初挑戦のエビハナダイ釣り、釣果は奮わず

この日の成果。やや淋しい


  1. 日時:98年9月5日(土)
  2. 場所:大原沖
  3. 参加メンバー:上甲、杉本氏
  4. 時間:午前5時00分〜午後11時30分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

今回は大原・臼井丸より、初めてのハナダイの胴付仕掛けの釣りに挑戦しました。外道にはワカシやショゴ、アジにショウサイフグなどが交じるようでなかなか楽しそうな釣りだ。

今までやったハナダイ釣りといえば、コマセを使ったウイリーシャクリ。この釣りはシャクリ方で釣果が全然違ってくる釣りで、釣り人を熱くさせる。シャクリ方も大事だが道具立てやウイリーバリの選択、配置など様々な要素が存在し、釣り人それぞれの持論があって面白い。

そのシャクリに比べると、胴付きのハナダイ釣りはエビ餌で簡単に数釣れる釣り、というイメージがある。なので、釣り方や仕掛けなどはあまり研究せずに今回の釣行に臨んだ。これが甘かった・・・。

●台風通過後で盛況の鯛五目

2時頃に大原港到着。早速クーラーを置きに行くと既に右舷に8個、左舷に5個もクーラーが。
本当は船長の目の届く右舷が良かったのだが、左舷の胴の間に席を取った。今回は会社の先輩で船釣りは2回目のSさんも一緒である。

船宿の居間で仮眠させてもらい、4時過ぎに再び港に向かう。funeturi-mlの大野さんが大ドモに座っているので挨拶する。今回はmlから大野氏、安藤氏、澤部氏と私と4名乗船。ミニOLMのようだ。

とりあえず船宿の仕掛けに錘は40号を使用。先調子のウイリーシャクリ用2.1mの竿を流用した。

20名乗船の盛況の船はまだ辺りが暗い4時半に出船。中速で30分ほど沖に出るころには辺りはだいぶ明るくなってきた。既に船団が形成されており、その辺りで潮回りの後、開始となった。水深は20m前後。針は丸海津であろう、軸が他の針よりは長くなっている。胴付き2本針で枝ス感覚は1m程度か。

●幸先良い時は・・・

Sさんに餌の付け方を教えて第一投。「底スレスレでやって。早合わせでいいよ」という船長の指示なので、着底後に底を30センチ程切ったところでアタリを待つ。するとすぐに「クッ」というアタリが竿先に出た。すかさずアワセを入れるとグングンという引き込み。巻き上げを開始するが、浅場のせいか思った以上に引きが強い。大物かとも思ったが上がってきたのは23センチのアベレージサイズのハナダイ。おそらく船中1号であろう。クッションゴムがないとこんなにも引きが強いのか、とちょっと驚く。幸先が良いぞ、と思ったが後が続かない。他の人もポツリポツリ程度だ。時折竿先をブルブル震わせて上がってくるのは中型のマアジ。夏の初めのころよりも太ってきたようなので当然キープ。

さて、回りの人はポツポツとはいえ釣れているのに、私とSさんは餌取りばかりのような気がしてならない。もしかしたら竿先が堅すぎるのか?とも考え途中でやや柔らかめの竿に替えたりもしたが、状況には変わりはない。8時を回って本命ハナダイリリース1尾を含む4尾。右舷でやっていた安藤さんはツはとうに抜けてしまったようだ。ちょっとあせる。

●おかしい・・・

よれた仕掛けは早めに交換したりといろいろやってみる。このころになると頭は血が上ってパニックである。何がいけないのだろう?ふと気が付くと、餌取りはほとんどエビの頭の部分だけをかじり取って行く。これはフグかウマヅラの仕業だから運が悪かったんだ、とずっと思っていたが、そうではないのであろう。ハナダイが取っているに違いない。

隣のおじさんは4本針仕掛けであるが、どうやらエビの尾を大きめに切り取り、更にカワハギでいうたるませ釣りをしてダントツの釣果を上げている。最初はこの釣り方のみをマネしたのだが、餌取りが激しくなるばかりなのである。このおじさんの釣れ方からしてハナダイはいるのだ。釣れない、いや釣らないだけなのだ。

ちなみにこのおじさん、枝スの連結にクロスビーズを使用して、仕掛けがよれてしまうのを防いでいた。次回の仕掛けはこれで作ってみよう。

●低迷の出口は見えたが

思い切ってエビの尾を大きく切り取り、針先がエビの口の辺りに出るように餌を付けてみる。で、さっきのたるませ釣りをやってみる。聞き上げると早速アタリが出る。すかさず合わせる。今度は27センチのデコが少し出た良型のハナダイだ。そうか、やっぱり餌の付け方がまずかったのか。しかしまだ確信は持てない。が、朝方より食いが落ちていると思われるのに、針掛かりが良くなってきたのである。やっとペースとしては他の人と同じくらいでハナダイを上げられるようになってきた。しかし時間は10時半。もう残り時間はわずかである。

曇りで雨交じりの予報であったが、海上は晴れ。北東風がやや強いが、海は大原では凪の方。日差しは強いものの風のおかげですごしやすい。カッパ着ているのはちょっと辛いくらいの気温でやっぱりビールは旨かったが、この日はずっと頭の中パニックで1本しかゆっくりと飲めませんでした。

何故かこの日は青物はほとんど交じらず、ワカシとショゴ、ともに30センチ程度のものが船中数尾に過ぎなかった。珍しいところでは、大ドモの大野さんは錘のところから4mのハリスを出して(いわゆるスケベ針)いたところ、ここに良型のアイナメが掛かってきたそうだ。あとはウマヅラとショウサイフグが各自1〜2尾といったところ。

●無念のタイムアップ

結局定刻の11時半に終了。私は10〜27センチハナダイ11尾(5尾リリース)、マアジ18〜22センチ6尾で、船中スソに近い釣果であったと推測される。これじゃあ、東京湾か相模湾のシャクリ釣りの釣果ではないか・・・。

今日ほど時間が経つのが早いと思った日はなかった。それくらいアセアセと釣りをしていたのであろう。

船宿に帰ってソーメンをご馳走になっているときにも澤部さん曰く「上甲さん、苦戦してましたね」
やっぱり他人にもそうみえたみたいである。ま、家族で食うのには十分なお土産ではあるので、贅沢は言えないが。

●事前調査しておけば

この昼食をご馳走になっているときに常連さんの話が聞けるのが臼井丸の良いところ。やっぱり餌の付け方がポイントだったようだ。うまく付ければ、ハナダイが針を飲み込んでしまうこともあるそうだ。あと、今回は潮がかなり濁っていたので、食いも悪かったしアタリも小さかったそうだ。それでもその人は30以上釣ったそうだ。帰りがけにも臼井丸のおっかさん(大女将さん)にも同じ事を言われた。

「ハナダイはマダイより難しいよお。マダイは向こう合わせだけんども、ハナダイはこっちで引っかけてやんなきゃ釣れねえかんよお」とはおっかさんの談。なるほど〜。

もっと事前に研究してから来れば良かったとちょっと後悔。どんな釣りも簡単ではないですね。勉強になりました。

同行のSさんはハナダイは7尾、アジ5尾。私がコーチではこの成果も仕方ないであろうが、グングンと強いハナダイの引きは満喫できたそうだ。

ということで、胴付ハナダイ釣りについての知識もいろいろと身に付いたし、また悔しいので今月中にリベンジすることを誓って大原を後にしたのでした。


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