小さな目から(投稿作品)
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あの頃、小さな目で見ていた鉄塔
(あの頃、小さな目で見ていた鉄塔)
 いといさんからいただきました。

 最後に、小田急線の柿生変電所に向かいました。
実は、こここそ、私が送電線関係に興味を持った真のルーツであったからです。 まだ小学校の入ったばかりでしたが、電車通学していた私は、小田急線を またぐ27.5kVの送電線などに圧倒されつつ、線路に平行する小さな 送電線にも興味がありました。それは小田急の自社電力線で、沿線の自社 変電所間を結ぶ送電線でした。それが吸い込まれる変電所の一つが 柿生変電所だったのです。そして変電所に入る寸前の鉄塔はほかと比べて 大きく立派で「本物の(電力会社の)送電鉄塔」みたいで気に入って いました。
(いといさんのコメントより)


 例えば、メールなどで感想を送ってくださる人の中には、小さな頃から鉄塔や送電線に興味があった、という風に書かれていることが多いのです。かくいう僕は、後発の弱み(笑)で、子供の頃の印象深い記憶が全然ありません。
 あのころ、僕は何を見ていたのだろうか。
 全然別のモノを見ていたのだろう。

柿生 送 一 プレート
(引き留め鉄塔 「柿生 送 一」)

 今回、実に30年ぶりぐらいに行ってみると、そのお気に入りの鉄塔は 大きく姿を変えていました。
 線路をまたいで反対側の変電所の鉄構へと渡されていた電線は地中化され 腕金も2本だけの寂しい姿でした。子供の頃思っていたよりずっと小さく むしろ哀愁漂う鉄塔の姿をしばし呆然と眺めていました。
(いといさんのコメントより)


 子供の頃の視線と、時間が経って再度現物を見てみたときの違い。
 小さな目には大きく映り、それが心の中をいっぱいにしていた頃。
 背が伸びて、いろいろなことを知り、多くのモノを見てきた目で、思い出のモノを見たとき、多くの人はあの頃の記憶を甦らせようとするのかもしれません。
 誰でも、そんな経験を積み重ねていきます。
 モノに対しても、人に対しても。

柿生変電所
(柿生変電所)
柿生変電所です。昔ながらのこぢんまりとした変電所です。

これでこの日の鉄塔巡りは終わりました。
(いといさんのコメントより)


 何故か分からないけど、気になっていたこと、場所、モノ。
 いつの間にか、縁遠くなって。
 だけど、焼き付いている情景は、今に至るまで途切れることなく。
 そして、薄れていってしまった風景はそれ以上に多いことに気が付く。
200010610

いといさん、ありがとうございました。

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