種村季弘書誌1998年

木版 東京百画符
井上洋介著
京都書院(京都書院文庫085) 一九九八年一月十五日発行
収録/ゲニウス・ロキの喜怒哀楽

土方巽全集1[編著]
河出書房新社 一九九八年一月二十一日発行
収録/『土方巽全集』あとがき
※編集委員

土方巽全集2[編著]
河出書房新社 一九九八年一月二十一日発行
※編集委員

命売ります
三島由紀夫著
筑摩書房(ちくま文庫) 一九九八年二月?日発行
収録/三島由紀夫の全能と無能→『種村季弘のネオ・ラビリントス8 綺想図書館』
※解説。

澁澤龍彦翻訳全集 第15巻[*]
河出書房新社 一九九八年二月十日発行
収録/”思想的変質者”の人間関係(赤瀬川原平、松田哲夫、聞き手=種村季弘)
※月報。

書物の王国9 両性具有[*・再録]
国書刊行会 一九九八年二月二十三日発行
収録/パニッツァ「あるスキャンダル事件」

日本の名随筆別巻85 少年[*・再録]
島田雅彦編
作品社 一九九八年三月二十五日発行
収録/小児十字軍←『アナクロニズム』

澁澤龍彦をめぐるエッセイ集成1[*・再録]
河出書房新社 一九九八年四月二十四日発行
収録/魔術的睡眠者の肖像/メートル原器のある庭園/『玩物草紙』/『高丘親王航海記』/絵詞作者の肖像

澁澤龍彦をめぐるエッセイ集成2[*・再録]
河出書房新社 一九九八年五月二十五日発行
収録/ある書誌学者といる澁澤龍彦/サロン、庭園、書斎/鉱物/時計/澁澤龍彦の幸福な夢(対談・出口裕弘)

ジョバンニ 間村俊一画集[*]
洋々社 一九九八年五月二十六日発行
収録/理科教室の思い出が…
※栞

江戸川乱歩[*]
太陽編集部編
平凡社 一九九八年六月二十四日発行
収録/コスチューム・プレイ→『徘徊老人の夏』

種村季弘のネオ・ラビリントス1 怪物の世界[2篇を除き再録]
河出書房新社 一九九八年六月二十五日発行
[目次]『一角獣物語』(1) [怪物の解剖学』(2) 『幻獣と怪物』キング・コングの図像学(3)/怪物のユートピア――ミノタウロスから怪獣映画まで(4)/怪物を娯しむ儀式/ボッシュの怪物/巨人ゴーレムの謎――大地崇拝から終末論の恐怖へ(4)/危険なマンドラゴラ(5)/人間栽培論(6)/異物と結晶――『ボマルツォの怪物』について(7)/悪龍、美女に変身す――ドラゴン伝説の周辺(8)/空とぶドラゴン東西話(8)
※(1)←『一角獣物語』 (2)←『怪物の解剖学』 (3)←『夢の覗き箱』 (4)←『怪物のユートピア』 (5)←『黒い錬金術』 (6)←『アナクロニズム』 (7)←『失楽園測量地図』 (8)←『魔法の眼鏡』
※巻末に解説/「怪物の世界 「凶事」としてのロマン派」、ゲスト・エッセイ/松山巌「モノクルをかけた散歩者」。
※内容見本に著者のことば「ガイア・スキエンツァとしての迷宮」、入澤康夫、川村二郎、松山俊太郎、山口昌男の推薦文(帯に再録)を収録。

日本の名随筆別巻88 文字
西垣通編
作品社 一九九八年六月二十五日発行
空想文字博物館←『イメージの冒険3 文字』

夜となく昼となく エッセイ'98[*・再録]
日本文芸家協会編
光村図書出版 一九九八年七月?日発行
収録/プリクラ

奇想の展覧会 戯志画人伝
河出書房新社 一九九八年七月十六日発行
口絵十六頁
[目次] [1] 共演する空間へ――中西夏之/感性の耳――八〇年代の中西夏之/神は死に、人間は死に、そして犬は死んだ――吉野辰海/ねじれ犬 水中曲芸の巻――吉野辰海の水犬について/母なるメランコリア――清水晃の黒について/雨の日は電車で蟇と――井上洋介の散歩/ゲニウス・ロキの喜怒哀楽――井上洋介の「木版東京百画府」/風の彫刻家あるいはグリコのオマケ――秋山祐徳太子回顧展のために/惨劇の祝祭空間――谷川晃一/終りなき南北戦争――谷川晃一の南下衝動/屏風絵師の骨――平賀敬/箱の中の不思議な人――平賀敬ふたたび/猪八戒のハム――吉村益信/包装の論理――赤瀬川原平/メービウスの帯の肌触り――赤瀬川原平/横尾ツーリスト・ビューロー案内書――横尾忠則/流血の大聖典劇――横尾龍彦/球体幻想――渡辺隆次/アフリカの印象――木葉井悦子の世界/さかさまのイコン――杉本典已/アルカディアふたたび――片山健画集『迷子の独楽』/謎々――ジーコキズス/生人形変相――合田佐和子 [2] 翼ある隕石――野中ユリ/こびとの鍛冶屋――一原有徳の作業/素材の白――風景銅版画家長岡国人/ヘルメスのかぼちゃ――川原田徹(トーナス・カボチャラダムス)「かぼちゃ浄土」のために/天使のまばたき――清原啓子作品集のために/輪の宇宙――森ヒロコ銅版画展/懐しの七月――梅木英治の世界 [3] 肉体の反乱/静かな大騒動――土方巽と芸術家たち/目撃者の無限増殖について――赤瀬川原平「瀧口修造へのオマージュ」のために/サン・シモンの反肖像――四谷シモンと写真家たち/土のポリフォニー――九谷興子の世界 [4] 往復書簡――菊畑茂久馬・種村季弘/あとがき/初出一覧

