絶景!黄葉まとう氷ノ山            

山頂を望む  
     コシキ岩から山頂を望む        ⇒ 写真集を見る
■目的地:氷ノ山(1510.0m)
■日にち:1999年10月24日(日)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
     自宅発(8:10)=氷上町ローソン(9:40)=布滝キャンプ場P(11:10)着

  多田ケルン 発(11:20)〜布滝(11:30)〜地蔵堂(11:55)〜弘法の水(12:15)〜
  一口水(12:25)〜氷ノ山越(12:30-12:40)〜仙谷道出合(13:05)〜コシキ岩〜
  氷ノ山山頂(13:30-13:55)〜氷ノ山越(14:35)〜地蔵堂(15:10)〜布滝(15:25)〜
  多田ケルン 着(15:30)

【青空】 朝起きれば既に遅い時刻。あぁぁ、今日は止めようかなぁ。ぐずぐずした
らもっと深みに落ち込みそうなので気を取り直して出発。外は素晴らしい秋晴れ。
 2日前に行った丹波・三岳があのくらいの黄葉なら、さぞかし氷ノ山ではと期待を
感じつつも、はずれたら行程も長いから骨折り損かなと複雑な胸の内。

【丹波の山】 多紀アルプスが青空の下、紫色に連なる。夏栗山や黒頭峰も上の方が
茶色。五台山は植林が多いので深緑。粟鹿山は大きくて姿が見えない。道々眺める山
の名がなかなか増えない。(^^;

【山奥へ】 R9からハチ高原への道を入るといよいよ大きな山に囲まれてきた。川の
石もごろごろしてくる。前方になだらかに尾を引く氷ノ山が現れた。初めてここへ
来た時は、どれが氷ノ山かわからなかったが、少しは私も判るようになったかと
自己満足に浸る。

【多田ケルン】 駐車場は40台ほどで一杯。2台ほど路側に停めていたのでその間に
お邪魔させていただく。既に11時を過ぎている。もうみんな登ってしまったのだろう
誰もいない。支度をして歩き出す。ガイドブックでよく見る多田ケルンがあった。
谷の北側斜面はまだ青っぽくて黄葉は30%ほど。それでも快晴の空の下で充分に
ワクワクさせてくれる。

【木陰の登り】 キャンプ場の横を通り低い滝を横目に下草が刈られた山道へと
登っていく。やがて長いつづら折れの登りが続く。布滝が林の中から覗く。さらに
のぞき滝を見下ろす踊り場。サワサワサワと頭上の木の葉を鳴らして風が通った。
山の風情の残る地道である。人の多い山は階段などがつけられたりする所に良く出合
うが、それがないのが嬉しい。汗をにじませつつ黄葉はいかほどかと、樹冠を何度も
見上げながら登っていく。

【地蔵堂】 やがて道が平坦となり、木の実がポトリと落ちた。杉林の先に青いトタ
ンのような建物が見え隠れしてきた。地蔵堂である。安全登山・家内安全などを祈願。
薄暗い杉林がしばらく続く。うら寂しい道だ。
地蔵堂  
地蔵堂の空 
【Aコース・Bコース】 木地屋跡という石柱のある所に着いた。ここにAコース・Bコ
ースという札が架かっている。Aコースは今登ってきた道だが、Bコースの方は踏み跡
定かでなく何処へ繋がるのか不思議に感じる。
 地蔵堂の杉林を過ぎた辺りから依然、木陰の道だが、黄色い葉が多くなってきた。

【水場】 足元が水っぽくなったなと思ったら、「弘法ノ水」。肝心の水場には湧き
水が出ていない。黄葉の間からいよいよ山頂が覗いてきた。立ち止まって感慨深く眺める。
 10分ほど歩くと今度は「一口水」の水場。こちらはちょろちょろと湧いている。
ササが茂りだして氷ノ山越に辿り着く。

【峠】 氷ノ山越からは2年前に登ったので見覚えがある。しかし、ここの避難小屋
はこんな所にあったかなぁ、とええ加減な記憶。おにぎりとジュースで登りに備える。
既に12時半。鳥取県側も霞んでいるが良く見渡せる。赤倉山・天狗岩の競り上がりが
紅葉をまとい実に絵になる。じっとしていたら日陰のベンチは寒い。

【ブナの道】 さていよいよ期待のブナの道。道脇は既に紅葉の木々が出てくるが
ササが立ちはだかる所もあって山頂が見通せるところは限られる。足元はぬめる。
下りてくる人にすれ違うことが多い。ブナは黄葉している。久しぶりの林を闊歩。
時折現れる山頂は、赤、黄、緑を取り混ぜてまとった上に頂上近くがササの青。

【コシキ岩】 たんこぶのように見えるコシキ岩。そういえばたじまもりさんが
簡単に登れるようなことを言っていたのを思い出す。下草も少なくちょうど良い時期
なので軽い気持ちで登ってみることにした。少し登ったら行き止まり。後ろから登っ
てきたおじさんが別のルートで悪戦苦闘。次は私の番。腹のポーチが邪魔なので
脇に回してやっとの事でクリア。3点支持とはいうけれど確保するところを探すのに
苦労したし、腹這いでないと怖い。難しいのは一ヶ所だけだが、簡単ではなかった。
 頑張って登っただけあって、岩の上から見下ろす斜面の紅葉は最高である。日の光
も程良い角度で射し込み鮮やかに輝いていた。

【展望】 コシキ岩からササヤブを漕いで登山道に戻ると既に展望の登り。さらには
何でここでという階段の道。鉢伏山の斜面は白っぽい枯れ草色。ブンまわしの尾根も
紅葉とササがとり混ざって鮮やか。扇ノ山も大きく横たわる。
 山頂は3度目だがササと避難小屋が邪魔してすっきりした展望ではないのが残念。
それでも二の丸、日本海、青ヶ丸、蘇武岳、妙見山と良い眺め。大山は霞んで判らず。
ラーメンを食べた後は、賑やかな山頂よりも展望の通る来た道へと引き返す。
鉢伏山  
山頂直下から鉢伏山 
【紅葉】 同じ道を下りて行くが、何度も振り返っては写真を撮り、山の色を堪能し、
目に焼き付けるようにして尾根歩きを楽しんだ。ブナも良い。既に西に傾いた木洩れ
日がいっそう黄葉を引き立てるようだ。幸せな山行の満足感に浸る。
 「一口水」でペットボトルの水を入れ替える。お土産のひとつ。東斜面となる
鉢伏口ルートは日陰となり、早くも薄暗い。地蔵堂辺りは特に寂しい。負け惜しみに
口笛なぞ吹きながら足早に下りていく。木に架かっている名札を見ながら、下るに
つけ黄色い葉が少なくなってくるのを感じる。駐車場にはまだ20台程残っていた。
 帰路は「道の駅 やぶ温泉 但馬楽座」に寄って至福の湯に浸りました。

  氷ノ山について 
 
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1999.10.26. BY M.KANE