初秋の戸田、良型マダイ上がる!

48センチ1.7kgありました


  1. 日時:98年9月20日(日)
  2. 場所:戸田湾内
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前5時30分〜午前10時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

今回は会社の先輩であり釣り仲間である村田さんが譲ってくれた手漕ぎのゴムボートで戸田に釣りに行きました。このゴムボートに同乗させてもらったことは何回もあるので勝手は分かっているが、ゴムボートの単独釣行はもちろん初めて。空気ポンプが底板など忘れ物がないかを何度も点検して出発した。今回の狙いは、例年この時期戸田湾に回遊してくる青物(イナダ、ショゴ)とマダイである。翌日も釣りに行く予定なので午前中で切り上げる予定だ。

●クーラーの大きさは、と・・・

持っていくクーラーの大きさに迷ったが、これまでの実績からしてイナダ、ショゴは大きくても40センチ、マダイも25センチくらい、釣りは午前中いっぱいの予定だしいつも持っていく12Lで十分と判断した。いつもは何の迷いもなく12Lクーラー持って行くのだが、何故か今回は迷った。何かを予感していたのであろうか・・・。

戸田には4時半に到着。当然まだ辺りは暗い。しばらく車で仮眠する。5時を過ぎたので準備を始める。ボートを膨らませ、準備完了が5時半。既にこの頃には千代ボートのおじさんも浜に出てきてボートを出す準備を始めていた。先を越されてなるものか、とかなり大慌てで河岸払いする。

●タモアミ忘れる

15分ほど漕いでいつもの三郎丸跡ブイに係留し、魚探をセットし仕掛けの準備を始める。少し離れたところでは遊漁船がサビキでアジ釣りをしており、ぽつぽつ釣れているようだ。あっちのコマセが効いているうちはこっちでは釣れない。が、遊漁船はじきに移動するであろうとふむ。準備の途中、タモアミを家に忘れたことに気が付いた。ま、タモを使うほどの大物なんて釣れないだろうし、いざとなれば持参の白バケツで掬えばいいや、と思うと同時に、こうゆう時に限って大物が釣れるんだよなあ、とほのかな期待もする。

 天気は快晴。向こうには富士山も

6時頃、やっと準備が整い、釣り開始。底の方に細かい反応がある。

ハリス2号3mの3本針のウイリー仕掛けで、先針にはオキアミを付ける。クッションは2mm径30センチ。コマセはアミエビとオキアミのミックスでサニーカゴのMサイズに30号錘を付ける。1.8Mの先調子のコマセシャクリ用の竿を使った。

底からコマセを振ってハリス分底を切るとすぐにアタリ。しかしこれは放流の赤ちゃんマダイ。弱らせないように丁寧にリリースする。しかしこれっきり音沙汰が無くなった。

向こうでは遊漁船が順調にマアジを釣っているようだ。潮の流れも遊漁船の方を向いているし、これでは不利だ。だが、15分もすると遊漁船は他のポイントへ行ってしまった。

しばらくコマセると底の方では赤ちゃんマダイが釣れ始めた。しかしこれは獲物にはならないので、仕方なくタナを底から12mに取る。これはマアジのタナなのである。魚探には時折中層にも反応が出ており、アジかサバのものであろう。

●レギュラーサイズのマアジは釣れる

しばらくするとアジ独特の「クンクン」というアタリ。上げると20センチ程度のマアジ。戸田湾のマアジではレギュラーサイズだ。ぽつぽつと同型のマアジを2つ追加する。次第にこのタナでも赤ちゃんマダイが掛かるようになってきた。また、この場所は海中にブイを固定するロープが入っており、ボートの向きによっては根掛かりする。また、ブイ回りには雑魚も多く生息している。特に小型カワハギがウヨウヨしており、付け餌のオキアミをかじってしまうときがあるので、投入の際にはコマセを遠目に投げ入れ、そこにカワハギ達が集まったところで、仕掛けを入れるという面倒な作業を余儀なくされた。さもないと海面近くで既に付け餌無しの状態になってしまうのだ。

7時頃、マアジらしき小気味良い引きを3回ほど立て続けにバラしたのを機会に、係留ロープをあと10m延長した。やっとカワハギ達の姿もなくなったし、ロープに根掛かりすることもなくなった。

●お、おもい〜、あっ、マトウだ!

お土産のアジも確保しておくかな、ともう1本の竿でサビキの準備でも、と思い置竿にしておいた竿先が震えた。すかさず竿を手にとってリーリングするとぐっと重みが伝わる。リーリングしても重いだけだが、時々クンクンと引きがあることから、ゴミとかそうゆうものが掛かったわけではなさそうだ。25mから上ではほとんど引きがなく、これはマダコでも掛かったかな、とゆっくり慎重にリールを巻く。ビシが見え、ハリスを手繰ると海中からグルグル回って浮いてくる褐色の魚体が見える。
「あっ、マトウダイだ!」思わず叫んだ。

海面まで上げたはいいが、今回はタモを持っていない。バケツで掬うにも大きすぎる。幸いマトウダイは歯は鋭くない。そこで右手の中指と人差し指をマトウダイの口に突っ込んでアゴを掴んで抜き上げた。おお、でかい。40センチはあるか。キロオーバーは確実だ。