コレクション瀧口修造 別巻 補遺 瀧口修造研究再録[*・再録]
みすず書房 一九九八年七月二十四日発行
収録/透明な巨人/目撃者の無限増殖について

種村季弘のネオ・ラビリントス2 奇人伝[6篇を除き再録]
河出書房新社 一九九八年九月十日発行
[目次]『愚者の機械学』(1) 『東西奇人伝』奇人奇行綺譚(2)/求む装飾用隠者(3)/蘆原将軍考(2)/再説・蘆原将軍考(2)/軽業師と箱(4)/美しき落下傘スパイ(5)/弱気な山師たち/双面のカザノヴァ/悪の百科全書――密偵ヴィドック自伝/裏と表の二重人――フランソワ・ヴィドック『ヴィドック回想録』/文学的変装術(2)/ゲーテの変装/シチリアの鷹――フリードリヒ二世の『鷹の書』(5)/パロディーとしての博物館――カール・ファレンティン博物館(6)/あるサロンの博物誌家――木村兼葭堂(7)/宮武外骨/周縁からのコレクション――宮武外骨(7)/宮武外骨――あるいは逸脱の実験/錬金術師らしからぬ錬金術師(5)/女装した上皇――後水尾上皇と修学院離宮(7)
※(1)←『愚者の機械学』 (2)←『アナクロニズム』 (3)←『影法師の誘惑』 (4)←『人生居候日記』 (5)←『魔法の眼鏡』 (6)←『箱の中の見知らぬ国』 (7)←『箱抜けからくり綺譚』
※巻末に解説/巌谷國士「解説 奇人伝」、ゲスト・エッセイ/平岡正明「種村さんが町をカスる」。

狂気の王国[翻訳]
フリードリヒ・グラウザー著
作品社 一九九八年九月三十日発行
[目次] 不良少年/パンと塩/犯行現場と祝祭ホール/白い猊下/監視ホールB/マット、そして赤毛のギルゲン/ある昼食/故ウルリヒ・ボルストリ院長/三部構成の短い間奏曲/実物教授用標本、ピーターレン/熟考/夜間監視人ボーネンブルーストとの対話/シュトゥーダー最初の精神療法の試み/紙入れ/ささやかな難問二題/シュトゥーダーの良心の葛藤/愛らしく善良な/泥棒が入る/同僚/マット登場/日曜日の影絵芝居/マットの人形芝居/シナのことわざ/七分/四十五分/孤独の歌/訳者解説

老人力のふしぎ[*]
赤瀬川原平著
朝日新聞社 一九九八年十月一日発行
収録/周りにうまく殺してもらう(鼎談・赤瀬川原平・秋山祐徳太子)

大野一雄舞踏譜 御殿、空を飛ぶ。[*・再]
大野一雄著
思潮社 一九九八年十月一日発行
収録/O氏のいた夢
※『O氏の死者の書』(アパッシュ館、1976年10月)の再録
※1992年6月の増補版

種村季弘のネオ・ラビリントス3 魔法[4篇を除き再録]
河出書房新社 一九九八年十月十二日発行
[目次] 『薔薇十字の魔法』 『薔薇十字・補遺』 モーツァルトあるいは薔薇十字の魔笛/薔薇十字のサティ/ヴァレンティン・アンドレーエと薔薇十字団/秘密結社について(2)/あらかじめ失われた遊戯(3)/バヴァリア幻想教団の秘密(3)/結社言語としての嘘 『タロットと占い』 タロットの秘密(4)/面白い小説のからくり(4)/『夏の夜の夢』のタロット占い(5)/騎士のへめぐる城(6)/占いの絵図を解く(5)
※(1)←『薔薇十字の魔法』 (2)←『黒い錬金術』 (3)←『失楽園測量地図』 (4)←『影法師の誘惑』 (5)←『魔法の眼鏡』 (6)←『書国探検記』
※巻末に解説/井波律子「魔法」、ゲスト・エッセイ/海野弘「迷宮の案内者」。

