その6 車掌登用試験受験


 民鉄の鉄道屋さんは、大体、駅員→車掌→運転士→その上・・・というルートで昇進していくのが比較的多い様です。

 JRあたりですと、研修掛を経てから運転業務につくというパターンもある(あった)そうで、モロ技術屋な運転士なんて方もいられるようです。

 さて、駅員をやってきた私にも、車掌登用試験のチャンスがまわってきました。

 通常ですと、駅員を2年やって、はじめて車掌登用試験の資格が出てくるのですが、その年、要員を増やす・・・という目的で、駅員を1年以上やってれば試験の受験資格を与える・・・ってスタイルになりました。

 まぁ、そういいながらも、受験者の合格率をあわせるための数字要員だろ?・・・って思いながら、受験の希望を出しました。

 車掌の登用試験、最初は学科試験と適性試験を行います。

 学科は、数学(運転関係のハナシをやるのに必ず必要になるので・・・)、営業規則関係の問題、そして、沿線案内って試験もあったような記憶が・・・

 なにせ、10年から昔(昭和の頃)の記憶をたどってるため、どこまで正確かはわかりかねますが・・・

 適性試験は、「クレペリン検査」・・・足し算をひたすらやっていく検査なんですが、あれで何が出るのかは私にはわかりかねます・・・ それと、「反射速度」「注意配分」、おやくそくの「視力」なんかもあります。

 反射速度の試験が結構おもしろいんですね・・・黒い四角の中心に2センチくらいの光が出てくるアナがありまして、そこに、緑・黄色・赤のシグナルがランダムに出てくるようになっております、手元にある、3つのボタンをそれぞれの色に合わせて押していくのですが、一定時間に正確に、どれだけボタンを押せるかが速度になります。

 注意配分は、7×7(だっけかな?)のマス目に、ランダムに1〜48(7×7ならね)の数字が振ってあって、中央が基準になるんですが、「始め」のかけ声とともに、1から順々に棒で指していく試験です。どうも、私はコレが得意でないようで、反射速度はかなり早いほうでしたが、注意配分はトロい方だったようです。

 この時の試験は、おそらく学科の試験ではねられたようで、確か、数学がどうのこうの・・・ってコメントだったと思いました。

 先輩の話ですと、最後の設問で、文章題のものがあるのですが、コレをクリアしないと通らない・・・という説があるそうで、たしかに、その問題、解けた気がしましせんでした。

 なお、コレが無事通ると、面接の2次試験を経て、車掌の教習に入れるわけです。

 最初の試験はこんな感じであっさり終わってしまいましたが、本来行くべきではない所で行かずにすんで、かえってすっきりしたモノでした・・・

 そして、私はもう1年駅員をやるコトになったのです・・・