こちらも好調、相模湾スミイカ

大きな奴も釣れました


  1. 日時:99年1月30日(土)
  2. 場所:平塚〜大磯沖
  3. 参加メンバー:上甲、内山氏(funeturi-ml)
  4. 時間:午前7時00分〜午後2時00分頃
  5. 潮時:中潮


釣行記

スミイカと言えば東京湾である。例年、10月頃から金沢八景近辺の船宿が乗合を始め、年が明けて2月位になってスミイカが産卵するようになると終了するというサイクルを繰り返す。かなりマニアックな釣りで、専用のスミイカテンヤ餌はシャコ。専用竿やカワハギ竿などを使って一日中シャクり続ける。アタリというものはなく、シャクリ上げた時に「ズシン」と伝わる重み、これで乗りを判断する。この「ズシン」がたまらないのだ。で、このスミイカ釣りが出来るのは東京湾だけかと思っていた。

今年はスミイカの沸きが例年よりもよく、シーズン終盤を迎えつつある1月末でもトップが10ハイ突破する時がざらにある。この時期になるとタチも50m前後と深場で釣りもやや難しくなる。
で、今シーズンにスミイカデビューした私であるが、初回はボウズ、リベンジで2ハイと不完全燃焼。このままシーズンを終えるのは何としても避けたい。そこで23日に東京湾スミイカ再リベンジを企てたが、流行のインフルエンザに阻まれ海に出られず。スミイカ釣りへの欲求は高まるばかりだ。

●相模湾でもスミイカ?
ところで、16日に行った相模湾シロギス釣りに行った際に端物狙いでスミイカらしき奴にキスをかじられたりしたことをfuneturi-mlで報告した。すると、相模湾でも最近乗合が出てるという情報が寄せられた。早速調べてみると、平塚・庄治郎丸では同じ16日にトップ34ハイという驚異的な数字。10日から乗合は始めたようで安定した釣果が得られている。他に茅ヶ崎方面の船宿もいくつか乗合を出しているようだ。相模湾のスミイカ、例年は乗合を出していないだけに今シーズンを逃すと次はいつこの釣りが出来るか分からない。ということで、2度チャレンジした東京湾ではなくて今回は相模湾のスミイカに挑戦してみることにした。
情報収集してみると、釣り方・タックルは東京湾の方法を変わらないようだ。
当日は同じMLの内山さんと行くことになった。内山さんも最近東京湾のスミイカに初挑戦してボウズを食らってリベンジに燃えている。二人の思惑は一致している。「東京湾スミイカの仇を相模湾で」である。船宿選択は迷ったが、行き慣れた平塚港の庄治郎丸にした。

●気合いでミヨシ確保!
有利な釣り座を確保するため、5時には船宿に到着することにした。スミイカは潮先になるか、4角のいずれかに席を確保して広く探った方が有利である。天気予報では当日は北風後南風。経験からして右舷ミヨシが潮先になる確率が高い。
4時に自宅を出発。厚木インターを降りたところで携帯が鳴った。「右舷ミヨシ、確保しましたよ」内山さんである。時間は4時半。なんとも気合いがはいっている様子だ。私も5時には船宿に到着して受け付けを済ませ出船を待つ。海は凪だがやや北風が強く、気温も0度に近い。今日は寒くなりそうだ。
6時半頃、船が付けられたので乗船する。ここで船宿の人から情報を仕入れる。朝マズメが有利なことや釣り場は真沖で航程3分程度の20〜30mダチであること。スミイカ乗合を出したのは昭和51年以来であり何と23年ぶりだそうだ。例年乗合を出しているヤリイカが不調なこともスミイカ乗合を出している理由なのかもしれない。
最後に内山さんが乗り込み、定刻の7時よりもやや早く16人を乗せて河岸払いとなった。話の通り、船は3分ほど走った平塚真沖の30mダチで開始となった。内山さんの好意でミヨシを頂いたが、潮先になれば一番プレッシャーのかかる釣り座でもある。

