数出ずも大型を堪能、常磐沖ゴウドーイカ

ザルいっぱいのイカ


  1. 日時:98年11月14日(土)
  2. 場所:常磐沖
  3. 参加メンバー:上甲他funeturi-mlメンバー5名
  4. 時間:午後5時00分〜午後9時00分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

●釣るぞ一升瓶!

イカの季節である。冬であればスミイカとヤリイカがイカフリークのメインターゲットになるであろう。が、いまだロングランで夏から釣れているイカを忘れがちである。そう、鹿島〜日立沖の灘付近で釣れているゴウドーイカである。夏はかなり浅いタナでの数釣りが妙味だが、この時期のゴウドーはその大きさである。3kgとか4kgのイカも釣れるというのだからわくわくしてくる。ただ、夏場ほどの数は出ないようだ。この大型イカ(一升瓶イカと呼ぶ)を釣りに、我らfuneturi-mlの「い組」の面々は日立港・日立丸から夜釣りで出船した。

午前のイナダ乗船時に今回イカに乗る6名分の座席は両弦トモを確保したのだが、12名の団体さんの予約が入り片弦全部押さえたいとのことで、左舷トモから6名の座席となった。更に6名でじゃんけんをして、勝った順にトモから席を取るようにした。私は2番目に負け、操舵室横の胴の間。

14時頃、午前船から降りて船宿の昼飯を食べていると、イカOLMのメンバーが到着した。出船は16時だというのに、みんな気合いが入っている。しばし歓談し、船に乗り込み準備を始める。準備完了・・・しかしまだ15時、時間に余裕がかなりあるのでビール片手にわいわい。と、全員揃ったのか、ちょっと早めの15時半に船長が乗り込み、出船となった。

海は相変わらずのベタ凪。船は快調に飛ばしてひたすら真沖を目指す。我々はサンデッキに陣取って酒盛りしながらポイント到着を待つ。1時間ほど走ったところで船はスローダウン、ここで釣り座につく。もうあたりはかなり暗く、集魚灯も灯りすぐに釣りが開始できそうだ。

●切り込み隊長、本領発揮!

パラシュートアンカーが入ったところで操舵室横にの私に船長が「ちょっと、仕掛け下ろしてみて」と、様子見の投入を指示。するすると錘を落としてみる。イカがいれば仕掛けの落下が止まるはずだ。60、70・・・まだ止まらない。90mを過ぎたところで糸ふけが出た。竿を立てるとイカが乗っている。これを見て「はい、どうぞ。90mくらいの深いところから探ってみて」と開始の合図を出す。皆一斉に仕掛けを投入。入れ替わりで私の仕掛けが上がり、夏よりかなり大きくなったゴウドーイカが真ん中のスッテに掛かっていた。

船長の薦めに従い竿は50負荷の3m、さっきイナダ釣りで使った竿に電動リール。仕掛けは船宿特製のもので、5号の浮きスッテ2本に錘を兼ねたナマリ角が一番下につく。ハリスは10号程度と太いものを使っている。やはりこの時期のイカは大きいからだ。

やや深めのタナでポツポツ乗っているようだが、入れ乗りにはならない。釣れるタナも90mだったり120mだったり、はたまた20mだったりと群がまとまっていないし、浮かび上がってこないようだ。

そんな状態が18時過ぎまで続いた。ここまでで私はやっと3バイ。他の人も大差ないようだ。さらにアクシデント発生。かなり深いところまで探ったせいか、持参の水中ランプに海水が浸入してしまった。予備を持っていたので事なきを得たが、蓋をしっかり締めなかったのかもしれない。要注意だ。

 良型を釣り上げためだまさん

●異例の場所替え・・・

状況が好転しないため、船長は夜イカでは異例の移動に踏み切った。よほど釣れないか多くの鮫が船に付いたりしない限りめったに夜イカでは移動をしないはず。もしかして今日はイナダと同じでダメなのか、と不安がよぎった。

船はさらに30分程沖へ走った。ここで再びパラシュートアンカー投入。そして私に試し釣りの指示が出た。今度は100mを過ぎても仕掛けは止まらない。そこで100mから徐々にしゃくり上げるように船長から指示が出る。すると50m付近であたった。それを聞いた船長が「タナは40mくらいで40より下げないで」と再開の合図を出した。

