5kgの本命ゲット!神子元沖ワラサ

無欲でワラサゲット!


  1. 日時:98年11月28日(土)
  2. 場所:神子元島沖
  3. 参加メンバー:上甲他3名
  4. 時間:午前6時30分〜午前11時30分頃
  5. 潮時:長潮


釣行記

●社内旅行はワラサ釣り!

もう今シーズンの青物に釣りに行くことはあるまい、とジャンボビシやワラサの仕掛けを部屋の奥に追いやってあった矢先、社内旅行の行き先が下田になったことを聞いた。例年どおり釣りのレクリエーションも用意されているとのこと。ただ、昨年の釣りレクは熱海で2時間の観光釣り(カワハギ釣り)だったので、私としては物足りなかった。そこで、今回の釣りの企画を旅行代理店に訊ねてみると、宿泊先のホテルに聞いてくれ、とのこと。早速聞いてみると、担当の人もどうやら釣り好きのようで、かなり詳しい。最初は堤防釣りでも、ということであったが、船宿も探してくれるという。当初は仕立てを希望したが、少人数ということもあり結局、外浦港・岩澄丸の乗合を手配してくれた。釣り物はおそらくワラサとのこと。思いも掛けぬところから神子元ワラサリベンジのチャンスがめぐってきた。しかも費用の一部は会社持ちである。ただ、今回は釣りレクの実質上の幹事でもあり、釣果は二の次で同行者に釣りを楽しんでもらいことを第一に考える予定だ。そうゆう意味では釣果不安定なワラサよりイサキとかカワハギと言った小物釣りでも良かったのだが・・・。

最終的には私を含め4名が釣りレク参加となったため、4名揃って横浜を28日午前1時に出発。下田には3時半頃に到着した。地図を頼りに船宿を発見。玄関が開いていたので待合室らしき部屋に入ってしばらく仮眠させてもらった。

5時に近くなり、台所に明かりが灯り女将さんと船長が起きてきた。船長は電話で海峡速報を聞いているようで「御前崎で西が5mだから行けそうだなあ」と言う。確かに予報では「西の風がやや強く・・・」だったし、今回は船に不慣れな会社の先輩達と一緒とあって、かなり不安ではあった。

徐々に他のお客も集まり、船長が座席を決定する。我々4名は左舷、他の3名のお客が右舷となった。5時20分になり船長が出船準備を始めたのと同時にみんな車で1分程のところの港に向かった。

●やはりウネリ高い・・・

船はそんなに大きくはないが片弦4名ならば問題ない。今回は私以外は貸し道具を利用する。みんなのロッドキーパーやビシなどのセッティングをしているうちにあっという間に出船時間の6時に。船はゆっくりと港を出ていく。なんとか港外に出る前に自分のタックルもセッティング、と同時に「みんな後ろに下がっていて」と船長。

やはり海は西風のせいでうねっている。全速で航行しているため、かなりの波しぶきををかぶってしまった。

 向こうに見えるのが神子元島

20分ほど走って神子元沖に到着。やはりうねりは高く横からうねりを受けたときなどは転覆するのではと思ったくらいだ。しばらく潮回りし、開始の合図。指示だなは70mとやや深め。まずはコマセ釣りは初めての同僚達に釣り方を教える。貸し道具とは言ってもリールはシマノのレバードラグだし、竿もよいやつだ。とりあえず、餌の付け方、タナの取り方、手返しの仕方を教え私も仕掛けを落とした。

80号負荷2.7mの竿に電動リール。ビシはサニービシジャンボ100号。ハリス8号4ヒロにヒラマサ12号の針。クッションは3mm径1mと仕掛けは標準的なものを使った。

一番揺れるということで私はミヨシなのだが、思ったよりも揺れが激しく釣りづらいが、コマセを打ち返す合間で同僚達の面倒をみながらということもあり、なかなか自分の釣りには集中できない。トモに座った同僚は既に船酔い状態のようだ。

●船長怒鳴る

開始20分たっても船中アタリ無し。他の船ではポツポツとは釣れているようだが、全体に渋いようだ。タナボケが一番心配だったので、仕掛けを上げて同僚達がタナ取りが出来ているかどうかのチェックにまわる。どうもデジタルカウンターと道糸では誤差が大きいようで、必ず道糸のマークでタナを取るように指示する。3人目をチェックしているところで「面倒見んのもいいけど、仕掛けは入れときな。そうでねえとみんな釣れねえかんよお!」と怒られる。確かに乗船者7名では他の船に比べてコマセは効きづらい。すぐに釣り座に戻り仕掛けを投入する。