 朝焼けの中を走る船
今回は新調したダイワのスミイカ竿の竿下ろしでもある。リールは小型両軸にPE2号を巻いたもの。先糸5号1mの途中にクロスビーズでスッテを結ぶ。ハリスは3号15センチ程度。スミイカテンヤは持参の25号を使用。このテンヤは錘部分を自分で蛍光緑に塗ったものだ。スッテはピンクのものを最初は使ってみることにする。内山さんと共に当面の目標は5ハイとした。

●出だしは絶好調!
まずはキャストせずに船下を狙ってみる。思惑通り道糸は船下の方に入っていき、潮先になっていることを確認する。しばらくシャクっていると急に軽くなった。どうやら左舷の餌木シャクリをやっている人とオマツリしたようだ。糸を伸ばして解かれるのを待つ。オマツリがほどけて巻き上げてみると何やら重い。ん?まだ誰かとオマツリしているのか、とそのまま巻き上げるが、周囲にオマツリの様子はない。もしや、と海面を覗くと白い影が。嬉しい船中1号のスミイカが私のテンヤに乗ってきた。そーっと抜き上げる。型もよく500g級だ。いきなりのボウズ脱出。幸先がよい。さらに船下をしゃくっているとまたもズンという乗り。が、これは少し巻き上げたところで軽くなってしまった。ここで1流し目が終了。1流し目で2度も乗りがあるとは、これは今日はすごいことになるかもしれないと、密かに微笑む。
8時前にまた1ハイ。直後にも1ハイと好調を維持。しかも型がよく、ただ重いだけでなく引きも見せてくれるので面白い。内山さんも初物の1ハイをスッテで上げ「これがスミイカの乗りか」と感動していた様子。

●シャコは冷凍もの
餌のシャコが身崩れしてしまった。というのも、今回は活きシャコではなく冷凍物のシャコなのだ。当然死んでいるし、活けに比べて身も崩れやすい。船宿の人の話では最近までは活シャコを使っていたようなので、餌の手配にも苦労しているのだろう。身は崩れても目の部分はまだ大丈夫だったので、輪ゴムで身の部分を補強固定してこのまま釣り続ける。乗りが良かったシャコ餌は極力変えたくないのだ。

 テンヤに目が立ってるシャコ。

今回のスミイカ釣りでもいくつかの事に注意をした。
・シャクリは鋭く。
・シャクリの後、着底させたテンヤは動かさない。
・餌のシャコの目をなるべく立たせるようにテンヤに装着する。

●泣きそうなくらい寒い
特にミヨシの方は日が昇っても北風がまともにあたって非常に寒い。鼻水をずるずるすすりながらの釣りになる。シャクリに忙しいことがまだ救いであるが、動きが少ない釣りではたまらない寒さだ。

●アタリ遠のくが・・・
船は次第に大磯方面に移動していく。とともに私の竿にアタリが遠のく。左舷ミヨシの人やトモの常連さんにはポツポツ来ているようだからイカがいないわけではなさそうだ。これを見ていた船長から「そこは潮先で一番良い場所なんだからもっと乗せないとダメだよお」と檄を飛ばされる。そう、アタリが遠のくとやや釣りが雑になるのが私の悪い癖。ここで我に返って不調からの脱出を図る。左舷ミヨシのおじさんはスッテ無し、白のテンヤで好調。トモの人も良くは見えないがテンヤは白のようだ。そこで私も持ち合わせた白のテンヤにチェンジ。スッテも緑にチェンジ。更にシャコの目が立つように輪ゴムの固定の仕方も工夫してみる。潮先ですぐ船下に来てしまう

●やはり中だるみ・・・
が、テンヤもなるべく遠くにキャストするようにした。
これが良かったのか、直後にテンヤに乗って4ハイ目。さあ、目標達成の5ハイ目の乗り、と思ったらこれがイイダコの親分のようなマダコ。テンヤの白に惹かれたのだろうか、丁寧にリリース。何とか10時半には目標達成の5ハイ目を取り込む。ペースからしてツ抜けが見えてきた。
が、この頃から潮が流れなくなり、風も次第に弱くなり、南寄りに変わってきた。そのせいか、ぱったりと乗りがなくなってしまった。船の潮回りのサイクルも短くなるが、どの場所も1流しで船中1ハイがあがるかどうかという状況。典型的な中だるみ。好調なのは朝マズメだけなのだろうか。潮もかなり澄んできた。スッテを青にしたり、シャコの付け方にかなり注意したりしてみるがどれも効果なし。

