▼2022年 一般質問▼

市民の声・江東の中村まさ子です。
 大綱3点について質問いたします。
 まず、江東区の教育について伺います。
 10月下旬、文部科学省は昨年度の不登校の全国調査の結果を発表しました。不登校とされた小中学生は、過去最多の24万5,000人、都内では2万 1,500人で、前年比22%の増加でした。
 初めに、昨年度の江東区の不登校の児童・生徒の状況を伺います。
 国や都は、長引く新型コロナ禍で心身の不調やストレスが影響していると分析しています。江東区では、不登校の要因で「無気力・不安」が最も多くなっていま す。これは本人、または保護者が回答したものですか、あるいは学校、または教育委員会が判断したものでしょうか。無気力になる原因、不安を抱える理由は何か、 分析して把握できているか伺います。
 昨年3月に、東京都こども基本条例、今年6月にこども基本法が成立しています。国連の子どもの権利条約を批准してから30年近く国内法が整備されてきません でした。やっと法律や条例が整備されましたが、広く住民に理解されないと、こどもに関わる現場に浸透しません。こどもに関わるあらゆる施策が子どもの権利条約 にのっとったものになり、こどもの最善の利益の確保、こどもに関するあらゆる差別の禁止、こどもの意見の尊重、教育を受ける権利などが不登校のこどもたちにも 保障されなければなりません。特に教員など、こどもに関わる仕事をする人を中心に、周知や研修を徹底する必要があると思いますが、現在、子どもの権利条約につ いて、江東区では教員と児童・生徒にどのような周知や学びを提供しているか伺います。
 また、教育におけるこどもの権利について、区教委の見解を伺います。
 2017年施行の教育機会確保法は、不登校の児童・生徒を国や自治体が支援することを明記。登校のみを目標とせず、休養の必要性を認め、学校以外での多様な 学習活動を支援する方針を掲げました。
 2021年2月の教育委員会の臨時会で、区教委は区内のフリースクールについて把握していない、との答弁が議事録にありました。把握するべきではないかと思 いますが、見解を伺います。
 一方で、フリースクール等について、出席の取扱いに関してのガイドラインを示しています。それを見ると、出席扱いの要件が示されていますが、最終的には校長 の総合的な判断ということになっています。これまでフリースクールの参加が指導要録上で出席と認められた例をお示しください。
 また、オンライン授業を出席扱いにするかどうかは、自治体によって対応が違うと報道されていますが、江東区の場合の扱いはどうか、伺います。
 次に、教員の働き方改革について伺います。
 この10月、いじめ問題に取り組む埼玉県のNPOが、教員の働き方に関する全国教職員アンケート結果を発表しました。それによると、残業時間で過労死ライン とされる1か月80時間以上は17%でした。これには持ち帰って仕事する時間は含まれていません。
 負担やストレスを感じるものは、報告や記録などの事務、保護者やPTAの対応、不登校・いじめの対応という順です。一方、教職員が増やしたいものは、休憩時 間、生徒との交流や見守り時間、授業の準備が挙げられています。事務作業や保護者対応に追われて、教員としての本来業務である生徒対応や授業準備に十分な時間 がとれないという教員の悩み多き姿が見てとれます。
 また、精神疾患で仕事を休む教員も年々増えています。まず、江東区の、精神疾患で休職した教員の状況を伺います。
 区教委は、2018年、江東区立学校における働き方改革プランを改定しています。はじめに、のページでは、小学校教員の34%、中学校教員の58%が時間外 勤務が月80時間以上と記しています。現在の江東区の教員の残業時間を伺います。
 また、当面の目標として、週当たりの在校時間が60時間を超える教員をゼロにする、としていますが、この目標の達成状況はいかがでしょうか。
 区では、これまで学校閉庁日の設定や部活動指導員の導入、スクール・サポート・スタッフの配置などに取り組んできました。教員の負担軽減に効果は上がってい るのでしょうか。また、教員の働き方改革の今後の課題は何か、伺います。
 最後に、定額働かせ放題と言われている、いわゆる給特法の改善が必要と思います。自治体からも声を上げていただきたいと思いますが、区の認識を伺います。
 教員の多忙が不登校やいじめが増える一因、と指摘する現場の声があります。区の改革プランには、学校における働き方改革は、教員がこどもたちと向き合う時間 を確保し、よりよい教育を提供する上で必要不可欠です、とあり、そのとおりだと思います。こどもたちの最善の利益のためにも、教員がゆとりを持って教育に向か い合えるよう、江東区教委には、保護者や地域の理解を得ながら働き方改革を強力に進めていただきたいと要望いたします。
 大綱2点目は、個人情報保護条例改正についてです。
 2021年度の個人情報保護法改正により、自治体は2023年、来年の3月までに個人情報保護条例を国基準にすることが求められています。
 個人情報保護については、国よりも自治体が先行して取り組み、膨大な住民情報を守る基盤をつくってきました。しかし、今年の4月に国が示したガイドライン は、官民や地域の枠を超えたデータの利活用のため、自治体の条例を否定し、国基準の法施行条例を制定するよう迫っています。