ここも最初はポツポツの乗り。40より浅いタナを探ってもなかなかあたらない。「いろんなタナを探った人が釣果伸ばしているよ」という船長のアドバイスを思い出し、40より深いタナも再度探ってみる。120まで落とし、しゃくりあげる。すると45m付近でアタリ。良型のゴウドーだ。「タナいくつ?」とみんなに聞かれるが、さっきの船長の指示もあるので小声で「40よりちょい下だよ」と答える。しばらくはこのタナで活発にあたり、あちらこちらでイカの水鉄砲が吹いている光景が見られる。

しばらくするとこのタナは乗りが悪くなったが、隣の外山さんだけがいれ乗り状態だ。きっと誘いが今日のイカの具合にマッチしたのだろう。

●大型ゴウドーイカお目見え

さらにタナを探ってみる。すると60m付近で仕掛けが止まる。巻き上げを開始すると今までのイカよりもかなり重い。竿が満月を描いている。一荷でかかったかと重いドラグを緩め、慎重に巻き上げる。豪快な水鉄砲で上がってきたのは1kgは楽に超えるであろう大型のゴウドーイカ。「でかい〜」と歓声があがる。これを皮切りにあちらこちらで大型ゴウドーイカが竿先を絞り始める。

なんせ、この大型、本当に重い。慎重に巻き上げるので1パイあげるのにやや時間がかかるが、それに見合う大きさである。胴長にして50センチは裕にあり、外山さんはあまりの重さに竿先が折れてしまったが、手巻きリールにめげずその引きを堪能しているようだ。

浅場、45m付近、60m付近、100m付近とイカの群のタナがあったようだが、私は60m付近を重点的に攻めた。さすがに大型イカを連釣しているとさすがに疲れる。なので60m付近に仕掛けを止めて置竿にして、休憩がてら写真撮影をしようとするのだが、置き竿でもガンガン乗ってきて、なかなか写真もとれない状態だ。

 1kg超級のイカ。缶はミニ缶ではないです

●サンマや鮫が・・・

しばらくこのフィーバーが続いた。あたりはサンマの群が回遊し、水族館の水槽のような様相だ。また、招かれざる客の2m前後の鮫も船の回りを泳ぎ始め、上がって来たイカを狙いだした。すると船長がルアーロッドにジグヘッドを付けて、イカゲソでこの鮫を狙いだした。鮫の鼻先にゲソを持っていくとヒット!が、この鮫、今一つ元気がない。船長はそのまま張り出しに行き、鮫とのやりとりを楽しんだようだ。

タナがやや深いうえ、一荷がほとんどないため数はそんなにのびないが、大型が多いため、みんな足元のザルはイカでいっぱいだ。結局このまま終了の21時を迎えたため終了となった。

●夜の海の幻想

みんな道具を片づけ始めていると、船宿の助手の人がなにやら大きなタモアミを持って船縁から乗り出しる。「いいかあ、いくぞお」と船長が合図すると、船の灯りの全てが一斉に消された。辺りは漆黒の闇。すると、船の周りを灯りを頼りに泳いでいたサンマ達が驚いて 一斉にバシャバシャと音を立てて跳ね始めるではないか。灯りは消えているが、夜光虫による光でサンマの跳ねた水面が青白く発光している。すごく美しいというか幻想的な光景だ。「おお〜」と歓声があがる。全天球型のプラネタリウムにいるような錯覚に陥る感動の一瞬だ。パッと灯りが灯る。すると助手の人のタモアミには十数匹のサンマが入っている。サンマはすぐに足下に取り込まれた。

同じ作業を3回繰り返し、足下はサンマだらけ。ただこのサンマは商売物にするようで、釣り人のクーラーに入ることはなかった。2〜3尾くすねてくればよかった、とちょっと後悔。

22時過ぎに帰港。帰港後はイカのスミを落としてクーラーにしまう。その大きさにみんな満足のようだ。

結局私は17ハイ(1ハイはスジイカ)で、最大は1.2kg。1kg級のイカは全部で4ハイで、他のイカも7〜800gの良型。35Lクーラーはほぼ8分目埋まった。

大型も釣れ、夜の海の幻想も堪能できた夜イカ釣り。今シーズンはもう終了だが、来シーズンも必ず来ると皆と約束し日立を後にした。


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