まず、外から中が見えない箱を用意して、その中に猫を1匹入れる。同時に、箱の中にはラジウムのような放射性元素を使った装置も入っている。その装置は、放射性元素が崩壊し放射線が検出されると、毒薬の入った瓶が割れ、有毒ガスが発生するしかけになっている。有毒ガスが発生すれば箱の中の猫は即死してしまう。放射性元素の崩壊と猫の死はつながっており、放射性元素が崩壊すれば猫は死亡してしまうということができる。逆にいえば、放射性元素が崩壊しなければ猫は生きているともいえる。つまり、放射性元素の状態がわかれば、猫の生死がわかるのである。 放射性元素はいつ崩壊するかわからないし、箱の外からは崩壊しているのか、していないのか確認が取れない。・・・放射性元素はミクロの粒子なので、ミクロの世界の力学である量子力学にしたがって変化する。ということは、放射性元素が崩壊している状態と、崩壊していない状態が重ね合わされていることになる。ミクロの世界では観測していなければ確率的に考えられる状態はすべて重ね合わせられるからだ。 ・・・崩壊している状態と崩壊していない状態が重ね合わされているとしたら、猫も生きている状態と死んでいる状態が重ね合わされた状態でないとおかしいということになる。・・・ |