リベンジは達成も今ひとつ、東京湾スミイカ

やっとスミイカを手に!


  1. 日時:98年12月20日(日)
  2. 場所:大貫沖〜金谷沖〜下浦・久里浜沖
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前8時00分〜午後3時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

●リベンジじゃ!
リベンジという言葉がある。最近ちまたでもよく使われる言葉だ。Revengeと書いて復讐を意味する。釣りの世界ではだいたい、前回釣れなかった無念の思いを晴らすために同じ釣りに再度挑戦することを意味する。釣りにおいて、だいだい最初の1尾を釣るまでが大変なことが多い。逆に難しい釣りでも最初の1尾を釣ってしまうと、とたんに釣れ出してしまったりする。1尾釣れてしまえば、その感触が実感として記憶され、次からはそんなに肩に力が入らずに釣りが出来るのだ。まだ見ぬ最初の1尾を釣るまでの机の上での研究も楽しい。未知のものへの挑戦なだけに、どんな感じなのだろうと楽しみと不安が交錯する。初めて狙う魚種の楽しみはそんなところにあるのだろう。
さて、今回も先週に引き続きスミイカを狙う。前回はボウズのリベンジである。

●スミイカ釣りの研究は十分
前回はスミイカ釣りの研究を怠ってしまった感が強い。ボウズで帰って、タイミング良く野毛屋のスミイカ釣りの特集をしていた釣り雑誌を購入し熟読する。すると「やってはいけないこと」を相当しでかしていたようだ。シャクリの方法、シャコの付け方、竿の角度などがそれだ。今回はこのへんを勉強し直して出直したというわけだ。
ちょっと早めの6時に野毛屋に到着。両ドモ2隻ずつと右舷ミヨシが既に埋まっていた。前回良かった右舷ミヨシ2番目の席札を一度手にするが、今日は北風が強く、ミヨシよりは釣りづらいのではないかと思い、結局日のあたる右舷のトモ番目に席を決めた。
受付をしていると「大島で西風15mだってよ」と常連さんが話している。今日はシケで釣り辛いかもなあ、とちょっと不安に。
6時半過ぎに船着き場に向かう。船には既に数名の人がいる。右舷トモの2名は初老の男性と女性。どうやらスミイカ釣りは初めてのようで、貸竿でやるようだ。胴の間寄りの隣りも初老の男性。「ご迷惑お掛けしますが、お願いします」と挨拶され恐縮する。餌木仕掛けを準備していたのでてっきり常連さんかと思っていたのだが。
だんだんと乗船者は増えて、結局片弦9名づつでの出船となった。東京湾に出ると船は南東に進路を取り、30分程で海堡まわりに到着し開始となった。


今回はカワハギ竿に新調したベイトキャスティングリール。先糸1mにテンヤ上40センチに3号15センチの枝スでスッテを付ける。テンヤは25号で錘を蛍光薄緑に着色したものを使用した。スッテは最初はピンクを選択した。
トモの2名が船長に餌の付け方や釣り方を聞いている。なるほど、雑誌に書いてあったとおりの事を言っている。
・テンヤは動かさない。
・シャコを固定する輪ゴムは頭の途中のくぼんだところを中心に巻き付ける。
・6秒に一度シャクる。
これらのことは私の頭の中にインプット済みだ。

●初心者が船中1号
水深は30m前後。着底後、しばらくしてからシャクり再びテンヤを着底させ心持ち糸フケを出してテンヤを固定、シャクリ。これを繰り返す。2流し目まではスミイカの顔は見ず。3流し目、移動の合図があると隣の初心者の女性が「何か重いよ」と言いながらリーリングしている。これが良型のスミイカで船中第一号。リール操作するぎこちない人が最初に釣ったりするから面白いものだ。

●ズシン!しかし・・・
その後は数度の潮回りをするもスミイカは上がらず、船は大きく南よりへ移動。今度は大貫沖の本船航路付近へ。水深は深くなり40m前後。このへんも忘れたころにスミイカが上がる程度と不調。このころから北風が強くなり、波も高くなってきてやや釣り辛くなる。ここでシャクった竿にグンという重みが。「来た」と喜びいさんでリールを巻く。しかし前回もフグやらベラという外道をよく掛けたこともあり、スミイカかどうかは半信半疑。水面に見えて来たのは案の定、トラギス。がっかりしてリリースする。
開始から2時間。まだ船中で本命の顔を見た人は4〜5人であろう。まだ不調の日に来てしまったのであろうか?

