確かな手応えがあり、チューブはきれいに真ん中から真っ二つに なっていた。切り口をおもむろに見る。
円を、中心から円周に伸びる、45度づつの8つのパートに分割した と考えて欲しい。これらに順に「赤、白、青、白、赤、白、青、白」 と色をつけた図形を想像してみよう。それが、切り口そのものだった。
私は無言で「口の直下」と「尻尾」を、間髪を入れずに、しかも形が 崩れないように細心の注意を払って切り落とす。 そうしておいて、さらに生じた2箇所の切り口を見る。
・・・切り口は全く同じであった。
「なるほど、8分割された「赤、青、白」が金太郎アメのように、頭から尻尾まで詰まっているのか・・。これなら、「きれいなストライプのためにうしろから絞ってください」の注意書きにも納得がいく。」
考えてみれば、至極当然の結果と言えるかも知れない。 チューブの内部で「赤、青、白」の部屋が別れていないとなると、 最も素直な考え方はこの「金太郎アメ的ストライプ保存」であるに違いないのだ。
しかし、私の心の中はことの他、スッキリとしていた。 積年の謎が解けた満足感と達成感。 そして、左手の一部にへばりついた「赤、青、白」のストライプを見ながら、私の頭の中には既に「次は何をネタにしようかな」との思いが交錯していた。
飽くなき挑戦はまだまだつづく・・・・。
著作者:田中H