右舷の胴の間で1本ワラサがあがった。隣の船でも上がっている。これはチャンスだ、とコマセを振る腕にも力が入る。

●来たぞ!本命だ。

しばらくして、タナを取って竿をキーパーに置いてすぐに竿先が前アタリを伝えた。ミヨシは竿が跳ねるので手持ちにして引き込みを待つが、クンクン引くだけでなかなか竿先が突っ込まない。竿先がやや突っ込んだところでアワセを入れてみる。と、竿がやっと大きくしなった。「来ましたよ!」とみんなにヒットを伝える。最初の突っ込みをかわし、ポンピングで締め上げる。今回は電動巻き上げを利用しすぐに30mまで上がったがここで再び大きな抵抗。5m巻いては5m出ていくというのを数回繰り返した。これは今までのワラサよりも大きいぞ、と確信。「あんまりゆっくりやってるとサメにやられるよ」と船長。そのアドバイスを受け、ここでドラグを締めてやや強引に巻き上がる。巻き上げは電動に任せて両手でひたすらポンピング。やっとビシが見えてきた。助手の人など乗船していないでの、隣の船釣り初めての同僚にタモアミアシストを依頼。ハリスを手繰り、なんとかタモに入れることに成功した。これは後検量で5kgジャスト、76センチのワラサ。同僚達もその大きさに驚いているようだ。

●潮流れず食い渋り・・・

パンパンになった腕にもめげずコマセを打ち返すがこの後は音沙汰がない。ちょうど潮止まりに加え風も収まってきて潮が流れないようだ。そんな状態が9時頃まで続いた。今日は長潮だししかたないか、と半ば諦めた時に竿先にアタリを感じる。再び手持ちで構えるが、引き込み無し。アワセをいれると確かに何かかかっているようだ。上げてみるとこれは25センチのイサキ。私にとっては嬉しい外道だ。

●素人でもワラサは釣れる!

と、トモ2番目に座る同僚の竿が弧を描いている。「なんかすごく重いぞ」と言いながら懸命にリールを巻いているが、ドラグがやや緩いようで、ハンドルの回転量に比べて巻き取られる量は少ない。が、これなら無理してばらすことはないだろうとふんで「そのまま巻き続けて下さい」とアドバイスしタモを構える。隣の同僚の道糸とオマツリしてひやっとしたが、なんとかほどくことが出来(ただ、この時ビシ一式を落としてしまった)ビシが見えてきた。「糸を手繰って」と指示するがどうして良いか分からない様子。タモを隣の同僚に託し私がハリスを手繰りこれも無事タモに収めることが出来た。後検量4.0kgのワラサだ。船釣り2度目にしてワラサをゲットしてしまうとは何ともついている。うらやましい限りだ。

風も北寄りに変わり、日も照りつけてきて完全防寒装備ではかなり暑くビールが飲みたくなるほどだが、今回が寒いと思いビールを持ってこなかった。失敗。天気は最高なのだが、このころから潮がほとんど流れなくなった。

●鯛、イサキ狙うも・・・

10時過ぎに「もうワラサはダメだろうから、タイかイサキでも狙うか?」と船長が提案したので、乗船者一致で賛成し、船は進路を北に向けた。どうやら港の近場でやるようで、ハリスは3号8m程度という指示。20分程走ってポイントに到着した。

タナの指示は20〜30m前後。しばらくコマセを打ち返すが餌もそのまま上がってくる程で食いは渋い。「あ〜、全然反応出ないよ」と船長。結局11時半の終了まで数回潮回りをするも右舷でメバルが上がっただけで終了となった。

 50Lクーラーの中身。本命2尾。

●やっぱりワラサ釣りはチームワーク

翌日に他の船の釣果を確認すると朝方に数を伸ばした船もあったようだ。やはりこの釣り、乗船者のチームワークでワラサを寄せる釣りなので、ビギナー3名を含む7名乗船では他の船に負けるのは仕方ない。それに全体に撒くコマセの量が少なかったようだ。私は8時頃に追加コマセをもらったのに、他のお客達は追加は9時過ぎだった。みんな電動リールを使っていて手返しが良いはずなのに。

とはいうものの、最初に書いたとおり、今回は釣果は度外視の釣りだったので、渋い食いの中4名で本命2本が上がったので良しとしてよいだろう。釣れなかった同僚もワラサを目の当たりにして感動していたようだし。

あんなに血眼になって追いかけても釣れなかったワラサだが、今回のように無欲で臨んでぽろっと釣れてしまったりもするから面白い。もう今年は行くことはないだろうが、来年もやっぱりワラサ回遊ニュースに一喜一憂する自分が容易に想像できた。


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