シーズンも晩春〜初夏にかけて大原に通って白子のつまったジャンボイサキを狙っていた。が、外房、特に勝浦近辺では脂の乗った「寒イサキ」が有名である。寒イサキと言っても特別な釣り方でないようで、ビシ60号の一般的なイサキ仕掛けで大丈夫なようだ。ただ、今シーズンは高水温を維持しているせいか、寒イサキではなかなか良い話がきけなかった。ところが2月も中旬になるとトップで40尾を超える釣果が報告されるようになった。型は例年に区比べて小さいようだが、昨年からはまったイサキ釣り、大原の船宿が始めるまで待ちきれずに今回は勝浦まで遠征することにした。

●前日は大荒れの天気
前日の25日は大荒れの天気。夜の天気予報を確認すると、風はおさまり凪ぎになる様子。そこで勝浦・松部港の和八丸に電話してみると、勝浦はそんなに風は吹いていなく、明日は問題なく船は出るそうなので予約をいれる。集合は港に5時半で良いそうだ。

2時に起床、2時半出発。計算では5時頃には勝浦に到着するはず。で、計算通り5時前に勝浦・松部港に到着した。まずは船宿に行ってみるがまだ電気がついていない。まだ時間はあるので仮眠しようと港へ車を走らせる。港には1台車が止っていて、おじさんがなにやら釣りの準備している。私が車から降りると「どこに乗るの?」と聞いてくるので「和八です」と答える。「何釣るの?」「イサキです。そちらは?」「とりあえず沖に出るんだ」「へ?」「いや、うまくすればアコウとか釣れるんだがね」「ああ、根魚ですね」という会話をした後、やっぱり仮眠したかったので車を港の奥の方まで走らせて、しばし寝る。が、すぐに岸壁についた船の明かりと音で目が覚める。どうやらこの船が根魚船らしく、あとから来た数人もこの船に乗り込んでいった。

●3名の大名釣り
5時半になったので、ウエアを着込み始めると、今度は違うおじさんが話し掛けて来て、車を止める場所を教えてくれたりした。結局もう1名おじさんがやってきて、今日は3名の大名釣りらしい。そうこうしているうちに船長がやってきて船に灯を入れる。全員右舷に並んでくれ、とのこと。私は無難に真ん中をキープ。大型船でかなり広いが、コマセを効かすために、隣りとの間隔はやや狭目にとることにした。

準備も終わり定刻の6時を迎えた。付け餌のイカタンとアミコマセ、氷が配られて「さあ、行きましょう」の船長の言葉で出船となった。船はまだ暗い中をゆっくりと沖へ。沖へ出てもゆっくり。岸辺には海中公園が見える。15分ほどゆっくり走ったところで船が旋回を始める。僚船もちらほら。さらにこちらに向ってくる船多数。このへんがかの有名な海中公園沖になるのだろう。
「6時半開始なのでちょっと待ってて下さい」と船長のアナウンス。付け餌のイカタンをセットして待つ。「はい、どうぞ。35mでやってください」の合図で開始となった。

●1投目から本命
30−180のシャクリ竿に両軸リール。60号アンドンビシを腕長30センチほどの片天秤に装着。クッションは1.5mm30センチ。ハリス1.5号、全長4m3本針の市販のイサキ仕掛けを使用した。
とりあえず、指示タナよりも5m沈めてから、仕掛けが馴染むのを待ってから、コマセを巻きつつ指示棚に持って行く。すると1投目からキュンというアタリ。初物なので追い食いを待たずに巻き上げると、なかなかの引きで25センチ級の本命イサキ。2投目、今度は追い食いを十分待ってから巻き上げる。かなりの重量感。しかしこれは20センチ級のマアジの3点掛け。

●潮速い!
潮の流れが速いのか、棚の指示が35→33→30→27mとめぐるましく変わり、さながら神子元沖のワラサ釣りのようだ。27mまでくると潮を上り直しとなるのだが、1流し2投程度しか出来ない上に、あたるのは27mに上がるところか、流し最初の深場だけ。思ったほど数は伸びない。

●私だけ好調
この後、ポツポツとイサキが掛り7時半頃まで8尾ゲット。タナ下3mから誘い上げ、アタリがなければ1m下げてまた誘う。25センチ級が中心であるが、1尾だけ強い引きで32センチを上げることが出来た。アジは一荷でもくるがイサキは単発。何故か他の2名に比べ私だけが好調。ハリスが4mと長めなのが良いのか、コマセワークが良いのか・・・。

何故かミヨシ側のおじさんは不調でウマヅラとアジしか釣れない。あとから聞いたのだが、この時はリールのカウンターで棚を取っていたが、後から5mも誤差が出ていることに気付いてその後は道糸でタナをとっていたそうだ。

●後半は食い渋り
8時を回ると食いは非常に渋くなった。が、棚の取り方を変えたミヨシのおじさんが好調。潮下なのであろうか?私とトモのおじさんはほとんど食わない。餌はかじられるし、どうやらビシもかなりつつかれている様子が道糸を通して伝わってくる。餌取りのアタリに試しに合わせてみる。何度か空振りの後に針掛かり。案の定これはウマヅラ。餌取りが多くてイサキが食わないのか、イサキの活性が低いのか・・・。
そこで自作してあった食い渋り対策用の仕掛けを試してみる。これは銀のチヌ針1号にハリス1.5号、全長3.5mほど。蛍光玉も無しのシンプルな仕掛け。しかし、この策も効果なし。潮色がちょっと暗いようなので、帰って市販の金針に蛍光玉付きの方がよいかもしれないので結局仕掛け戻す。依然として沈黙が続く。

●終盤にポツポツでツ抜け
ミヨシのおじさんとオマツリしたときに仕掛けを盗み見てみると、銀針(ムツ針にみえた)を使っている。やはり銀の針がよいのか、と再び食い渋り用の仕掛けにチェンジ。するとすぐにフグらしき奴にハリを取られる。もう1組を付け直してこれで続ける。すると直後に深めの棚の時にあたって9尾目。11時過ぎに1尾追加、やっとツ抜け。その後口付近のスレでショウサイフグもあがった。
終了間際にも大きな引きがあったがこれはばらし結局12時に終了となった。。
<釣果>
・イサキ 25〜32センチ 10尾
・マアジ 15〜23センチ 11尾
・ウマヅラ 27センチ 1尾
・ショウサイフグ 25センチ 1尾

 今回の成果
下船後、船宿でお昼をごちそうになっているときに大船長がやってきて「今日は潮が速くてだめっだったみたいだねえ」とねぎらってくれる。アタリ自体はあったので、もう少しポイントの上を長い時間流せればかなりの数が出たのではないかと思う。

釣ったイサキはどれも脂が乗っていて旨かった。大原イサキ開幕前にもう一度は来てみたいものだ。


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