その9 車掌になるのに・・・


 駅員も2年目になって久しくなり、そろそろ、また車掌登用試験を受けました。

 今回は、順調にいき、車掌教習を受けることになりました。

 基本的に、教習期間中は、本社日勤に準じ、土曜(当時完全週休2日制じゃなかったので)は出の日は午後から本社のみおやすみなので、線路見学ってスタイルでした。

 隔週週休2日制だったので、2週間に1日はおやすみでしたけど・・・

 車掌教習と言っても、結構一般的なハナシが多く、科目は、「鉄道一般」「鉄道車輌」「運転規則」なんかがメインだったりします。

 あと、「作業基準」ってのもありまして、コレが特に面倒だったかな?・・・と言う科目でした。

 鉄道車輌の授業を受けてて、しみじみ鉄道学校出身のヤツらは有利だなぁ・・・って思いましたが、高校の男子校ノリのまんまで、結構楽しい雰囲気で授業を受けられました。

 車掌教習と言うのも、結構すごい教習で、実は、この車掌、運輸省での免許はありません、資格がいらないので、ある部分、誰でもなれるシゴトでもあります。

 そういう部分もあるのかどうかわかりませんが、教習では最低限の部分だけ習って、あとは、実務で相棒の運転士に教わったり、先輩に聞いたりしておしごとを完璧にしていく・・・という感じのスタイルです。

 教習そのものは、学科が約一月、その後、技能教習がまた一月程度、独立乗務の試験を受け、合格者が車掌になれます。

 学科教習では、結構のんびりできちゃうモノで、そのペースで技能教習に入ると、大体つまずきます。

 指導車掌(以後、師匠)は、のんびりしちゃってるヒトは、まぁ、「独車」(独立乗務できる状態:語源不明)してから覚えることの方が多いからねぇ・・・って構えちゃってくれてれば、師弟関係もそれなりに行くのですが、一月で全部覚えさせなくちゃ・・・なんて気合いの入った師匠が多いモノで、その反動がやっぱり見習いにも跳ね返ってきます。

 まぁ、点呼、喚呼を、大声でやるのは基本なんですが、少しのミスで脅かす位のことやっちゃったり・・・

 私の師匠はそういうことが全くと言うほどなかったので、なんだかなぁ・・・って言う感じでしたが・・・

 ただ、師匠に感謝するのは、回送列車の時に、ウラで運転士にお願いしてもらって、適当なトコで、非常ブレーキを操作してもらい、「異常時の放送」のシミュレーションをしてくれたり、いろいろ手ぇ回して異常時に対するプレッシャーに慣れさせてくれたことでしょうか?

 かくして、ソツなく車掌になったのでした。

 実は、車掌教習のハナシもイマイチ記憶から・・・(自爆)