『地球と月、火星からだとこう見える NASA探査機撮影』について

 NASAは、火星を周回中の Mars Reconnaissance Orbiter から撮影した地球と月の画像を公表した。これは2016年11月20日に High Resolution Imaging Science Experiment (HiRISE) camera で撮影されたものという。
 次図はその概略である。


 画像では、地球の下方左側に南極大陸が写っている。したがってこの画像は下方が南である。
 ところで、 。これはつまり、月が地球の赤道より15°ほど北にあったことを意味する。
 しかるに、画像では月は地球のはるか下方(南)に写っている。一見したとき、これが奇異に思えた。

 実はこの頃、 。つまりこの画像は、赤道より20度ほど南から地球と月を「見上げている」のである。
 ちなみに、月の視赤経は8h54.1m、火星のそれは20h37.1mであった。つまりちょうど12h(180°)ほど離れている。地球から見て月と火星は正反対の方向にあったわけである。その時、視赤緯-20°方向の火星から見ると、+15°の月が地球より下(南)に見えたのである。




火星〜地球
地球〜火星
地球〜月
火星〜月
∠地球〜火星〜月

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