地震観測による免震効果の実測例    戻る
多くの免震建物に、強震計が設置され、地震観測結果が発表されています。
ここに5例を示しますが、どれも良好な免震効果を発揮していることがわかります。


1. 1995年 兵庫県南部地震(阪神大震災)
免震建物の強震記録が日本で初めて得られて例です。

(a)松村組技術研究所1) 神戸市北区

最大加速度(cm/s2)

方向

免震棟

RC3F

南北

東西

上下

RFL

198

273

334

1FL

148

253

266

基礎

272

265

232

非免震棟
S3F RFL

965

677

368

免震棟と非免震棟が並立しています。
水平方向では、非免震棟では地盤の揺れ(272gal)が建物で4倍ほどに増幅(965gal)し、1G(981gal)近い応答になっています。建物内の家具や備品はぐちゃぐちゃになりました。
対して、免震建物では、地盤の揺れ(265〜272gal)は増幅しない(273gal)か若干低減(198gal)しています。建物内で家具の転倒などはありませんでした。
上下方向は非免震・免震とも、ほぼ同等でした。


(b)郵政WESTビル1) 神戸市北区

最大加速度.(cm/s2)

方向

免震

SRC6F

NS

EW

UD

RFL

75

103

377

1FL

57

106

193

基礎

263

300

213

基礎で300gal→建物で106galに低減しています。


2. 2003年 十勝沖地震

星が浦病院2) 北海道釧路市

星が浦病院外観
RC3F







地震観測結果
基礎で212gal→屋上で164galに低減しています。
建物の揺れもゆっくりとしたものになっています。
家具の転倒や設備の被害はありませんでした。








3. 2004年新潟県中越地震

小地谷市民病院3)
 新潟県小地谷市

建物軸組図











地震観測結果
基礎808gal→建物1階205galに低減しています。





4. 2005年福岡県西方沖地震

建設技術研究所CTIビル4)
 福岡市中央区


基礎489gal→7階屋上234galに低減しています。1階と7階とでほとんど同じ動きをしています。すなわち、建物自体はほとんど変形せず、剛体的にゆっくりと揺れることがわかります。



出典
1)日本建築センター、「免震構造物 その技術開発と地震観測結果 Part2」、1995年
2)加藤貴司ほか、「2003年十勝沖地震による釧路市に建つ免震病院の応答」、日本建築学会大会学術講演梗概集(北海道) 2004年 8 月
3)留正俊ほか、「平成16年(2004年)新潟県中越地震における小千谷市内の免震建物の挙動」、日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿) 2005年 9 月
4)松田泰治ほか、「福岡県西方沖地震における大名地区の免震建物の挙動」、日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿) 2005年 9 月