一厘の仕組(地域編)

国有地囲い込み事件経過報告その7

森本 優(2003/12/18)

 


訴 状

 

××地方裁判所民事部 御中

平成15年11月25日

原告 森本 優

 原告 森本 優

 被告 N第三自治会(会長 MK)

 

自治会総会決議無効確認請求事件

 訴訟物の価格 95万円

 貼用の印紙額 8200円

 

請求の趣旨

 「平成15年4月5日のN第三自治会通常総会において決議された、平成14年(ワ)第××号妨害排除・原状回復並びに損害賠償請求事件の被告K2元自治会長に関係する訴訟費用・弁護士費用等の負担は当自治会の負担とする、との部分は、これを無効とし、当自治会会員には本件負担金の支払義務はない」との判決を求める。

 

請求の原因

 平成15年4月5日に開かれたN第三自治会通常総会において、甲第12号証の総会資料4(1)〜(3)で上程された決議案が、その通りに可決され、当自治会は上記訴訟に対しては被告K2元自治会長及びその後継者を全面的に支援し、また被告K2元自治会長が負担する訴訟費用・弁護士費用等は、自治会関係分野のものとして当自治会の負担とすることが、出席者の多数の賛同により決定されるに至った。(甲17被告K2の陳述書の2ページ目「第5回目」後半部分参照。)

 ところで上記の妨害排除・原状回復並びに損害賠償請求事件において、平成13年1月11日頃上記事件の被告K2は、同じく上記事件の被告であるIが、国有地であり(甲8の1〜2、甲9、甲10、甲13、甲18、甲3原告準備書面二の2参照)、また、上記事件原告森本の地役権が存続している泥揚げ部分(甲2の1〜3、甲5、甲11、甲14、甲15)を完璧に囲い込むこと容認し、その後上記事件の被告Iは、二か月程かけて堅固な工作物を設置して、当該泥揚げ部分を完璧に囲い込んだものである。(甲1の1訴状補充書の請求の原因3と、それに対する甲6被告答弁書、甲7被告準備書面3ページ目3の後段参照。)

 従って、この上記事件での被告Iの行為は、不動産侵奪罪(刑法第235条の2)に該当し、自治会長の立場でそれを積極的に容認した上記事件被告K2の発言は、同罪の幇助に該当するものと言わねばならない。

 ところで自治会は、規約に定める目的の範囲内において権利を有し、義務を負うものと考えられるから(地方自治法第260条の2参照)、その目的の範囲内にはない自治会長の行為によって他人が損害を被った場合には、自治会長個人がその責任を負うべきであって、自治会自体(自治会の各会員)には、何らその責任を負うべき義務はない。

 まして、その他人がその自治会長の犯罪行為に対して訴えを起こし、その自治会長個人の責任を問うている場面において、行為の正当性を一般会員に弁明することなく、また弁護士の依頼等についても、自治会に諮ることなく個人的に応訴し、その後になって訴訟費用や弁護士費用等の諸費用を自治会に負担させようとするのは、正に自治会の私物化にほかならず、各自治会員のその負担に対する批判を、裁判所に訴えた原告森本に向けさせ、原告森本を村八分にしようとしたものにほかならない。

 さて以上の通り、上記事件の被告K2の行為は犯罪行為に該当するものであるから、その行為は自治会の目的の範囲外のものであり、その行為に関する訴訟費用や弁護士費用等の諸費用は、上記事件の被告K2個人が負担すべき性質のものである。

 従って、事前に一般住民に知らされることなく、当日その場で議事事項の提案内容(甲12)が出席者に示された手続自体にも問題があるが、そのような違法行為から生ずる諸費用も当然自治会が負担すべきものとして、各自治会員に強制的に負担させる内容の本件総会決議は、以上の理由から公序良俗に反し(民法90条)無効である。

 よって、原告森本を初めとして当自治会の会員には、本件負担金の支払義務は初めから存在してはいないものと言わねばならない。

 

証拠方法

 