こうゆう時は、ガツガツやっても仕方ない。シャクリ続けるのも結構つかれるので、食事をとったり持参のポットのお湯でコーヒーを飲んだりちょっとのんびりやって周りを観察してみる。左舷ミヨシ2番の人はずっと餌木でしゃくっていたが、乗りはなく諦めてテンヤに変えたようだ。このおじさん、錘が軽いのかハリスが長すぎるのか私や内山さんとよくオマツリしていたので、これで少し釣りやすくなった。胴の間で危険なオーバースローでテンヤを投げているおじさんはキス釣りと勘違いしているのか、テンヤをズルズル引きずっている。これでは釣れないだろう。船長も鋭くしゃくるようにアドバイスしてるのに何故聞かないのだろう。

 墨攻撃には注意のスミイカ

●餌木などもやってみるが・・・
船は昼頃から平塚寄りに移動を開始し、朝の真沖の場所へ。ここであまりの乗りの悪さに目先を変えてダメもとで餌木でしゃくって見ることにする。錘25号、ハリス3号2ヒロ天秤仕掛けである。

●大型カミナリイカ出現
内山さんの隣の人がなにやら大きなイカを掛けて船長にタモ取りされている。見てみるとバケツの底が見えないくらいの大きさのイカ。キロは超えていそうだ。が、よく見せてもらうと身体には目のような模様がいくつもついていてスミイカとは様子が違う。そう、これはカミナリイカ(モンゴイカ)であった。庄治郎丸では連日キロオーバーのイカが上がっているのが釣果欄から分かるのだが、どうやらこの大型イカの正体はこのカミナリイカのようだ。「ここまで大きいとまずそうだなあ」と釣り上げたおじさん。でもモンゴイカはかなり美味なイカのはずだ。
13時を回り終了まであと1時間程度。内山さんが5ハイ目を上げ当初の目標を達成。私のイカは全部テンヤ、内山さんは1つだけがテンヤであとはスッテ。同じような誘い方をしているのに不思議なものである。餌木の方は不発。シャクリ方などの予備知識も曖昧であり、やはり慣れないことはやらない方がよいかもしれない。

●終盤で乗り復活
残り30分というところで船は相模川河口沖のシロギス船団の沖合よりも東に移動。すると左舷やトモの方でテンヤにスミイカが乗り始めた。内山さんもオレンジ&白スッテに乗せた。慌てて餌木からテンヤとピンクスッテ仕掛けに戻す。と、直後にズシンという久しぶりの乗り。無事6ハイ目をゲット。更に本日初めてスッテに1ハイ乗せる。自然と気合いが入りしゃくりにも力が入るが、定刻の14時になったので終了となった。

●満足の釣果
後検量で650gが最大で500g以上が3バイ。残りの4ハイも300g以上と良型のスミイカ7ハイの成果。内山さんも同型を6ハイ。有利な釣り座のせいもあったが、3度目のスミイカ挑戦にしたら満足すべき釣果であろう。トップは左舷ミヨシの人で13バイで、何人かはボウズだったようで、やはりこの釣り、釣果は偏ってしまうようだ。

好調の相模湾スミイカ乗合、ヤリイカが不調だし2月は釣り物も少ないのでしばらくは乗合も続くだろう。餌のシャコも活けくらべて餌付けがやりにくいという面もあるが、目の光り具合などは活けと比べてもそう遜色ないと思われる。キスの端物で狙ってみるのもいいが、今シーズンを逃すと次はいつ専門に狙えるかは分からない。浅場で釣れているうちに行ってみるのが得策であろう。


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