銭洲は遠かった・・・駿河湾のイサキ

30センチ超のイサキが大漁!


  1. 日時:98年6月7日(日)
  2. 場所:駿河湾・カド根
  3. 参加メンバー:上甲、杉本
  4. 時間:午前7時00分〜午後12時30分頃
  5. 中潮


釣行記

●前書き
6月7日の日曜日、InternetのMLであるfuneturi-mlのOLM(OFF LINEMEETING)に参加してきました。今回は神津島南西沖に位置する「銭洲」に遠征の予定でした。が、結局当日は北東の強風のため、銭洲には行くことが出来ず、駿河湾の御前崎沖の通称「カド根」というところでイサキ釣りになってしまいました。

●銭洲は遠かった・・・
当日は同じくMLに所属する杉本さんと一緒に行くことになっており、土曜日の夜10時過ぎに杉本さんが迎えに来てくれた。途中、だるまやで追加のオキアミコマセと付け餌を購入し、出船予定の土肥・とび島丸に向かう。

1時には土肥港到着。とりあえず港の駐車場で仮眠を取る。気がつくと3時半、待ち合わせの時間でもあるので、携帯で幹事さんに連絡を取り、合流する。起きてから気がついたが、北風はまるで真冬のそれのようにビュービュー吹いている。果たしてこれで本当に船は出るのであろうか?

幹事さんの話では、多分銭州は無理で近場の石花海(せのうみ)のイサキ釣りになるせんが濃厚なのだそうだ。あるいは金州に行ってメダイをやろうとか、話は交錯している。

4時になると船長と中乗りさんを乗せた1BOXがやってきた。やはり船は出るようだ。同船者達も待ちかねたように船に乗り込み準備をはじめる。私が右舷のトモ2番目、杉本さんが3番目という席順。

遠征船では独特のシステムやルールがいくつかある。例えば、
・各自にはベッドが与えられている。
・出船前の準備の時に船の座席に座ってはならない。服が汚れ、ベッドも汚れるからだ。
・夜間航行中はキャビンを出てはならない。トイレに行く場合も船長に申し出てから行く。
・竿は出船前に竿立てに立て、更に紐で船に固定する。

どうやらイサキ釣りに変更になったようである。近場なので出船は5時。キャビンでは仕掛け作りをしながらみんな談笑している。ベッドに潜り込んで仮眠しようとした4時半前に船が動き出した。出来るか分からないがとりあえず金州へ行ってみるそうだ。ダメなら石花海に引き返すということだ。

岸近くは波もそれほどではないようで、いつのまにかベッドで寝入ってしまったが、1時間程すると激しいピッチング、ローリングを繰り返すようになりさながらジェットコースターである。2時間程して船が停止する。金州に到着し様子を見ているようだ。だがしばらくすると船長からやはり金州は無理というアナウンスがあり、イサキを狙うということだ。

●良型イサキが入れ食い
30分ほど走ったところで「熊野灘」という演歌が船中に流れ釣り開始の合図になった。タナ25mの指示。タナより7m下げてから探れとのこと。この船の船長はかなり個性的で常にマイク握りっぱなしで釣り人達に檄を飛ばす。うねりのために準備に手間取っている。「支度、遅い!」とか「糸くらい港で通しておいてよ」とか怒られる。私も支度に手間取り最初の流しは見送ったが、投入できた人は良型のイサキをさっそく上げている。

電動リールに80号負荷の竿2.7m、ハリス8号、グレ12号の2本針にクッションゴム2.5mm径1m、サニー籠のビッグ100号にオキアミのこませ、付け餌という銭州仕掛けをそのまま使ってみる。食うかどうか心配だったが、1投目から竿先を大きく曲げる引き込み。船長も「食った食った、いいよお」とみんなを盛り上げる。道具立てがごついので電動の中速でガンガン巻き上げる。これが30センチ級イサキの一荷、幸先の良いスタートだ。ただ、潮が早いようなので1流し1投という忙しい釣りになる。それでも1流しで1尾は釣り上げることが出来た。

