その32 集合教習PART1


 運転士教習も2ヶ月が経過してくると、そろそろ「試験」というハナシもボチボチ出て来ます。

 そりゃそうでしょうなぁ・・・免許取らせるための教習ですし・・・ってのもありますが・・・

 学科教習にもありましたが、技能教習にも、「中間試験」に相当する「予備試験」ってのがあります。

 まぁ、自動車の教習みたく言うと「効果測定」とか、そう言った感じのモノですけどねぇ・・・

 で、それが大体教習開始後から3ヶ月近くたったあたりにあります。ってことで、その前に、教習生を全員集めて、予備試験の前段階の「車両実習」をやるわけです。

 さて、テレビでも結構出てましたけど、運転士の技能試験は、大体・・・

・操縦試験

・構内試験 

に別れてまして、そのうち、構内試験が・・・

・出庫点検

・故障発見処置

・非常の場合の処置

・距離目測

 って感じです。

 なお、操縦試験って簡単に言いますが・・・その中でも

・定時運転

・ブレーキ操作

・速度観測

 など、項目は結構あります。

 まぁ、操縦試験に関しては、全部をまとめてイッペンにやるのに対して、構内試験は、それぞれ、別のタイミングでやってきますので、ある意味、状況が違ってきます。

 で、教習所でやるのが、構内試験のネタになります。

 これが結構面白いことやるんですよねぇ・・・

 出庫点検ってのは、読んで字のごとく、寝てる電車を起こす試験なんですけど・・・普通にやるんだったらすげぇ簡単すぎるので、途中、5カ所仕掛けてあるんですよ・・・

 ○○制御のスイッチを普段と違う位置にしておくとか、床下のカバーのハンドルを開けておくとか・・・

 それを決められたように、15分以内にやるのがルールになっております。で、それを過ぎると減点で、20分以上経過するとアウトになると思いました。

 故障発見処置は、コレも見たまんまです。運転中、ナニかしら現象が発生した場合、ドコがおかしくなったのかをチェックして、その場所に対して、処置をして終了ってヤツです。

 実際、某巨大鉄道企業の運チャンにはできないだろう項目でしょう(-。-)ぼそっ これがちゃんとにできりゃ、セコイ車両故障で30分も停車なんてアホな事態は確実に避けられるはずですから・・・

 私に言わせれば、自力運転可能のセコい故障で20分以上電車を止めるコトは、運転士としては恥です・・・やむを得ないコトも結構ありますけどね・・・

 ちなみに、6両編成って設定で、基本的な制限時間が5分(爆)、それを過ぎると減点で、10分過ぎるとアウトになります。

 コイツは、マジでヤバい試験です、実際、本試験でもアウトになるヒトがたまに出る(再試験できるんですが)くらいのモンで、みんな真剣です。

 あとは、非常の場合の処置・・・普段の通りに走行してたら突然○○が・・・という設定で作業をします。 列車が脱線したりするって設定もあります。コレに関しては、実際に電車に現象を発生させたりするわけにいかないですけど、こういう設定d(^-^)ねっ! って紙を見て、それに沿った処置をするってのが内容になります。

 実際、運転士になって1年たたないウチに、コレを本番でやるようになっちゃった運転士が出まして、完璧にこなしたってんですからやっぱり大事な試験なんだろうなぁ・・と、あのときは思いました。 これのお陰で二重災害を未然に防ぎ、けが人も最低限で済んだという話しで、その時は、マスコミ関係一同べた褒めでしたからねぇ・・・

 まぁ、そんな感じで、各種試験をやるワケなんですが、その前に、「試験はこういう感じでやりますよ」という教習が、「集合教習」になるわけです。

 最初は、ここからスタートして、ココをチェック、あそこをチェック、出庫点検の時は、余計なトコを見ても減点にはならないけど、ロスタイムになるんだから、やらんようにね♪ とか、そう言う感じでハナシが進んでいくんですね。

 構内3科目の中では、通常の作業である「出庫点検」が一番緊張感に欠けますが、それだけ確実にやらないとイケない科目の一つだと思います。

 故障発見処置に関しては、やっぱり、車両に関してそれなりの勉強をしておかないと、アホみたいなオチになる可能性がデカイんですね・・・

 どっかの暴走マンガじゃないですが、「メカ」を知ってないと速く走れないのと次元は変わらないかも知れません(笑)

 非常の場合の処置は、やっぱりイメージでモノを進めていく関係上、やっぱり想像力が必要かも知れませんね(笑) 「発見っ」ってスタートのかけ声で、「加速中」から、非常ブレーキを操作して、ラッパを鳴らしパンタグラフを下げ、非常発報のスイッチを押し、ライトをパッシングさせる・・・

 「オフっ エマっ 非常発報」・・・これがけっこうてーへんなんですね(笑)

 そう言うハナシを2〜3日の間で教習所から聞いてきて、その後、乗務区にて、指導操縦者立ち会いの元に練習していくんですね・・・

 教習所でやってるときは、結構ちんたらやってるんですが、本当にちんたらやってた人間は、乗務区の構内でコレをやると・・・指導運転士の鉄拳が飛んできます(笑)

 出庫点検なんかも、最初は、やっぱり20分切るのが精一杯なんですが、そのうち15分切れるようになるんですけど・・・アホなのが、タイムばかり気にしてチェックするべきトコチェックしないで回った・・・とか言って、我がお師匠・・・キレてたっけなぁ(-。-)ぼそっ