タイトル |
著者名 |
投票得点 |
『最悪』 |
奥田英朗著 |
5点 |
犯罪を犯すぎりぎりの状況を理解できる。私だって、この人の立場だったら。。。
地味ながらも秀逸な作品です。
文章はわかりやすく、でも安直でない。
物語の展開はじりじりと迫ってくるようなみごとなプロットのかさねかた。
物語の内容にあった静かで、地味な文体です。
感動しました。いろいろなテーマ性を秘めていると思う。いい!
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『永遠の仔』 |
天童荒太著 |
3点 |
話題になりましたね。面白かった。読みやすいストーリーでした。
物語の構成や取材の量を感じさせる、経験のうまさがある。
しかし、誰が犯人とかいうことが重要なことでないように思えた。
本当の理屈はどうあれ、そうか。。。と読者を騙せるくらいの感情のほとばしりをもっと。
これは、ミステリーの部分では重要でないかもしれないけど。
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『柔らかな頬』 |
桐野夏生著 |
0点 |
OUTよりパンチ力が希薄になった気がする。
内容も、なぜ?に答えが出るほど示唆が用意されていない。このラストと設定に???
それなりにおもしろかったけど。
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『月の砂漠をさばさばと』 |
北村薫著 |
3点 |
ミステリーじゃないよ、とはじかれそうですが、キタムラカオルだし。
かわいくて、やさしいおはなし。
ミステリーはなぜ、お父さんはいないの?という疑問だけど。
この話の雰囲気からは、謎をとく必要性なんて感じないですね。
だって、『スキップ』すらミステリーなんだから!
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『李歐』 |
高村薫著 |
0点 |
98年扱いならごめんなさい。
でも、おととしの年末に読んだようなきがするので。
高村薫は、日常から犯罪へのボーダーを踏み越えながらも愛情というべき情念があふれてる人物か、犯罪を犯しそうなところで理性が勝つ、ぎりぎりのバランスで日常をおくる、静謐な悲しみに満ちた人間か、のどちらかを書いているように感じるのですが、これは、そういう緊張感のない明るい作品になってます。
(私はその人物の危うい緊張感こそ、緻密な文章と細かい取材内容を裏つけて、うっとうしくならない微妙なさじ加減で勝ってるとおもうので、個人的にこの作品は好きではない、ですね。)
『我が手に拳銃を』のリバイバルだそうですが、おじさん向け浪漫小説っぽい、(おじさん方ごめんなさい)しあわせな作品です。
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