恐竜文学大全[*・再録]
東雅夫編
河出書房新社(河出文庫) 一九九八年十一月四日発行
収録/水中生活者の夢*香山滋←『夢の舌』

種村季弘のネオ・ラビリントス4 幻想のエロス[33篇を除き再録]
河出書房新社 一九九八年十一月十日発行
[目次] [エロティシズム] シンデレラの靴(1)/靴に探される女(2)/ハイヒール、あるいは個性抹殺装置/乳房の紋章学/孤独者の快楽――オナニーについて/水仙幻想/伝・クレビヨン・フィスの秘密演劇/モーパッサン『薔薇の葉館、トルコの家』について/リュ・ド・ラ・サンテ演劇/サディズムとマゾヒズム/マゾヒズム/性倒錯/恐怖と快楽の逆宇宙(3)/肉体について――性的消費と畸形の肉体(4)/アンチ・エロティカーの世界――若年様式と老年様式と(4)/ポルノvs.春本(5)/ポルノ/可食的百科全書――『家畜人ヤプー』の逆説的メカニズム(5)/集団給食のエロティシズム(5)/時代の隠喩としてのオナニスム――金塚貞文『オナニスムの秩序』/黒船時代における性戦略――片岡啓治『性とは何か』/姿をくらますエロス――アラン・コルバン『娼婦』(6)/マゾヒズムの偽装――西成彦『マゾヒズムと警察』(6)/快楽グッズの自己消費――秋田昌美『倒錯のアナグラム』(6)/花街という学校――明田鉄男『日本花街史』(6) [少女・幼年] 小妖精アリス(1)/少女流謫(7)/眠れる少女の夢(8)/青ひげv.s.赤ひげ(8)/異説『ヘンゼルとグレーテル』(8)/アリスの肖像画たち(1)/子供とその分身/日時計の影/こわいよこわいよ(9)/文字以前の世界――童話のアイロニー(1)/狼を待ちながら――ジャック・ザイプス『赤頭巾ちゃんは森を抜けて』/化石の森の方へ――永田玄『子供の情景』 [人形] 人形幻想(1)/人形貴種流離譚(1)/玩具の白魔術(2)/自動人形の誘惑/器具としての肉体(1)/蝋人形館本日開店/蝋人形のヴィーナス/人形の誘惑(処女マリアの黒い純白/ロココの死の床/パンドラの筐 少女/美しき死者の呪力/人形の危険な年齢/忘れられたピエロ/二つの顔のある人形/人形の飛行感覚/人形の家/挫折した夢の模型/泥絵具の城/人形供養)/からくり弁吉の隠れん坊(10)/空転発明家――銭五遺品館の大野弁吉(10)/ロボット考(7)/父の子ロボット/人形の解剖学者――ハンス・ベルメール(1)/ある人形破壊者の白昼夢――カール・ハイデルバッハ(1) 『悪女の画廊』(11)
※(1)←『影法師の誘惑』 (2)←『箱の中の見知らぬ国』 (3)←『失楽園測量地図』 (4)←『怪物のユートピア』 (5)←『書国漫遊記』 (6)←『遊読記』 (7)←『アナクロニズム』 (8)←『魔法の眼鏡』 (9)←『人生居候日記』 (10)←『箱抜けからくり綺譚』 (11)←『悪女の画廊』
※巻末に解説/鈴木晶「幻想のエロス――シブサワとタネムラ」、ゲスト・エッセイ/秋山祐徳太子「怪人種村卿登場」。

帰ってきた旅人[*]
田村隆一著
朝日新聞社 一九九八年十二月一日発行
収録/まるごとの人/田村隆一 未完詩集について
※前者は「一冊の本」1998年10月号掲載の追悼文、後者はそれを補完する形で書き下ろされたもの。

書物の王国12 吸血鬼[*・再録]
国書刊行会 一九九八年十一月二十五日発行
収録/吸血鬼幻想←『吸血鬼幻想』

山師カリオストロの大冒険[再録]
河出書房新社(河出文庫) 一九九八年十二月四日発行
※78/85年の再刊。初版「あとがき」に七行加筆。

種村季弘のネオ・ラビリントス5 異人[再録]
河出書房新社 一九九八年十二月十五日発行
[目次] 『ヴォルプスヴェーデふたたび』(1) 『ザッヘル=マゾッホの世界』(2)
※(1)←『ヴォルプスヴェーデふたたび』 (2)←『ザッヘル=マゾッホの世界』
※巻末に解説/西成彦「異人 帝国とコロニー」、ゲスト・エッセイ/井上洋介「生ゴミ語」。

酔眼朦朧湯煙句集[*]
トムズボックス 一九九八年十二月二十日発行
※陶四郎の俳号で二十句掲載。