図は黄道極から天球を見たものである。図の面は黄道面。星の位置は年代によって変化しない。(天球を「外側」から見たものなので、星の位置は裏返しである)。 真ん中の●は地球、+は北極、その真上が「天の北極」。 歳差(地軸のみそすり運動)によって天の北極の位置が変わる。このため、現代ではαUMi(こぐま座α星)が北極星であるが、BC1000年にはβUMi(こぐま座β星)、BC3000年にはαDra(りゅう座α星)が北極星であった。 北極が動けば赤道(赤線)も動く。このため赤道と黄道面の交点である春分点(黄経0°)、秋分点(黄経180°)も動く。ただし地軸の傾き角(23.5°)は変わらない。だから、冬至点(黄経270°)における赤道と黄道( 図の外枠)の距離はいつの時代も同じ。 春分点、秋分点は赤道と黄道面の交点であるから、太陽は必ず赤道上にある。したがって地球上では真東から昇り真西に沈む。夏至や冬至の太陽の位置(地球から見て)も時代によって変わらない。 ただし、春分点、秋分点、・・は天球上では動いている。これが歳差の実態である。 春分点はBC100年ころは「おひつじ座」にあったが、現在は「うお座」である。 |
【冬至0→春分→夏至→秋分→冬至0】が恒星年。 冬至1は冬至0の翌年の冬至点で、 【冬至0→春分→夏至→秋分→冬至1】が冬至年。 冬至1は冬至0の50"手前。冬至年は恒星年より50"短い。この50"を動く時間は動径(太陽までの距離)rの2乗に比例する(ケプラーの第2法則)。冬至の頃は近日点に近いのでrが小さい。したがって【冬至1→冬至0】の50"は速く動くので、恒星年からこれを引いた冬至年は平均太陽年より長い。 |