 初獲物のマトウダイ

針をはずそうと口の中を覗くと赤ちゃんマダイが暴れていて、今にもマトウダイの胃の中に吸い込まれそうだ。針は胃の手前のジャバラのようになっている堅い部分に深く刺さっていたためなかなかはずせない。プライヤーでやっとのことではずしたが、針は曲がってしまった。

そういえば、昨年はこのボートをくれた村田さんが、サビキに掛かった赤ちゃんマダイに食いついてくる、という同じパターンで50センチマトウダイをあげていたっけ。
なんとかギリギリの大きさでクーラーに収めることが出来た。

その後も同じ仕掛けで、底を中心に探ってみるが、赤ちゃんマダイとヒイラギが掛かってくる程度だ。

●青物回遊?

そういえば今回は青物狙いでもあったことを思いだした。戸田の青物のタナもアジと同じ25〜28m前後。中層に青物狙いの仕掛けと、さっき用意しかけたサビキ仕掛けの二本竿で行くことを企らみ、ウイリーの竿を25m付近に置き竿にしておきサビキの準備を再開。サビキとカゴ、錘をセットしあとは竿にセットするだけ、というところで置き竿の竿先がクンクンと魚信を伝えた。すかさず竿を手に取ると同時に竿先が海中に突っ込んだ。

イナダ程度なら腕を送る程度で耐えられるのだが、今回は相当に強い引きだ。しまった、またドラグの調整してない、ドラグが滑らない。そこでスプールをフリーにしサミングで耐える。最初の激しい突っ込みを何とかかわしたところでドラグを調整。少しずつポンピングで巻き上げ開始。青物の一荷とかそうゆうものをこの時点では想像していた。

途中何度かの強い突っ込みはドラグを滑らすことで耐え、時間にして5分くらいであろうか、やっとビシが見えてきた。魚はボートの反対側に浮いたようでハリスがボートの底を擦っている。青物なら水面でも暴れるので、左手には白バケツをもって取り込みの準備をする。やっとハリスの先まで手繰った。と、目の前に浮いてきたのは鮮やかな赤い魚体、そうマダイである。しかもこれまた大きい。一度は白バケツでの取り込みを試みるが、お話にならない。かと言って、2号ハリスで抜き上げられる大きさではない。そこで先ほどのマトウダイと同じ取り込みを試みた。マダイの歯はやや鋭いことはこの時は全く忘れていた。

●マダイに指をかじられる?

左手でハリスを持ってマダイの頭を海中から出し、右手の人差し指を口に突っ込んで親指とでアゴを掴んで取り込んだ。ボートの底板の上で跳ねるマダイ。本当に鮮やかなピンクだ。心なしか膝が震えている。こんなサイズの魚を戸田で、ボートで取り込んだのは初めてだ。気が付くと人差し指は傷だらけだ。しかしこの傷は勲章だ、うん、そう思うことにしよう。

マダイは先針のオキアミに食ってきた。しかし底から13mというこんな上のタナにいるとは思いもしなかった。そういえば、昔、地元のおじいさんに「タイは湾の中ならどこにでもいる。タナは底から3ヒロくらい。大きな奴は上の方にいるからもっと上を狙うのも面白いぞ」と言われたことがある。彼の言葉はこのマダイで証明された。

写真撮影の後、血抜きをしてクーラーに収めようとするがこれがマトウダイもいてすんなり収まらない。仕方なく、氷を細かく砕いてスペースを確保し、何とか入れることが出来た。

興奮のため、しばらくは水を飲みながらぼ〜っとしてしまった。いや、今日はついている。

●大漁早上がり!

その後は、サビキはやらずに同じタナで青物を狙ってみるが回遊はなく、27センチのマルアジが1尾上がっただけ。魚探の反応も少ない。この時点の釣果で大満足だし、明日の釣りもあるので、早めの10時半に終了とした。

<釣果>
・マダイ 48センチ1.7kg 1尾
・マトウダイ 40センチ1.4kg 1尾
・マルアジ 27センチ 1尾
・マアジ 20センチ前後 3尾

 筆者とマダイ、マトウダイ

青物が釣れなかったので、帰りがけに漁協の直販所で売っていた0.5kgのシマアジを買ってしまった。990円也。えらの付けねの傷と唇の傷から釣りで獲ったものであろう。

帰りはお決まりの壱の湯で体を清めて帰路ついた。いつものなら徹夜で釣りのために帰りは眠いのだが、早めに切り上げたこととマダイとマトウダイを釣った興奮からか、全然眠く成らずに帰ることが出来た。

●謎の大物の正体は?

そういえば、毎年秋の戸田ではサビキでやっていると、突如竿先が海中に突っ込み、対応する間もなくハリスや幹糸切れ(2号でクッション無し)という場面が何度かあった。タナは今回と同じである。あれは回遊してきた青物の仕業と思っていたが、イナダやショゴクラスならあんなに瞬時にハリス切れを起こすことはないはず。正体は良型のマダイだったのかも・・・。


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