人口減の問題についてなど

森本 優

2015/4/16


人口減の問題について

 私たちみどりの市民派は、経済的利益の追求や、富の再分配より、いのちを守り育てることを大切にします。

 その意味で、子育て中のお母さんたちを応援します。

 また、環境に配慮しながら作物を育てている農家さんを応援します。

 その他の、いのちの種を蒔き、いのちを育てている皆さんを応援します。

 

 ところで、今そのいのちの生命力が急速に弱まっています。

 便利さや、お金儲けのため、様々な化学物質や組み替え遺伝子を作り出してきました。それらが私たちの体に影響を与えるようになってきました。

 天に向かって唾を吐きかけるとはこのことです。

 若い人たちに不妊症が多くなっているのは当然です。

 

 今、国や地方自治体では、人口減に危機感を募らせています。

 彼らの言わんとするところは、右肩上がりの経済成長を維持し、年金などの負担を多くの若者に担ってもらいたいということなのでしょう。

 しかし、この論調は前にも聴いた事があります。

 富国強兵のため、産めよ増やせよと奨励した戦前の国家主義の論調と同じです。

 この点については別途論じる必要がありますが、ここでは、人口減に絞って論を進めることにします。

 

 戦前では、今ほどの多種類・大量の化学物質は使われてはおらず、また、組み換え遺伝子なども存在していなかったので、人々の生命力は強く、その掛け声に応じて産み増やすことはできました。

 しかし、現在の環境ではどうでしょうか。

 化学物質などにより中性化し、更に生命力が弱ってきている若者たちにとって、徐々に難しくなりつつあります。

 

 国や地方公共団体が人口減に危機感を募らせているのなら、まず成すべきことは、子どもたち、若者たちの、日常の食べ物や生活スタイルを正すことから取り組むべきだと考えます。

 その意味でも、小・中学校の学校給食の位置づけは重要です。

 地元の農家さんの愛情がこもった、安全な食材を使った学校給食を提供して、子どもたちの生命力を回復させることが、人口減の問題を解決するための根幹となるのではないでしょうか。

 

 若い人たちのその後の生き方としては、生命力を維持できるよう、経済成長に囚われることなく、自然と共生して、いのちを守り育てる豊かな生活を営むのも一つの選択肢となるはずです。

 みどりの市民派は、いのちの種を蒔き、いのちを守り育てている皆さんを応援します。

 

 

TPP・農協改革・米価の下落などのこと

 

 昨年、お米の売り渡し金が2〜3割下落しました。

 米余りの上、政府が需給調整をしなかったからです。

 このことは、TPP締結後の農政を先取りしています。

 すなわち、家族経営の稲作農家を速やかに整理して、その代わりとして法人に大規模な米作りをさせるということです。

 確かに、資源を集中した法人経営では、農業所得も倍増するはずです。

 しかし、法人経営ではあっても、弱肉強食の自由競争を強いられ、結局は破産するか、大手流通資本や金融資本に従属するしかなくなるでしょう。

 TPPが締結され、農協改革が進めば、大資本による農と食の支配は一気に進むことになります。

 特許による種の支配、そして生産・加工・流通までの一貫とした経営・管理により、付加価値を付けて高収益を上げることが大資本ではできる一方、今まで家族経営をしていた農業は、管理人かパート従業員となり、自立性を失うことになります。

 

 ところで、世界的に異常気象が頻発しているため、食料の供給はどうしても不安定となり、価格が暴騰する事態も近い将来起こるかもしれません。そのような時こそ、アグリビジネスのビッグチャンスとなります。

 そのような場合、一般的な傾向として、お金持ちはオーガニックや自然栽培のものを食べて長生きをします。

 一般大衆は、農薬・除草剤などをたっぷりかけられた遺伝子組み換えのものを食べて病気がちとなり、医療の自由化により医療費がかかりすぎて程なく貧乏人となってしまいます。

 そして貧乏人では、食べるものを買う金がなく、飢えて死ぬ場合も生じてきます。

 

