春節とラマダン
2026年は、(グレゴリオ暦)2月17日が
で、翌18日からがイスラムのラマダン(断食月)であった。中国暦(日本旧暦を含む)は朔(月齢0)の日を一日とし、イスラムのヒジュラ暦は繊月が初めて見られる月齢1〜2の日を初日とするため、1〜2日の差があるが、要するにこれは同じ朔望月である。このように、春節とラマダンが重なる月を以下では“春節―ラマダン月”、長ったらしいので略して“春ラ月”と呼ぶ。
というのがあった。果たしてどれくらい珍しいのか調べてみよう。
中国暦もヒジュラ暦も基本的には“太陰暦”である。その1箇月は基本的に天体の月の満ち欠け、“朔望月”に対応する(ただし既に述べたようにその初日は1〜2日ずれる)。
ただし、朔望月は平均29.53日ほどなので、その12箇月は354日ほどになる。これは“太陽年”≒365日より11日ほど少ない。このため
平均的な1年を太陽暦に近づける。したがってこれを正しくは“太陰太陽暦”と称する。
一方、ヒジュラ暦は閏月を置かない“純粋太陰暦”である。だからヒジュラ年=12朔望月≒354日なのである。
だから、中国暦とヒジュラ暦の違いは閏月の有無だけと言ってほぼ間違いない。それでは閏月というのはどれくらいあるかというと、19年に7回なのである。こうすることにより平均の1年が太陽年にほぼ等しくなる。これを“メトーン周期”と言って古代から知られていたのである。
さて、2026/2/17からの朔望月は春ラ月だった。その後は閏月が入らないかぎり、中国暦とヒジュラ暦の月は同じように推移する。2027/2/7 からはまた春節であるが、それまでの間に閏月はないから、これも春ラ月となる。さらに次の春節の 2028/1/27 までの間にも閏月はないのでまた春ラ月となる。つまり春ラ月は2026,2027,2028年に続けて起こる。ただし、その後2028/6/23 から閏五月が入るため、それ以後は春ラ月でなくなる。
それでは、その後は何時春ラ月が来るだろうか?これを知るためには以下のことを考えればよい。
(1) 中国暦とヒジュラ暦は、中国暦に閏月が入るごとに1つずれる。ラマダンは必ず12箇月ごとに来るから、閏月が12回入ればまたラマダンと重なる。
(2) 閏月は19年に7回、38年では14回である。だから、最後の春ラ月(これを“春ラ月0”と呼ぶ)から38年のうち最後から3番目の閏月の後の春節が次の春ラ月となる。
実際にこれを見てみよう。
この月がラマダンであることは以下のように確認できる。
端数が出るのは平均朔望月が正確には 29.53日ではないためである。逆に、
これがこの間の朔望月の平均値ということになる。そしてこの間は 384朔望月であるが、
384=12×32
つまりきっちり32ヒジュラ年だから、たしかにラマダンである。
この後、閏(13)までの間には次の春節がある。
2060/2/2/14:24
2061/1/22/0:17
これらも春ラ月であるが、閏(13)が入った後は春ラ月ではない。
もうひとつ、以前の春ラ月を探してみよう。
春ラ月朔=2026/2/17/21:1
これより12回前の閏月は
閏(-12)朔=1993/4/22
この後の春節
1994/2/10/23:30
は春ラ月である。また、
閏(-11)朔=1995/9/25
までの間の
1995/1/31/7:48
も春ラ月である。しかしその翌年は春ラ月ではない。
このように、春ラ月は32〜33ヒジュラ年(31〜32太陽年)間隔で現れ、その後2〜3年続いて現れるのである。
ご意見、ご感想(ishihara@y.email.ne.jp)