●更に深場へ。やっと本命ゲット
船は更に南下。金谷沖の千葉側航路筋へ。ここは水深は50mを超えるときあるほどの深場。ここで、今までよりはやや活発にイカが乗り出したようだ。特に蛍光緑に着色してあるテンヤによく乗っているように感じる。そこでスッテをピンクから緑に変更する。これから30分後、またもズシンというアタリを感じる。慎重にリーリングする。フグでないことを祈る。と、水面に来たテンヤを見ると白い腹と茶の胴体が見える。スミイカだ。スッテに乗っている。そっと水面から抜き上げて無事取り込み完了。イカの背中側を掴んでバケツへ。300g弱程度か、やや小振りだが初めての本命に感動。と同時にリベンジ達成。これでだいぶ肩の力も抜けた。が、やっぱりイカはテンヤに乗せてみたい、とシャクリ続ける。
この後もこの場所では蛍光緑のテンヤかつ投げて探っている人によくイカが乗っている。蛍光緑のテンヤが良いことが分かっていても持ち合わせがなければ仕方がない。今のテンヤでがんばってみる。不思議と今日はスッテにはあまり乗らないようだ。

●今日も渋くてイカン
北風の次第におさまってきて、日も照ってきたのでそんなには寒くない。が、持参のお湯で作るカップラーメンやココアはやはり旨い。冬の船上ならではの楽しみだ。
しかしイカの乗りは渋い。午前中でトップでも3ハイ程度でアオリイカも混じらない。

●今度はテンヤに!
今度は大きく神奈川県側に移動する。どうやら下浦沖あたりで、普段は鯛を狙うような場所だ。今度は道糸が60mくらい出ていく時もあるくらいの深場。ややシャクリも大きめにしてやる。ここでしばらくしゃくっていると、久しぶりにズシンという感触。50mあまりをリーリングするから大変だが、上がってきたのはさっき同型のスミイカ。今度はテンヤに乗ってきた。よしよし、と安堵。

 釣れたスミイカ2ハイ。墨まみれ。

●マダコ?にシャコ盗られる
隣のおじさんの竿が大きく曲がっている。「タモ取りをお願いします」とのことなので、竿は置き竿にしてタモを構える。50m底から時間をかけて上がってきたのは500g級のマダコであった。無事タモ取りをして、私の置き竿をしゃくってみると、またもズシンという乗りを感じる。今度はやけに重い。長い時間の置き竿だったし、これまたタコか?とギリギリとリールを巻いているとふっと軽くなる。しまった、と思っても後の祭り。上げてみると輪ゴムがぶっちぎられてシャコが丸ごとなくなっていた。多分タコの仕業だろう。
午後2時頃になるとやや日も陰り辺りも暗くなり始めた。すると隣のおじさんがまたしても竿を曲げている。今度は中型のスミイカ。「これで家に帰れます」と満面の笑顔。聞けばイカ釣りというのは今日が初めてだそうだ。このイカはピンクのスッテに乗ってきた。

●夕方はピンク?
これを見てミヨシ寄りの数名の常連さんがテンヤやスッテをピンクにチェンジしたようだ。私は様子見でそのまま緑。しばらくするとこのピンクのスッテに1ハイ。また1ハイ。どうやら暗くなり始めてピンクに乗るようになったようだ。と気が付いた時には残り時間はあとわずか。結局このままの仕掛けで通した。

定刻の3時半になり終了の合図。トップは7ハイで船中ボウズは5人とやや低調であったが、私としてはテンヤにイカを乗せることが出来たのでリベンジとしては成功であった。
だいぶスミイカ釣りの技や、テンヤやスッテの色の工夫など考慮すべき点が分かってきた。この釣り、はまりそうである。


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