初挑戦は玉砕、大貫沖スミイカ

スミイカとアオリイカ


  1. 日時:98年12月12日(土)
  2. 場所:大貫沖
  3. 参加メンバー:上甲、冨田、宇都宮(funeturi-ml)
  4. 時間:午前8時30分〜午後3時30分頃
  5. 潮時:小潮


釣行記

●い組ミニOLMじゃ!

私が最もアクティブに活動しているメーリングリスト「funeturi-ml」のメンバーの中にはいろいろなグループが存在する。その中でもイカ釣り好きが集まって出来たのが「い組」である。このい組のメンバーのOLMといえば当然イカ釣りになる。イカ釣りが本格的になるのは冬、当然、い組の活動も活発になるというわけだ。
今回もその「い組」のミニOLM。釣りものはスミイカ。私を含め参加した3名は初挑戦の釣りである。また、スミイカはマニアックな釣りと言われる。そのため、去年もテンヤやスッテなどは準備だけはしたのだが、なかなか敷居が高くて釣行出来なかった。そんなわけで今回は満を持しての釣行である。

●1時まで仕事してても釣りには行く
前日は午前1時まで仕事が終わらず、帰宅したのが2時、寝たのが3時。起床は5時過ぎと久しぶりに強行軍である。何とか6時半に金沢八景・野毛屋に到着。既に店前の駐車スペースは一杯だ。同行の冨田さんと宇都宮さんを見つけ挨拶。既に右舷のトモよりの座席を押さえてくれていた。
受付を済ませ、同時にテンヤを1つ購入する。テンヤは20号とのこと。


コンビニで買ったサンドイッチで食事を済ませ、車に戻って準備を始める。と、船宿の人が「その場所じゃ駐禁とられるよ〜」とのことなので、車をやや離れた野毛屋の駐車場へ車を移動する。そんなこんなで7時過ぎにやっと船着き場に到着。早速仕掛けのセットを開始。小型両軸受けリールにカワハギ竿。先糸には5号、テンヤの上30センチのところに枝ス3号15センチを出してスッテを付けるというオーソドックスな仕掛けだ。

●スミイカ船は盛況
定刻の7時半になり出船。片弦9名ほどとなかなかの盛況で、スミイカ人気を物語っている。港を出るとやや風があり、前日の北の強風によるウネリが残っているようだ。そんな中を船は南に進路を取る。観音崎沖まで来たところで進路を東に向け航路を横切り千葉側へ。小一時間ほどで大貫沖に到着し、開始となった。餌のシャコをテンヤに装着する。船長にやってもらおうかと思ったが、何事もまずは経験ということで、雑誌で得た知識の通りに自分でやってみる。シャコのカマを切り取り、尻の部分にV字に切り込みを入れ、その切り口からシャコを串刺しにして、テンヤに輪ゴムで固定する。とりあえずは形になっている。


まずはテンヤを真下に落として見る。水深は30m弱程度。潮もそんなに速くなく釣りやすい。まずは雑誌に書いてあるとおりにやってみる。鋭く頭上まで竿をしゃくり上げたらしばらく静止。それからゆっくりとテンヤを着底させる。これをひたすら繰りかえす。しばらくするとトモの方で本命が上がったようだ。おお、あれがスミイカか、なかなか大きいではないか、とこちらに気合いが入る。
宇都宮さんなどは「スミイカにアオリイカ、それにマダコと釣って軟体動物五目釣りじゃ」と張り切っている。

●初獲物は・・・タコ
1時間ほどして、左舷側で上がったスミイカの取り込みの様子をじっと見てみる。なるほど、テンヤに掛かったら、そおっと上げてテンヤを掴んで、イカの甲側をこちらに向け、墨がかからないようにするのか、と感心しながら眺める。と、その時、シャクッた竿にグンという重量感が。おお、来た来たとニコニコしながらリールを巻き始める。巻きながらも「まずテンヤを掴んで・・・」と頭の中では取り込みのことを考える。と、水面に見えてきた物体はなにやら様子が違う。なんと中型(後検量で0.5kg)のマダコであった。がっちりと掛かっている様子なのでそのまま抜き上げる。い組最初の獲物はイカでなくマダコか、と話していると、冨田さんにもマダコ。その後冨田さんは本命らしきものを掛けたが痛恨のバラシ。残念。

