今回の情報は、上田市マルチメディア情報センター様のご協力によるものです。ありがとうございます。

第4回

(長野県上田市)

このCD-ROM「真田三代」は、貴重な歴史資産である真田氏の資料を、上田市および関連地域に伝わるものも含めて広く収集し整理したもので、上田城を築城した昌幸の父である幸隆から、昌幸を経て、信幸(信之)・信繁(幸村)兄弟に至る真田家三代の歴史を、写真、図版、古文書などの多数の映像資料によって紹介したものだ。収録点数はなんと500点あまり。通常の単行本以上のボリュームである。
紹介内容を見て、さぞかし高価なんだろうな、と思いきや、1枚たったの1000円という、内容に比して実にリーズナブル。一瞬、見本盤の値段かと疑ってしまった。おそらく同内容の歴史単行書ともなれば、数倍の値段はするはずだ。この価格設定を見ても、制作サイドの「地域に残る写真やフィルムなどの映像資料を、地域の貴重な文化として保存し、再生再利用しよう」「地域情報の発信と地域学習への教材として利用する」という目的がいかに真摯なものであるかがわかろうというもの。面倒なインストール作業などが一切不要なところも、多くの人々に見てほしいという配慮がうかがえる。
上田市は自治体の中でははやくからマルチメディアに力を注いでいた。地元では「地域映像デジタルアーカイブ構想」と呼んでいるように、ターゲットも明確に地域学習に絞っている。しかも、「真田」という人気コンテンツを持つ強みもある。このCD-ROMはその成果のひとつであって、ゲームやら大河ドラマやらで目の肥えた歴史マニアが見ても「よくぞ、作ってくれた!」と満足すること間違いなしだ。


内容を紹介しよう。

●真田氏史料集
真田一族に関連する遺品や古文書が写真(拡大画像もあり)で収録されているというのは、かなり得点が高い。歴史研究家の使用にも耐えうる内容だ。正確に数えていないが、古文書だけで50点ほどはありそう。総数340点という。
●年表
もちろん、年表から人物情報などへリンクが張られている。真田一族の動向や群雄との関わりなどがばっちり把握できる。1871年までカバーされているので、真田氏のその後までも追いかけることができる。
●人物
真田一族と同時代の主要人物たち81人の略伝である。
●史跡
真田一族が活躍した上田のみならず、信之が移封され関係寺院などが多く残る松代、昌幸・幸村隠棲の地・九度山、幸村奮戦の地・大坂など広域をカバー。市販の旅行ガイドではもの足らない真田フリークのよきナビゲータとなってくれるだろう。
●真田群雄伝
ご存知、真田十勇士が大活躍。このアニメーションがまたクオリティが高い。上田攻めにおける神川・水攻めシーンは映画「ナバロンの嵐」のダム決壊シーンを彷彿とさせる。いずれ大型スクリーンで全編公開される日は来るのか――?。


ほかに、上田城に関する論考や、参考文献も紹介。上田へ行ったら、ぜひ一枚。池波さんにも見せてやりたかったー

「地域映像デジタルアーカイブ構想」
地域に残る写真や記録映像を、その地域の「時代」を写し撮った貴重な「文化」であると考え、これを、デジタル化することによって、保存、再生しようとする構想。 これによって、郷土の文化を再生、再認識すると同時に、過去の映像をコンテンツとして再利用し、さらに外部への発信を行っていくことを意図している。

動作環境
・OS:Windwos95/98/Me/2000
・CPU:PentiumU233MHz 以上
・メモリ:64MB 以上
・画面:800×600 16bit Color 以上
・ブラウザ:Internet Explorer 4.0 以上


制作実費として1000円にて頒布。窓口販売は、上田市マルチメディア情報センターと「池波正太郎真田太平記館」にて取り扱っているそうだ。郵送でも受け付けてくれる(別途送料)。

問合せ先はつぎのとおり。
上田市マルチメディア情報センター    〒386-1211 長野県上田市大字下之郷812-1 Tel: (0268)39-1000 Fax: (0268)39-1010 e-mailは、こちら
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(2001.6.16)



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