思わぬ外道に驚喜、大原沖ヒラメ

ヒラメ釣りだったんですが・・・


  1. 日時:98年12月5日(土)
  2. 場所:大原沖
  3. 参加メンバー:上甲他funeturi-mlメンバー18名
  4. 時間:午前5時30分〜午後11時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

忘年会の季節である。私にも忘年会のお誘い&企画依頼などが来始めている。酒を飲むのは、嫌いではない(むしろ好き)。家や友人宅で飲む分には飲んでいてもなかなか楽しい。だが、宴会となると話しは異なる。酒というのは楽しく飲むものである。相手に気を使いながら飲むものではない。気心の知れた仲間内での宴会は本当に楽しい。良い酒が更に旨くなる。逆に形式的で、相手に気を使う必要のある宴会ほど苦痛なものはない。会社も長くなってくるとこのような宴会にも顔を出さざるを得ない時もある。ならばせめてプライベートの宴会は楽しい酒を飲みたいものだ。

●funeturi-ml忘年会 at 大原!
今回はfuneturi-mlの忘年会OLMで大原の臼井丸に行ってきた。まず午前船はヒラメ仕立て、午後はホウボウ五目の仕立て。その後、宴会でそのまま宿泊し、翌朝はタコ飯&伊勢エビ味噌汁の炊き出しとなかなか豪華企画である。なによりみんな趣味が共通。しかもかなり熱が入っている人達ばかり。釣りの話しをし出したら止まらない人も多い。そんな人間が集まるのだから楽しくないわけがない。久しぶりに楽しみな宴会だ。いや、それよりも私はヒラメの船釣りは初体験。手漕ぎボートで真似事しかやったことがないのだ。でも、この船も乗船者はみんな仲間。釣果もいいが、ワイワイやれればそれだけで楽しいのだ。

当日は4時半に港集合なので、余裕を持って1時半に家を出発。すいすい走って3時半頃には港に到着。集合時間まで仮眠する。4時半頃になると駐車場のところがにわかに賑やかになってきた。よく見ると知っている顔がちらほら。早速車を降りて挨拶する。寒い。徐々にメンバーが集まってきて、5時頃に最終到着者がきたところで座席のくじ引き。私は右舷のミヨシ3番目に。「右舷」とか「ミヨシ」は最近ゲンがよいので期待する。

●イワシの反応有り!
鰯も積み込まれて全員乗り込んだところで5時半過ぎに出船。鰯は噂に聞いたとおりかなり大きい。そのまま塩焼きにすれば旨そうなサイズの真鰯だ。
船は暗い海を中速で走り出す。20分程沖に出たところで潮回り。「支度してね〜」と船長のアナウンスでキャビン付近で談笑していたメンバーも釣り座に戻る。餌の鰯を配り終わったところで開始となった。我がMLの発起人である一ノ瀬さんによれば「鰯の反応がすごく出てるよ」とのこと。鰯の群が入ったときはそれに付いているヒラメもいるということだ。これは期待できそうだ。

配られた鰯のなかから一番小さいのを選んで針に付け、そっと海に放す。サミングしながら仕掛けを沈め20m前後で着底。「潮が濁っているから、50センチくらい底切って」という船長の指示どおりにしてアタリを待つ。
竿は50−300の7:3調子のインナーのアルゴス。リールはレバードラグを使った。仕掛けは船宿製のもので、ハリスは6号1mに丸セイゴ17号で、孫針も同じ針だ。捨て糸はとりあえず80センチとした。錘は80号。