 マダコは釣れたけど・・・
宇都宮さんの竿が曲がった。「これは来たかもよ〜」と宇都宮さん。水面に現れたのは良型のスミイカ。これもそのまま抜き上げる。しかし手元でスミイカがぐるぐる回っている。思わず墨の噴射を恐れて逃げ腰になる。宇都宮さんがイカを掴んで、バケツに落とそうとした瞬間に強烈な墨の噴射。隣の冨田さんの横をかすめて船は墨だらけに。「はい、これ」と宇都宮さんにモップを渡す。バケツとモップで掃除しながらも宇都宮さんは嬉しそうだ。羨ましい。

 墨の掃除をする宇都宮さん

●アオリイカゲット、宇都宮さん
その後もミヨシを中心にポツポツとスミイカは上がるが、調子は今ひとつのようだ。昨日までは好調だったようだが、昨日の北風の強風がいけないのか、潮回りが今ひとつなのか・・・。
そんな中、宇都宮さんに再びアタリ。これまたスミイカかと思ってタモに手を掛けて待機。すると上がってきたイカは様子が違う。「ああ、アオリだアオリ!」と思わず叫ぶ。慎重にタモ取りしたのは小型ながらもアオリイカ。「アオリだよ〜」とアオリイカが上がる度に船長が叫ぶから注目の的だ。
この後も宇都宮さんはイイダコに小型アカイカと上げ、本当に五目を達成しそうな気配だ。


しかし私と冨田さんは渋い。周りの人のシャクリ方などマネしてみるがなかなかアタリがない。そうこうしていると今度は根掛かり。先糸から先を失い、一つしか持っていなかったピンクのスッテも失う。周りを見てもピンクのスッテはアタリスッテだったようなので、これは非常に痛い。仕方なく自前のテンヤと緑のスッテに切り替える。

●タックル替えて探るも・・・
よく見ると、広範囲に探っている人が釣果が良いようだ。ならば、ということでキャストしにくり両軸リールに替えてスピニングリールにチェンジしてみる。20mほどキャストし糸フケをとりしゃくるとググンという乗り。やった!といさんでリールを巻き始める。かなりの重量感だ。やっとボウズ脱出か、とニコニコしながらリールを巻く。が、これもやや様子がおかしい。グングン引くのだ。いや、イカが掛かればきっとこうなんだろうと思って構わずリールを巻く。隣の常連さんがタモを持って待ちかまえている。が、水面に見えてきたのは・・・これが30センチ近いサバフグ。実はここまでにベラ2尾にカワハギ、サバフグと何故かイカより多くの魚をテンヤに掛けているのだ。何故か魚の方に今日は好かれてしまったようだ。

●そして、玉砕
結局、このまま定刻の3時を30分延長しても、本命は顔見ずで終了となった。
私と冨田さんがマダコ1尾づつ。宇都宮さんがスミイカ、アオリ、マルイカ、イイダコを各1尾と非常に渋かった。
帰りにお土産で冷凍のスミイカを船宿からもらう。もらったのは我々2名だけのようで、余計にみじめになってしまった。
ちょうど発売直後の「フィッシング」で野毛屋のスミイカ特集が組まれていた。これを読む限り、かなりやってはいけないことをやっていたようだ。
・竿先は下げない。
・シャコの爪はあまり切り取らない。
・シャコを固定する輪ゴムはシャコの頭の中間に付ける。頭の付け根はNG。
これらは私がやらかしていたこと。事前にもっと勉強していけばよかったと後悔しても後の祭り。今年中にリベンジしスミイカにコケにされたお返しをしてやろうと心に誓うのであった。


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