 自治事務に対する個別法の解釈権は国ではなく自治体に帰属します。個人情報保護委員会の示すガイドラインは、地方自治法に基づく技術的助言にすぎず、法的拘 束力のあるものではないはずですが、ガイドラインでは、しなければならない、許容されない、と記述し、これに従わないと違法と判断される可能性があります。こ れは、憲法第92条の地方自治の本旨を否定し、第94条の自治体の条例制定権を不当に制限するものではないでしょうか。区の認識を伺います。
 また、9月に行った個人情報保護法施行条例(素案)への意見募集では、どのような意見が届いたか、お示しください。
 次に、個人情報保護条例改正について、以下の点の対応を伺います。
 改正後の条例の名称は、法施行条例ではなく個人情報保護条例とし、基本的人権の保障や自己情報コントロール権など、住民の権利を規定し、現行条例の基本的理 念を後退させないものにすること。
 江東区には個人情報保護審議会があり、個人情報の収集・利用・提供などをチェックし、住民に公表しています。しかし、法にはこの規定がありません。個人情報 の外部提供、目的外利用など、従来審議会に諮問してきた事柄は今後も審議会に報告し、審議会が必要と判断した場合には、調査や審議ができるようにすること。
 個人情報は本人から収集するよう努めることを責務として、条例に規定するとともに、例外的な本人以外からの取得について審議会に報告し、審議会が調査・審 議・意見陳述ができるようにすること。
 要配慮個人情報はできる限り収集しないよう努めることを責務として条例に規定すること。
 住民情報のオンライン結合について、デジタル化の進展により、新たな漏えいやシステムの障害、プライバシー侵害などが起きることを考慮し、審議会や専門家に よる検証を行い、リスクの最小化に努めるとともに、必要に応じて結合先に対する調査や要請を行うことを条例に規定すること。
 現行条例の個人情報保護の水準を低下させないために、国に対して、個人情報保護法の見直しと個人情報保護委員会の運営の改善を求めていただきたいと思いま す。
 大綱3点目は、困難な問題を抱える女性への支援についてです。
 今年5月に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が成立しました。施行は2024年4月で、あと1年半のうちに、江東区も困難女性支援法に基づいた 取組体制を整える必要があります。以下、何点かこの法に関して伺います。
 これまで売春防止法に基づいて行われていた婦人保護事業は、女性を取締りや管理、指導の対象としていましたが、その理念が大きく変わることになります。新法 は、女性の福祉の増進、人権の尊重、男女平等の実現を掲げ、国や自治体に女性支援の施策を責務として求めています。そして、支援対象を性的な被害、家庭の状 況、地域社会との関係性などで困難を抱える女性とし、性暴力の被害者を最初に位置づけたことは大きな前進です。中でも若い女性がなかなか公的支援につながるこ とができず、性的被害を受けている状況が今後変わることを期待しています。以下、何点か伺います。
 まず、江東区の婦人相談事業の現状を伺います。
 新法では、売春防止法の理念が大きく転換されています。公的機関は、女性たちの意思を尊重しながら最適な支援を目指す福祉の視点が必要という意識の転換が求 められます。江東区はどのように意識啓発に取り組みますか、伺います。
 次に、自治体の責務として、基本計画の策定、支援調整会議の設置が求められています。努力義務にはなっていますが、新法の実効性を担保するためには必須の施 策です。まず、基本計画にしっかりと理念を盛り込み、区内の社会資源の活用を図ること。支援調整会議は、要保護児童対策協議会のように、広範な関係者をメン バーとする会議体をつくることが必要と思いますが、区の意向を伺います。また、担当部署を設置する必要はないでしょうか、検討を求めます。
 現在、婦人相談員はベテランの非常勤職員が担っています。新法では、女性相談支援員と名称を変更し、必要な能力・専門的な知識経験を有する人材の登用に特に 配慮することとされています。区の固有の職員として支援員を配置すべきと思いますが、見解を伺います。
 新法では、支援団体との協働も規定されました。現在、支援団体との連携はあるか、どう構築していくか、伺います。
 基礎自治体として、困難を抱える女性たちの実情を今から把握することが必要です。新型コロナ禍は、困窮を抱える人たちの苦難をあぶり出してきました。コロナ 禍以降、女性による女性のための相談会が、有志の女性たちによって開催されており、私もボランティアで何回か参加してきました。そこで、女性たちの困難がいか に多様で深刻か、聞き取ることができたのです。女性たちの実情を把握するために、そのような活動の現場にぜひ区も足を運んでいただきたい、それを求めて私の質 問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

※区側の答弁は、「江東区議会ホームーページ」 の「江東区議会会議録」の 「会議の記録」の「会議録の閲覧と検索」の「関連リンク 会議録の閲覧と検索(外部サイトへのリンク)」の「会議録の閲覧 令和4年第4回定例会」の「6  2022-11-25 令和4年第4回定例会(第15号) 本文」をご覧ください。