 歴史は繰り返します。

 餓死者が出る一方で、食料を押さえた商人たちは巨万の富を築きます。

 

 それでは、一般大衆や貧乏人が生き延びる道はないのでしょうか。

 地場の生産者と顔の見える関係を築くこと、

 できれば、自ら少量でも農地を借りて食べ物を作ること、などでしょうか。

 

 ロシアが経済破綻したときでも、住民が生活できていたのは農園付き別荘で農作物を作り自給していたからだと聞きます。

 甲府でも、食糧危機のときは自給基盤として、また平時においては、憩い・交流の場として、まち中にも市民農園を整備してゆきたいと考えています。

 健康な土からできる作物は、それを食べる人を健康にします。

 質の良いものを少量食べて生命力を高め、この大変な時代を乗り越えて行きましょう。

 

 

街おこしのこと

 

 一般的に都市の再開発というと、大手資本が入ってくるため、金太郎飴のように日本中同じような地方都市が立ち並ぶようになりました。

 このような画一的で個性のない街に、甲府市民の皆さんは果たして愛着を持てるでしょうか。

 また、大手流通資本が郊外に店舗を構え、郊外に居を構えた若い世帯の客を呼び込んでいる現状では、甲府中心部の商店街は寂れてゆくしかありません。 

 そのためここで、中心部商店街の活性化策を提案したいと思います。

 

 まず、街に個性を持たせ、甲府らしさを演出することが必要です。

 そこで、どのような個性を持たすのかが問題となります。

 今までのイメージでは、果樹王国・宝飾産業・南アルプスや八ヶ岳、富士山な

どの名峰と温泉などが甲府市を特徴付けるものとして挙げられることでしょう。

 しかし、私は別の新しい個性を作り出し演出してゆくべきだと考えます。

 

 すなわち第一に、地元周辺の食材を使ったスローフード運動を推進します。

 食べることは、セックス以上に人々の関心事であり、人々を強く惹きつけます。

 甲府市が地産地消を進め、スローフード推進加盟店を募集します。そして「スローフードの道」を市街地に整備して多くの人々を市街地に誘うことを提案します。

 

 次に第二として、市街地に都市型農業を興します。 

 ヨーロッパ・カナダ・アメリカなどでは、都市型農業がブームになっています。

 都市部で生産される食べ物の量は、まだ微々たるものですが、まち中の市民農園は都市住民の憩いの場・交流の場・リハビリの場となっており、コミュニティーの絆をつなぐためには、最良の施設になっています。

 甲府でも、空き地や廃屋を潰した跡地に、みどりの種を蒔き、樹を植えることを勧める政策を考えるべきです。

 具体的には、土地の農地並課税と共に、優遇税制を導入すべきです。最初に提案した「スローフードの道」に、様々な農道や農園があれば、いろいろな発見もあり、更に多くの人々を甲府中心部に誘うことでしょう。

 また、中心部に住んでいる人も、ゆとり・うるおいを感じることができ、甲府に対する愛着も強くなることでしょう。

 

 ところで、リニア新幹線の件ですが、リニア駅周辺を開発し一大商業区域にしようとする声が強まっています。近くの山梨医大の周辺では、大きな店舗が立ち並び始めています。

 そこで疑問に思うのですが、なぜ甲府市中心部の商店街の皆さんはリニアに反対しないのでしょうか。

 今でさえ、郊外の大型店舗に人々が吸い寄せられているのに、リニア駅が出来、その周辺が一層栄えるなら、その反動として旧市街地は寂れてゆくことは明白です。 

 JR東海と取引関係のある民間リサーチ会社の出している数字は眉唾物です。

 JR東海にとって、リニア甲府駅は出来れば停車せずに通過したい駅なのです。

 彼らがばら撒く数字や夢を鵜呑みにせず、市民の間でも関心を持ち議論を尽くすべきではないでしょうか。

 議会でも市民の間でも議論がないまま、突っ走しろうとするリニア工事着工に対して強く疑問を抱いています。

 

おわり


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