この他にもラインの太さを調節するためにヤスリなども使います。ペーパーなどでスジボリで出来た返りを取ったり、軽くエッジを落としたりもします。
どうしても苦手意識が強い作業に「スジボリ」があると思います。でもスジボリの追加は模型に精密感を与える効果的な手法です。細く綺麗なスジボリを目指しましょう!しかし細く深く掘れても、歪んでいては意味がありません。「ガイドを使ってもズレちゃう」と言う方にちょっとしたコツをお届けします。

まずはツール一覧。
掘るための道具としてコレだけ使ってます。(適材適所で使い分ける)
こんなに使う必要は無いとも言えますが、場所に応じて使いやすいツールというのがあるので、こんなに増えちゃってます。太さを変えることも重要ですしね。
販売元
HASAGAWA
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1 ケガキ針(先端が甘め)
写真はハセガワのもので、無垢削り出しの重量感たっぷりのヤツです。模型店なら比較的簡単に手に入ると思います。スジボリ用に使うには少し先端が甘いのですが、これがポイントです。これでなくても先を少し甘めに削ったケガキ針なら何でもいいです。
ノック式で針が収納できるのが便利。針には少しガタつきがありますが、問題のないレベルです。ケガキ以外にも、穴開けの際のセンターポンチとしても使えます。
2 ケガキ針(先端が鋭利)
元々金属にケガキ線を入れるツールなので、プラを削ったくらいではなんとも無いうえに、かなり鋭利です。ホームセンター等で似たような物が手にはいると思います。スジボリメインツールのうちの一つ。やはりコーナー部等はこういう「針」が使いやすいです。
販売元
OLFA
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3.Pカッター
スジボリ定番ツールの一つ。写真はOLFAの安いヤツですが、鋭利さはそれほど重要でもないのでもう何年も使ってます。もうこのタイプって売ってないんでしょうか?メーカーのページには載ってるんですけど。まぁPカッターなら何でもイイでしょう。そのままでは刃が少し厚いので、スジボリも太くなってしまいます。砥石などで刃の部分を薄く加工すれば、シャープに掘れます。
「目立てヤスリ」の名前の通り、本来はノコギリの目を立てる(研ぐみたいな感じ)ための物です。ヤスリ面は目の細かい単目ヤスリとも言えるので、この部分をヤスリとして使用することもある。
4 目立てヤスリ
スジボリ定番ツールの一つ。ホームセンター等で入手可能。思ったよりも高いです。本来はスジボリのための道具ではありませんが、浅いスジボリを深く彫り治す時には、安定した直線が掘れます。意識的にV字の溝を掘るときにも重宝します。ヤスリとしても仕様できる場面もありますので、一本持っておくといいかと。
販売元
コトブキヤ
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5 エッチングソー
比較的最近出回りだしたツール。コトブキヤのものが模型店で簡単に手に入り、使い心地もイイとおもいます。今やスジボリにはかかせない道具になったが、耐久性を考えると、すこし高いか!?完全に消耗品扱いですからねぇ。ある程度の長い直線等はコレが使いやすいです。パーツの切断にも使える便利なヤツです。
黄色いグリップでお馴染みのデザインナイフよりは、刃先角度30°の方が、スジボリには向いているかと思います。刃の厚みがコチラの方が薄いんですね。
6 デザインナイフ
刃の方ではなく、反対側の峰を使います。かなり鋭利なツールですので、細く深い線がケガけます。使用する刃は切れ味が悪くなって、交換した刃で十分です。ただ鋭利すぎるためプラの表面に食い込みすぎ、「返り」が気になります。エッチングソー等である程度彫り込んだ後、より深く彫り込むときに使ってます。(強度、及びコストを考えるとコレがベスト)
販売元
田宮模型
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7 田宮クラフトノコ
さすがにコレだけでスジボリには使えません。しかし底面が平面で1mm前後の太いスジボリを掘るときに使ってます。あらかじめ掘ったスジボリを広げるようにして使います。
販売元
エーワン株式会社
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さて、スジボリにおいて重要なのは「ガイド」
旧テク集でももっとも反響を呼んだのがコイツです。これはプリンターで印刷して使う透明のラベルなのですが、これを細切りにしてガイドに使います。いやこれはもう決定版と言っていいんじゃないでしょうか?ほんとに買って損はないです。
何がイイって粘着力が強いので、スジボリ中にズレない。強度があるのでヨレない。一番のメリットは薄いので重ね貼りができること。これは大きいです。コーナーもラベルを重ねて貼れます。
 
では掘ってみます。
基本的にガイドをキッチリ貼って、それにそってスジボリをします。ガイドを使っているのにずれる原因は、ケガキ針が鋭すぎるせいです。鋭利な物はプラへの食い込みが強く、動かすのにどうしても力がいります。力をかけて作業していては、繊細な作業は出来ません。また切り込む力が強いので、ガイドを貼っているとはいえ、それは片側だけですから反対にずれちゃう事があるわけです。「ズレ」までしてないと思っても、微妙にヨレてたりするんですね。
では対処法。
ここではまず先を丸めたケガキ針を使ってみましょう。ガイドに沿って極軽い力でケガきます。削ると言うよりはガイドに沿って滑らせる感じで行います。切り子というより粉が出るくらいです。やってみるとわかりますが、すごくスムーズにラインが引けると思います。
これでプラ表面にスジボリと言うには浅いですが一段溝が出来るわけです。これが新たなガイドとなり、ズレにくくなるわけです。この状態にしてから、鋭利なツールで本彫りをするわけです。ズレにくくなったといっても、もちろん力を加え過ぎず、丁寧に作業することは必要です。
 
この甘めのケガキ針は逆エッジにスミイレ用の浅いスジボリを掘るときにも有効です。ここも鋭いツールですと、ズレることが多いですが、少し丸いケガキ針ならズレずに綺麗に掘れます。たったこれだけでスミイレ時、ふき取り時の作業性が格段に良くなります。