その34 ウェット路面ってさぁ・・


 運転士教習もいい感じに進んでいきまして、操縦予備試験は楽勝♪ 出庫点検はまぁまぁいい感じ、非常の場合の処置、故障発見処置もなんとか・・・という感じでクリアをし、引き続き運転士教習の日程が続いておりました。

 私と我がお師匠との間は、同期の中でもかなり円満に進んでたメンバーなのですが、それでも、私がホンキでやべ・・って思った事が3回・・・

 一つは、運転中のお客様同士のトラブル2連発・・・しかも同じお客様・・・

 一つは、ラッシュ時間帯の急行VVVF・・・ラッシュだというのに詰めすぎ(本人そういう認識なしにしてもっとねぇ・・・)にて、前方に踏切があるってぇのに停止位置過走にて修正・・・

 前者は、怒りの矛先が私じゃなかったんですが・・・途中で首根っこひっつかまれて「交代っ! わりーなぁ・・・報告書のネタ考えておいてくれよ・・・」ってことで、ビビりつつも安心でしたが(笑)

 後者は、さすがにすべっちゃった事にもビビりましたが、同じように首根っこつかまれて交代になって・・・やっぱりビビり・・・

 ただ、我がお師匠、本当マジすごいヒトだ!って尊敬できるのは、そんだけでかいヤマ踏んでも、ホームに降りた瞬間普通の表情に戻ってる・・・

 恐縮しっぱなしだったのを覚えております。

 さて、3つ目というのが本題・・・

 時はいつだったかなぁ?・・・運転士教習がスタートしたのは12月・・・冬場はあまり降水のない関東地方・・・時期的に3月くらいになってたんでしょうか・・・

 試験の対象になります、1500形4両編成なんですが、ドライ路面の時はいいんですが、雨も本降り状態になりますと、回生ブレーキが失効した25キロ以下あたりは・・・ブレーキ距離が伸びます・・・

 特に「7次車」と言われるシリーズは、それがすごく目立つ存在でありました。

 私は忘れてません・・・車掌の頃、大雨の中某駅で交代のために待ってて・・・私が居るあたりで25キロ程度まで落ちてるはずなのに・・・停止位置を過ぎちゃってたのを(-。-) ボソッ

 その頃からはずいぶん改善されたんでしょうけど・・・そりでも相当にびろ〜んと進んで行っちゃいます。

 そんなさなか、1541〜の編成が大雨の時にビンゴっ・・・

 もちろん、操縦試験も雨天だってやりますからそのくらいでビビってはいられないし、そういう状況を考えるに、願ってもいないような相手でありますが・・・

 そういう時って、乗ってても、この辺だべぇ・・・ってブレーキをかけ始める時期が遅かったりするんですよねぇ・・・ で、ウェット路面でブレーキ力をフルに活用しちゃうわけにいかない(しちゃうとね・・・スキッド:ホイールロックしちゃう可能性が一気に上がる)のに、せざるを得ない・・・

 そういうのが2発目、3発目になってくるとさすがのお師匠もキレてくるわけですね・・・

 うぉらっ また詰めすぎじゃねぇかよぉ!! 回生切れても(ロックしまくりだと回生も失効しますからねぇ)しらねぇぞ!

 かなりイラついてる表情・・・もちろん運転してる私も顔面蒼白・・・テメェでわかるくらいの状況でしたもん・・・

 できるだけ遠目に取ってるつもりなんだけどそうでもない・・・それにしても、回生ブレーキが終わってからの距離もかなりねぇ・・・

 ビクビクもんでなんとか交代駅までたどり着きまして・・・そのあとの反省会モードを覚悟してた私に・・・笑顔で言うんですよ・・・お師匠が・・・

 な、空制伸びるからよぉ・・・遠目にな♪ 試験だって雨かも知れねぇんだからよぉ・・・頼むよぉ アンちゃんっ♪

 メチャクチャ安堵感が漂う・・・てか、あれだけの状況の後、コレが出来るヒトなんだよな・・・尊敬しまくりでありました。

 にしても、操縦試験でこんなんねぇだろうなぁ?・・・なんて思ってた私に・・・たのしい仕打ちが待ってたのでありました・・・と、ネタを引っぱっておこう(爆)