杉本さんは竿を準備するのに手間取りやや出遅れたが、釣り始めると順調にイサキの数を伸ばしていった。

隣のトモの人(MLの小野村さんというお医者さん)はごつい仕掛けにイサキを泳がせてモロコを狙っている。船長に相当ハッパをかけられるが、なかなかアタリはない。1度だけ餌のイサキが暴れたようだが、なんと唇のみを残して餌を取られてしまう。あれはモロコかはたまた鮫か・・・。

途中、自家製仕掛けの為、針の結びがほどけたりという間抜けなアクシデントもあった。やはりチモトは瞬間接着剤で強化しておいたほうが良さそうだ。また潮流が早いせいもあり、仕掛けの投入はきちんと行わないと手前マツリが起こる。

相変わらずイサキはほとんど入れ食い。だが、1流1投のため思ったよりも数は伸びない。このため、即席で枝針を増やし3本針にする。直後、追い食いに成功し良型イサキが3つ掛かって来た。が、電動でガンガン巻いたせいか2尾は口切れでバラシ。しかしイサキ3尾の引きは強烈で、なかなか楽しい。

相変わらず北風は強く、波は高い。日が高くなるとイサキの食いも落ちてきたが、杉本さんは3号のハリスで順調に上げていることから、8号ハリスではそろそろきついかもしれないと思いつつもポツポツ釣れるため、結局このまま8号ハリスで通した。船中2〜3回ではあるがハリスを一気にぶっちぎるアタリがあったようだ。モロコか大型の青物か・・・。

●初の大物狙い開始!
残り1時間のところで皆さん待望の泳がせ釣りの場所に移動。泳がせ用タックルを持っている人は道具を出している。コマセ釣りの人はハリス10号4ヒロでメダイをやれ、と船長。私も持参の小型のイカを付けてやってみる。タナは120m。メダイなんて掛かったらどうしようとドキドキしながらアタリを待つ。その間にイサキを締める。

「さあ、食うぞ、食うぞ。」と船長。魚探に反応が見えたのだろう。しかしここでは大物は船中一度アタリがあっただけ。その中杉本さんはイカの短冊で大型のアカイサキ2尾とオキメバルを上げた。

 杉本さんが釣ったアカイサキ

結局12時半に終了。釣果はイサキ26センチ〜36センチ18尾に40センチの大ウマヅラハギ1尾であった。30センチオーバが8割位と型の上では満足のいくものであった。杉本さんは同型のイサキ15尾、アカイサキ2尾とオキメバル。潮下のミヨシの方では65尾釣ったMLのメンバーが竿頭。この人は4本針に4点掛けを数回達成していました。

 杉本さんのクーラー。大きさ50L!

●嵐の駿河湾漂流記

さて、釣りは終了、道具を片づけてキャビンのベッドに潜り込みあとは帰港を待つばかりでした。

相変わらず風強く、波高し。風に向かって進むため、船はうねりに乗ってジャンプする。その度に寝ている身体が中に浮いて無重力状態になる。でも次第に身体は慣れ、思ったよりは酔わなかった。

30分程走ったところで、ごごごご、ごんごん、という音と共に船が停止しました。その後もエンジンを回しますが、違和感のある振動を伴い、明らかに何かの異常事態であることが分かりました。しばらくすると船長の放送があり、スクリューに何か絡まったようで、ちょっと始末するからそのまま寝ていてくれ、ということでした。

しばらくウトウトしていましたが、いまだエンジンは停止したまま。太いロープが絡まって航行不能になったので、仲間の船に曳航してもらうことになったことを告げる放送が船長からある。ああ、もしかしたら「駿河湾で釣り船漂流、18名救助」とかの新聞沙汰になるかもなあ、とベットの中で心配する:-)。

しばらく駿河湾を漂流した後同じ船宿の船が現地に到着。ロープを繋いでゆっくりの速度で何とか帰港出来ました。2時間で帰れるところが5時間半もかかりました。

なかなか出来ない貴重な体験をしたと思います。経験値アップだな。遠征船は命がけであることも分かりました。これからは家には必ず行き先を告げてから出発しよう。

ちなみに命がけで捕ったイサキはものすごく旨かった。特に白子はオツなものでした。


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