甲1号証の1〜3 訴状補充書

甲2号証の1〜3 4月17日付け原告準備書面

甲3号証 9月11日付け原告準備書面

甲4号証 9月17日付け証拠説明書

甲5号証 9月25日付け原告準備書面

甲6号証 被告答弁書

甲7号証 4月17日付け被告準備書面

甲8号証の1〜2 昭和56年マイラー図面8−7図・8−3図

甲9号証 T2氏の証言

10 甲10号証の1〜2 座標値

11 甲11号証 要役地の一部である土地の登記簿謄本

12 甲12号証 平成15年4月5日付け総会資料

13 甲13号証 原告陳述書

14 甲14号証 明治時代の和紙の公図

15 甲15号証 昭和30年代の引水・排水経路図

16 甲16号証の1〜2 被告Iの陳述書

17 甲17号証 被告K2の陳述書

18 甲18号証 840−2の土地の登記簿謄本

19 甲19号証 平成14年度N第三自治会通常総会資料

 

付属書類

 

訴状副本    1通

甲1乃至19号証(写し)   2通

 

以上

 


上 申 書

 

平成15年11月25日

××地方裁判所民事部イ係 御中

原告 森本 優

 

 

 平成15年11月25日付けで、自治会総会決議無効確認請求の訴えを××地方裁判所民事部に提起いたしましたが、以下の理由の通り、現在本裁判所で係属中の、平成14年(ワ)第××号妨害排除・原状回復並びに損害賠償請求事件と弁論を併合して頂けますようお願い申し上げます。

 

理由

 自治会総会決議無効確認請求事件訴状の請求の原因にある通り、現在係属中の平成14年(ワ)第××号事件の請求と本件請求とは、それぞれその内容をなす権利義務が同一の事実上の原因に基づいているので(民事訴訟法38条前段)、併合審理をお願いいたします。

 

以上

 


平成14年(ワ)第××号 妨害排除・原状回復並びに損害賠償請求事件

 

原告 森本優

被告 I・K1・K2

 

求 釈 明 の 申 立

 

平成15年12月4日

××地方裁判所民事部イ係 御中

原告 森本 優

 

 

 被告の平成15年11月28日付け証拠説明書に関して、以下の通り釈明を求める。

 

 乙4の1〜2(写真)について、「被告I土地上に建物を建築した事実」を立証趣旨として、その撮影年月日を昭和55年頃としている。しかし、被告I陳述書(乙1の1)では、自宅建築に着手したのが昭和58年9月なのだから、撮影時期は両者とも昭和58年の秋(回りの風景や服装等から10月)頃と考えられるが、その点を明らかにして頂きたい。

 

  また自宅建築当時、倉庫の裏には、河川沿いに人一人が入れるほどの空間(泥揚げ部分)があったと記憶しているが、その点も明らかにして頂きたい。

 

 乙4の6(写真)において、ピンクの線が「水路の暗渠部分を示す」とされているのだが、乙4の4で明らかな通り、橋の端に柵がありその下に取水板があるのだから、乙4の6で説明すれば、柵の支柱と電柱の付け根の間にある暗い空間が取水口部分で、用水路はそこから平行に延びているはずである(甲4の1・甲5の4参照)。その点を明らかにして頂きたい。

 

以上

 


(次回期日 平成16年2月5日午前10時30分)

平成14年(ワ)第××号 妨害排除・原状回復並びに損害賠償請求事件

 

原告 森本優

被告 I・K1・K2

 

準 備 書 面

 

平成15年12月15日

××地方裁判所民事部イ係 御中

原告 森本 優

 

 

 K1及びK2の両被告の不法行為責任につき以下の通り考えますので、然るべき時期に両被告の尋問をお願いします。

 被告K2元自治会長は、平成13年1月11日頃に当該紛争地を被告Iが工作物を設置して囲い込むことを容認したことについては、なんら問題はないと主張しており(平成15年4月17日付け被告準備書面「訴状補充書」に対する答弁の3、乙2の1の被告K2陳述書参照)、また平成15年4月5日に開かれたN第三自治会通常総会でも、それは全く正当な自治会活動の一環であったものとして扱われ(甲19の平成15年4月5日付総会資料の2ページ目4.(3)参照)、その場で、被告K2元自治会長を全面的に支援し、同被告に関する訴訟費用・弁護士費用等の負担を当自治会の負担とする旨の決議がなされている。

