一応、私が持ってる鉄道の免許は、「甲種電気車」といって、いわゆる「電車」の免許になります。 他のネタにその辺のネタを書いたかは覚えてませんが、まぁ、あと、ディーゼル、新幹線電気車あたりがポピュラーな免許になるかと思いますが、静岡県の某鉄道会社で、蒸気車(SL)の免許を取得した若い方が居たような気もします。
一応、電車の免許ってことで、エンジンとか、蒸気機関のセオリーは授業ではやりませんが、電車のモーターが回る理屈なんかはやります。 今回は、そんなおはなしになります。
まず、電車は、一般的に、貰う電圧が「直流の1500V」になります。人間がさわったら一撃必殺です(爆)
田舎の方のJR系は、「交流20000V」なんてごついモノもありますし、路面電車の類や、地下鉄でも、電車がのっかるレールの脇に「第3軌条(サードレール)」なんてのを使って電気を貰ってるトコは、直流の場合、750V以下になります。
で、1500V以下のトコは、大体そのまま使用してますが、交流20000Vのトコは、変圧器&整流器を使って、大体直流1500Vに直してます。
なんで、そんな面倒なことをやってるかと言いますと、田舎&新幹線は、本来、本数がすごく少ないという前提で電化を進めてきました。
で、いきなりオームの法則ってヤツを引っ張り出して説明すると、「のーみそバ〜ン\(^o^)/」って感じになるかも知れませんが、まぁ、なんとなく読んで欲しいんですね♪
架線ってヤツも、銅製ってのがメインなので、電気抵抗ってヤツはほとんどないんですが、全くないワケじゃないんですね・・・
何せ、数キロ単位で線を張りますから・・・ある程度の抵抗がかかるわけです。
で、「電力」=「電流」×「電圧」で計算できます。
さらに、「電圧」=「電流」×「抵抗値」で計算できまして・・・
すると、「電力」=「電流」×「電流」×「抵抗値」になります。
すると、架線にかかる抵抗値は変わらないので、電流を少しでも減らしてやれば、架線には電力はかかりにくくなり、架線そのものでの電気の無駄が減るって理屈があります。
で、田舎、新幹線は、ものすごく高い電圧のまま電線張って、車両で変圧してるそうです。なにせ、本数少ないから、電力なんかのロスは最大限減らしたいんですよ・・・そんな意味合いでも、今、新幹線なんか、直流1500Vにしちゃっても問題ない位なんですよねぇ(笑) だって、ちょっとしたローカル幹線よりヘタすりゃ本数おおいでしょ(笑)
これ、難しいおはなし(爆)
さて、そろそろ本題。
まぁ、電車っては、プラレールみたいに、いきなり元の電源をつないじゃうと、あまりの大電力にイッパツでいかれます・・・
一般的な電車は、1ユニット(一組の制御単位ですね)2両で、車軸にモーター1つで8個のそれを制御するカタチを採っております。
動き出すときは、モーター8個を全部直列につなぐと、モーター1つにかかる電圧が1500Vの1/8になるので、187.5Vに落とせます。
で、それでもダイレクトに繋げちゃうとかなりパワー出ちゃうので、「抵抗器」ってのをつけて、電気はほんの少し流していきます。
ところが、モーターってのはよくできたモンで、回ってくると、そのモーターそのものが「発電機」と同じ能力を発揮してしまうわけですね・・・
自力で、「自転車のライトのダイナモを回してるような感じ」になっちゃうわけです・・・
すると、それが電気くれてやってる方向と逆の方向に力が出ちゃうモノで、するとパワーがなくなっちゃうわけです、それに合わせて少しずつ抵抗を抜いてやると、通常20〜30キロくらいまで加速できます。コレを、直列制御(シリース)って言います。
で、そうすると、それでもパワーが足りなくなってくるので、今度は、モーターを4つずつ2列の「並列」につなぎ直します。すると、モーターにかかる電圧が375Vになるわけですね。
で、例によって抵抗を抜きながら加速していくと、大体35〜50キロくらいまで加速してくれますが、当然、それでも足りません。ココまでの制御を並列制御(パラレル)って言います。
そしたら、今度は、その「ダイナモの能力」をツブシにかかるわけです(笑)
電車のモーターって、いわゆる模型用のモーターみたいに、回ってる軸だけではなく、外側の、いわゆる磁石になってる部分にも「電磁石」がついてます。
ずっと同じパワーにしていた外側の電磁石の電力を今度は落としていってやるんですね♪
すると、さらに回転力がついていきます。コレを界磁制御といいます、で、その「界磁」を弱めていくので、「弱め界磁」とも一般的には言うようです。
で、ブレーキの時は、まぁ、空気ブレーキもあるんですが、それだけじゃ今の電車の世界、ブレーキ力は全然たりないので、モーターに「エンジンブレーキ」みたいな役をやって貰うようになってるのは今や常識になっております。
今度は、パワーかかりすぎないように使っていた抵抗器ってヤツを、「電気ストーブ」のようにして、電気の負荷にします。
速度が出ているときは、当然かなりの発電能力になってますから、抵抗もいっぱいつないでやらないと抵抗器が負けちゃうんでしょう・・・
で、加速と同じように、ブレーキの時も同じように抵抗を抜いてやります。
で、並列制御になって、そろそろ抜く抵抗がなくなる頃になると電車は止まる間際になってるので、その辺で空気ブレーキに切り替えて停止・・・って構造♪
実は、元プロのクセに、「発電ブレーキ」ってシステムを把握しきってなかったりします(木亥火暴) コレ読んで、「そんなのも説明できネェのか!」って方、コメントよろしくです<(_ _)>
さて、昨今、「チョッパ制御」ってのがありますが、思いっきり、半導体で制御してる車両なんかはともかく、マルビ〜チョッパこと、「界磁チョッパ」ってヤツは、結構上記説明にネタが近くなります。
最初の「直列、並列制御」に関しては大体同じ理屈なんですが、「界磁制御」ってヤツの時に、半導体をフルに活用します。
今までのタイプは、モーターの外側のコイルに少しずつ抵抗をかけていったのですが、チョッパでは、半導体でコレを連続的に減らしていくと、均一的な加速カーブでいけるんですね・・・
で、加速しきって、惰行させるときは、弱くしていった界磁電流ってヤツを強くしていって、モーターに掛かる力を0にしてやればいいわけです。
逆にブレーキをかけるときはさらに強めてやると、さらにマイナスの力が出て・・・コレが「回生ブレーキ」ってやつで、なんと、電力が架線に帰っていきます。
こんなトコが、簡単な電車の理屈なんですが・・・多分わかんねぇだろうなぁ・・・
プロだって、ココの領域、分かってるヤツ少ないですし(* ̄m ̄)ぷっ