坂の町東京

 東京は武蔵野台地の東突端部であり、もともと大小の坂と谷から成る土地です。このため、坂、台、谷の付く地名が多く坂の町とも言え、江戸期には特色有る名前が付けられました。私が歩いた幾つかの坂の由来を紹介します。
名前 由来 場所
胸突坂 胸突坂  余りにも急で胸を突いたため。 文京区
目白台
行人坂 行人坂  大円寺を拠点とする修行道の行者が行き来したため、明和9年行人坂火事の発端地。 目黒区
下目黒
道玄坂 道玄坂  江戸時代は大山道に沿う渋谷道玄坂町があり周辺は田畑であった。太和田太郎入道道玄が夜盗を働き有名になった。 渋谷区
九段坂 九段坂  幕府が九段の石段を作り九段屋敷と言うご用屋敷を造ったため。 千代田区
九段北
神楽坂 神楽坂  坂の中程に穴八幡宮の御旅所があって、江戸城に対して神楽を奏していたため。
坂周辺は料亭が今もあり、明治の雰囲気を伝えています。
新宿区
神楽坂
ゼームス坂 ゼームス坂  英国人ゼームスが浅間坂と呼ばれていた坂を、私財を投じて人馬が通りやすい坂に改修したことにちなんで名付けられた。 品川区
南品川
魚籃坂 魚藍坂 魚籃寺の観音像が右手に魚の入った魚籃を下げているところから 港区
三田
伊皿子坂 伊皿子坂 諸説有り、文明年間の記録に五十子(いさらご)の地名があり最も古い。 港区
三田
権田原坂 権田原坂 諸説有り、いずれも権太と言う人物に由来する。
東宮御所前の坂
港区
元赤坂
綱坂 綱坂羅生門の鬼退治で有名な平安時代の武将渡辺綱が付近に生まれたという伝説による。 港区
三田
団子坂 団子坂  坂の近くに団子屋があったとも、悪路のために転ぶと団子のようになったとも言われています。幕末から明治40年頃まで菊人形の小屋が並んでいた。また、この坂の上には森鴎外、夏目漱石、高村光太郎が居住した。 文京区
千駄木
切支丹坂鎖国後まもなく宗門奉行の敷地内に牢屋敷が作られた。 文京区
小日向
仙台坂坂の途中韓国大使館が仙台伊達藩邸だった 港区
麻布十番
仙台坂坂の上に仙台藩の下屋敷があった。 品川区
南品川
権之助坂名主菅沼権之助に由来 目黒区
目黒
宮益坂御獄神社神社門前の意味で宮益町と言ったため渋谷区
三宅坂三河田原藩三宅家の藩邸が坂の上にあった 千代田区
永田町
無縁坂 坂の上に無縁寺が有ったため 台東区
池之端
菊坂 菊畑が広がっていたため 文京区
本郷
昌平坂孔子の故郷魯の昌平より 文京区
湯島
南部坂 南部盛岡藩邸があったため 南麻布と
赤坂
江戸見坂 坂の上から江戸市中の大半が見えたため 港区
虎ノ門
鳥居坂 鳥居という武家屋敷が坂の東にあった 港区
六本木

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