その12 車掌のおしごと


 実は、電車乗り・・・って商売、案外知られてない部分があるのかなぁ・・・って思ったのは、チャットなどで、私が「元運転士」ってハナシをすると、「あぁ、放送とかしてる人?」ってけぇってくるパターン・・・

 運転士って、運転する人ぞ・・・それは車掌さんだって・・・ってツッコミを入れざるを得ないのですが、まぁ、案外そんなモンなのかなぁ?・・・ってのが最近の感想だったりするわけです。

 というわけで、今回は、車掌さんの主なおしごとなんかを書いていこうと思います。

 まず、人目につくトコ・・・

・車内放送
・ドアの開け閉め(コレは、会社によっては運転士がやってるトコもあるようですが、一般的には車掌の仕事です)
・車内精算&車内改札(検札)
・車内における旅客案内

 なんかがそうだと思います。

 こうやって書いちゃうと、イッパツでネタ切れになってしまいますし、一応、出勤からおうちにけぇるトコまで、さらさらっとおしごとの流れを書いてみます。

 まず出勤。一応、25分前出勤ってなってます、それより早い分にはOKなんですが・・・ 乗務員は、列車の時刻に左右された勤務体系なので、一定の時刻に出勤・・・と言うことはまずありません。

 7:34出勤・・・とか、18:57出勤とか、そんなパターンでの勤務です。

 んでもって制服に着替え、車掌区に出て、出勤簿の捺印、車内補充券を受領し、「乗務員手帳」に「実践事項」「注意事項」「沿線催物」「気象警報」なんかを記載し、駅での放送用ワイヤレスマイクと、その日の「行路表」ってのを取り出し、出勤点呼をします。

 点呼願います ○○仕業出勤しました。今週の実践事項は「十分な睡眠で事故の健康管理に注意しよう」です。 本日の注意事項は、○○駅の取扱変更について、暖房の使用方についてです。沿線催物は「○○競馬、○○競輪開催」です。

心身状態異常ありません。

 って感じで助役の押印を受け、点呼が終わり、運転士に挨拶に行きます。

 ○浜○行の場合、運転士と車掌で行路は全く同じ、同じ番号の仕業の場合、1日その人と一緒に行動をすることになります。ココで、運転士と車掌でソリが悪い同士だと、きれいに仕事が行かなかったりするんですが・・・

 あとは、乗務する列車の発車(車掌の場合、到着を推奨:賃金は出ない(爆))5分前にホームに出場し、前任者と交代し乗務します。

 あと、オモテにいるときは、普段から見える姿です。

 車内補充券を発行した場合は、「引継書」という、発行の書類を作成して車掌区に提出し、乗務中異常なければ、終了後、終了点呼をとって終わりです。

 コレで、乗務中、異常があった場合、「乗務報告書」と言うのを作成します。 コレが結構面倒な書類だったりするのですが、乗務経験を積むと、それなりに書けちゃう書類でもあります。

 上記列車、乗車効率○○%で、途中異状なく○○駅を発車しようとしたところ、突然、ホームの1旅客(○○歳くらい、男性)が列車の方によろけ、接触したので、直ちに車掌弁を操作し、運転士に非常ブレーキのブザー合図を行った。停止後、直ちに現場に急行し、確認したところ、旅客にけがはないようだったため、駅係員に引き継ぎ、約2分30秒延にて○○駅を発車した。
 旅客には謝罪放送をしたが、旅客からの苦情はなかった。
 M:○□

 って感じの文章になると思います。「車掌弁」というのは、車掌が唯一操作できる緊急停止用の弁orスイッチです。

 あと、停止後に、現場確認をして、何かあれば処置、最終的には、駅構内なので駅員さんに引き継いで、運転を再開させます。そう言う内容です。

 で、最後に、発車後、車内のお客さんに・・・
「発車しようとしたところ、ホームのお客様が電車に接触したため、やむを得ず急停車させていただきました。皆様にはご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます、なお、電車がホームに入る際、発車する際は大変危険ですので、ホームの黄色い線の内側をお歩き下さるようお願いいたします」
 みたいな放送をすれば、車掌ができることは終わりです。

 その旨、車掌区の事務所に書類と共に報告し、車掌サイドの状況を引き継ぎます。

 これで、乗務員の一日が終了し、また普段着に着替え、ウチにけぇるわけです・・・そのまま飲み屋さんに直行・・・というヤカラも大勢おりますが・・・