 しかし、本事件の審理過程から明らかになった通り、被告Iの行為は、不動産侵奪罪(刑法235条の2)に該当し、同被告K2の言動はその幇助に該当するものである。

 ところで、その決議において、被告K2及び同K1を初めとした当自治会役員等は(因に、自治会長はMK殿であり、被告K2は自治会顧問と消防後援会副会長、同K1は自治会監事とN農事組合会長である。また被告K2の妻K3及び被告K1の妻Sは、交通安全協会の婦人部理事を長年勤め、民生委員も交代で勤めている)、その不動産侵奪罪に該当する事実を知りながら(甲1・甲23の昭和56年マイラー図面)、T2及び被告Iと意思を通じ(両者には不動産侵奪罪の共同正犯が成立するものと解せられる。実行行為の始期は、地籍調査後T2がブロックを積んで畦畔を事実上囲い込んだ時であり、その終了時は、被告Iが当該紛争地に工作物を設置して囲い込んだ平成13年の春である。甲9、甲17、甲22、乙5の2、平成15年4月17日付被告準備書面「訴状補充書」に対する答弁の1、同9月11日付原告準備書面二の2参照)、上記総会資料にある通りの内容の議事事項を練り上げて、議題を総会当日に提案し、積極的にそれに賛成したものである。

 さて、その総会決議の目的は、本事件の被告K2元自治会長に対する全面的支援を打ち出すことで同被告の行為を正当化した上で、同被告に関係する訴訟費用・弁護士費用等の負担を自治会の負担とすることで、その負担に対する各自治会員の批判を徒に裁判所に訴え出た原告森本に向けさせ、森本の家族を村八分にしようとしたものである。

 その為、その議決は、森本家の名誉に対する害悪の告知となり、原告森本の反抗(訴訟遂行の自由)さえも抑圧する程の強い脅迫行為としての意味を持つものであった。(平成15年4月11付け「訴えの一部取り下げ依願書」参照。)

 また、その決議によって被告等は、当自治会内住民に対する見せしめの為、自らの権利を主張し犯罪行為を暴露しようとした原告森本を再起不能になるまで叩きのめして、本訴訟係属後(犯人追及継続中)原告の訴訟遂行を挫き、もって数々の犯罪行為や不正行為に染められた当自治会の「常識」を隠蔽し護持しようとしたものである。

 従って、その目的は、当該紛争地を訴訟によって「取り返されることを防ぎ」、また関係者の「逮捕を免れ」、「罪跡を隠滅する」ためであったとも言える。

 であるならば、平成12年冬から平成13年春に亘る被告Iによる不動産侵奪行為の当初から、被告Iとの意思の連絡があったことが明らかな被告K2だけでなく(平成15年4月17日付被告準備書面「訴状補充書」に対する答弁の3参照)、その不動産侵奪行為時点では被告Iとの意思の連絡があったことを立証できない被告K1においても、また、不動産侵奪罪該当事実を知りながら当該決議に積極的に関与した当自治会役員等においても、T2及び被告Iとの意思の連絡の下での脅迫行為があった時点、即ち平成15年4月5日の当該総会決議の時点で、事後強盗罪(刑法238条)の共同正犯(既遂犯)が成立し得ると言わねばならない。

 ところで、平成15年4月17日付け被告準備書面「訴状補充書」に対する答弁の5から、少なくとも平成14年6月末日頃までには、被告K1とT2及び被告Iとの間でも意思の連絡ができていたことが明らかになったと言うべきである。

 従って、以上の理由から、T2・被告I・同K2の三者の他に、当自治会役員の内少なくとも被告K1にも、事後強盗罪の共同正犯が成立するものと言え、よって、被告等の原告森本に対する不法行為責任を検討する場合においても、当該総会決議の時点で、その違法性は頗る高いものになったと言わねばならないのである。

 

以上


 

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