●いきなりヒット!
船はスパンカーを張らずに横流し。まずは私のいる右舷が潮先になっている。チャンスである。だいぶ明るくなって来た頃、トモの方でヒット。まずまずのヒラメが上がった。おお、と思ってその様子を眺めていると私の竿にもガツガツというアタリ。来た来たっ!とやや竿を送り気味にする。ガツガツというアタリはまだまだ続いている。アワセを入れたくなるところをぐっと我慢する。ガツガツ・・・まだまだ。時間にして20秒くらいであろうか、竿先が大きく絞り込まれたところで、竿を立てアワセを入れる。ググッという手応えが伝わる。乗った、やったぞ。ヒラメなので青物のように走り回ることはないだろうし、ハリスも6号なので比較的ドラグはきつめにしておいた。グングンと底の方に引くが、リールが巻けないほどではない。巻こうと思えば巻けるのでちょっと強引に巻き上げていると「だめだよお、引いている時に巻いちゃあ〜」と大船長がやってきてアドバイス。最近ドラグ滑らすような魚ってワラサとかイナダしか釣ってないから、巻けるときには強引に巻いてしまうクセが付いてしまっている。イカンイカンということで、ここからは慎重にやりとりする。臼井丸のノブ船長も横にやってきて応援してくれる。「竿をもっと立てて」という船長のアドバイス通りにすると、比較的楽に魚が上がってくるのを感じる。竿の弾力で浮かせるとはこのことなんだろう、と実感する。

●あれ??赤い魚・・・?
しかしどうも様子がおかしい。ヒラメってこんなに底に底にって突っ込むのか、というほどグングンと底へ突っ込むのである。しかし、鰯餌だし、ヒラメに違いないと信じて疑わなかった。
あと5m。とりあえず船のヒラメ初挑戦でボは脱出、と心の中は踊っている。そろそろ仕掛けが見えてくるかなあ、というところで「ああ、鯛だ鯛!」との叫びが聞こえる。水面を覗くと大きなピンクの魚鯛が浮いている。この瞬間から頭の中が真っ白。膝が震え出す。気がつくとタモに収まった鯛をのぶ船長が渡してくれていた。タモに収まった瞬間がどうも思い出せないほど鯛を見たときにショックが大きかったようだ。

 その鯛です。
一ノ瀬さんや船長のカメラで写真撮影をしてバケツに突っ込んでおく。後検量で2.6kg、55センチの見事なマダイ。自己記録更新だ。なにより鰯餌でマダイが釣れたことが私はもちろん、周囲のみんなにも驚きだったようだ。孫針が鯛の口元にしっかりと掛かっていた。トリプルフックの孫針を使っていたら、こんなにうまく針掛かりしなかったかもしれない。そうゆう意味でも非常にラッキーであった。

●その後沈黙・・・
仕掛けを点検し、再投入し、今度は本命を目指してアタリを待つ。しかし、この後は長い沈黙が続いた。ちょっと風が強いのでスパンカーを張って普通に船を流すようになったが、どうやらトモ流しのようで、時々トモの方でキロ級の本命やマトウダイが上がっている。
ミヨシよりは不利ながらも右舷ミヨシでは3キロ級が1尾上がった。更に私の隣の高荒さんにソゲ級が1尾。ならば私も、と気合いを入れるが、どうにもアタリすらない。
仕掛けの点検をしてみると、どうも針についている魚の様子が違う。上げてみると鰯がいつの間にかアジに変わっている。鰯から針がはずれて(あるいはヒラメに食われたか)、その空針にアジが掛かったようだ。鰯より元気が良いし、地のものであるので、このアジを掛けて狙ってみることにする。しばらくすると、ガツガツというヒラメらしきアタリ。が、直後、船が大きく揺れてしまい竿先がはねてしまった。そのせいか、その後のアタリはなく、上げてみるとアジの腹にはヒラメの歯らしき引っかき傷があった。

●寒い・・・
天気は曇りで朝から気温が上がらない。北風も吹いて寒い。手がかじかんで糸が結べないほどだ。ヒラメは置き竿はタブーと言われているので、持ち竿でひたすら待つ。が、アタリもないと睡魔との戦いとなる。寒さに耐えきれずウイスキーをあおったりしたのも睡眠誘導を促進させてしまったようだ。
時間はあっというまに11時半。船中諦めムードが漂う中、隣の高荒さんが掛けた。慎重にやりとりし上がってきたのは3kg級の良型の本命。最後まで粘った成果であろう。
結局11時40分に終了。船中14〜15枚程度で、右舷はトモとミヨシ、左舷は胴の間の成績が良かったようだ。
初挑戦のヒラメは本命はボウズに終わったが、思わぬ外道に非常に良い思いが出来た。やっぱり大原の海はいい、最高だ。ヒラメのリベンジを誓って午前の部を終了し、午後のホウボウ五目に気持ちを切り換えたのだった。


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