こちらは現代の着物のページ。
アンティークでないというだけで、やはり二束三文の
古着ではありますが…縞を中心に揃えてゆくつもりです。
そしてほとんど袖を通していないという可哀想な
着物でもあります(笑)。
愛情が偏っているようでして…。
持っている中で、唯一のやわらかもの。
菊柄の帯を知人から貰ったので、それに合
わせて買いました。古着でも、新中古の状態
で綺麗なまま。裏地が鬱金です。
てろてろと柔らかくて、着付けやすいし、裄は
アンティークとは違ってたっぷりあるし、いい
んですが…どうにも身幅が広すぎまして。狭
い短いアンティーク着物を最初に着てしまう
と、どうしてもだぶついた感じは否めない。

さらにおはしょりなんか普段出ないものと
思ってるから(笑)いざ普通の丈の着物を
着たときに、おはしょりの処理がうまくいき
ません。もこもこっとしてしまう。
まあ雑誌に載ってる着物姿、あれも撮影用
の不自然な着付けなんで、あそこまでぴし
っとしたのを目指そうなんて思ってません
が……今、普通の人が思い浮かべる姿って
あれですからね。少しでも崩れてると「あっ
着崩れしてる」ってことになるんでしょうが…
べらぼうめ、生きて動いてる人間様が着て
るっつうのに、あんな昆布巻き見たような
格好でいられるかい。こちとら雛人形とおさ
まりかえっているんじゃないんだ。数キロと
歩くし、裾をからげて駅の階段走って登りも
するんだよ。
中に入る人間が、生きてなくっちゃ意味がな
い。着物を生かして、残しておきたいと願うな
ら。
おそらく一番粋というか普通に近い(笑)組
み合わせ。そしてまだまだ出番のなさそうな、
十年経ったら着られそうだが本当に私はこう
いう好みになっているだろうかという(泣)。
最初に買ったものなので、まだ自分の落ち
着く先が決まってなかったんですね。とにかく
縞、というのは徹底しておりましたが。懐古調
浪漫や昭和デカダンスでなかったら、こっち
の路線だったろうとは思いますが…。


路線としては好きなんです。しかしどちらかと
いえば、私は山の手の退廃お嬢様であるの
だね。あるいは獄門島座敷牢の住人。
下町ふうの垢抜けてすっきりした風俗、いわ
ば横丁のお師匠さんみたいな玄人女性の好み
はあと二十年ばかり早いようです。そのほうが
受けがいいって、分かっているのだけれども。
これは硬い紬で、状態もよく裄も丈もたっぷり
あります。だからか、やっぱりおはしょりの処理が
うまくいかない…(ToT)。
だいたいチビには辛いんですよこの手の路線は。
私だって、昔の平均身長は楽に越してるはずなん
ですが。誰か着てくれんかのう…。
これはまた可愛らしいものをお買いになり
ましたな…(笑)。本当に、普通の着物です。
袖も長くないし、古着だけれど、全体が細か
い市松模様になっていてとてもかわいい。
友人のお勧め一番はこれでした。しかしやっ
ぱり古着屋で買っただけあって、こっそり袖
裏には紅絹がついていたりして、ただもの
ではありません。染みもついていたけれど、
でも安かった。


一応セオリーとして、安いぶんの染みのリス
クは覚悟しておきました。襟元に2、3点あった
んですけど、ちょうど着てしまえば隠れる極小
の染みだったので。しかし帰って広げてみた
ら電灯のもとで凄すぎる染み発覚!これが
どうして店では見えなかったか、というぐらい
バーンと両胸にあって、しかも帯でも羽織で
も隠れない輝かしい位置なのです(泣)。これ
は…散歩着だろう…この位置に髪をうまく垂
らして歩くしかない。


しかしそれを言ったら、私の持ってる着物は
全部が「せいぜい散歩着レベル」な訳ですが。
それでホテルのロビーや夜の銀座へ飲みに
出て、いいのかよ(笑)。まあかわいいんだし、
家の中や雨の日や、アウトドアで着ることが
あったら(笑)この着物にします。鎌倉で潮風
を真っ向受けながら、仁王立ちで海岸で弁当
を食らう時、とか。
田端の「福助堂」で購入の単衣。晩春〜
初秋までは完全に着物は着ないんですが、
今年はいやに寒かったので。
 綿で、それほどごわつかない気持ちの
いい織り。例によって縞狂いのワタクシ、古
着屋の棚から引っぱりだしたら綿で単衣で
大喜びです。めったに見かけないし…。
普段の綿が欲しかったら、吊るしの浴衣を
買えばいいんですが、これがJIS規格を

呪いたくなるほど身幅が広い。上前が右の
腿の横でびろびろ余ってるんですからね。
下前を折りこんで、背中の線をずらすのだ
ろうけど、夏の薄着であまりそういう技は
やりたくないです(笑)。
退廃も翳りもだすのが難しくって、浴衣は
苦手…ヘンに爽やかだしなあ。しいていえ
ば、芸者の夕涼み姿があこがれだろうか。
でも路線と違う…。


縞の中に細い紅い線が入っているんです
が、つぶれてしまった。そうして暑苦しい
コーディネイトを(笑)。
初夏向きの、麻の葉か水輪の半襟を手拭
いやハンカチで、と考え中。とにかく裸足で
下駄が履ける着物っていうのが幸せです
ね。