四季のたたずまいを表す二十四節気が1カ月も移動する旧暦が、なぜ種まきや収穫の基準になる「農暦」なのでしょうか。現代の感覚では不合理に感じて当然ですよね。 ところが、当時は比較する新暦は存在しないわけですから、前年の暦(旧暦)と比べて「大雪」の訪れが早いか遅いかで、その年の傾向を判断していたのです。 |
都会の街路樹のイチョウ。そのギンナンの落ち始めた日を旧暦カレンダーに付けておきます。近所の山で、タラの芽を見つけた日も旧暦カレンダーに付けておきます。不思議なことに、次の年の旧暦の、ほぼ同じころに、同じ自然の姿やギンナンやタラの芽が見られるのです。 |
小林氏の旧暦勉強会のファンである衣料品卸会社の社長は、「ゴールデンウィークが旧暦の三月(春)に入るか四月(夏)に入るかで品揃えが変わる。旧暦を知らないと商機を失う」と言っておられます。「連休が旧暦三月の年は寒さが残るので、夏物のTシャツやタンクトップに、ベストなどの羽織物をそろえると売上が伸びる」 ・・・ 旧暦カレンダーを愛用して十数年になる京都・宇治茶の生産農家のTさんも「八十八夜が新茶のシーズンという先入観があるため、本当の旬のお茶が消費者に渡らない。本当の旬は旧暦四月一日前後だ」。 「二十四節気が旧暦のどこに来るかで天候予測ができる」という話は、繊維業界でも自然栽培の農家でも実証されているようです。 |
年 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 |
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気温℃ | 17.1 | 19.8 | 19.8 | 18.9 | 20.9 | 18.0 | 18.9 | 20.6 |
旧暦四月一日 | 4/24 | 5/12 | 5/1 | 5/19 | 5/8 | 4/28 | 5/17 | 5/5 |
いずれにしても、月が地球に及ぼす力は巨大なものです。その力は海だけでなく陸にも作用します。北米大陸上に満月が来ると、大陸は15センチ持ち上がるといいます。 地球の表面の70%は海で、人体も70%が水分ですから、月の引力は動植物のバイオリズムに大きな影響を及ぼすことが推測できますね。農暦が月と太陽の暦として創作されたのも、海や川の水の動きから気づいたことでしょうか。 |