写真集 / 北の大地の贈り物 ・・・北海道の風景写真・動植物自然写真・・・・フリー写真提供。
フォット・ギャラリー 「光景 / 季節のたより 」 霧氷 / 樹氷と樹霜
----- 光景 / 季節のたより冬 ・・・ 北の大地の冬物語り -----

* 霧氷 / 樹氷と樹霜 ・・・・・ 1月の風景より *
* * * * * 霧氷とは! * * * * *
霧氷(樹霜),七飯町・横津岳より
気温が氷点下の時,過冷却水滴が
0℃以下に冷えた物体にぶつかり
瞬間的に凍って付して生ずる
白色・不透明な氷を霧氷といいます。
霧氷の付く対象物体が樹木の場合に,
樹氷or樹霜と呼ばれます。
補足 /過冷却水滴とは・・・霧や雲の粒のような小さな水滴
(直径が約0.01〜0.03mm)は,-10〜−20℃以下になっても
凍るきっかけとなる核(凍結核)がないと水滴のままで存在し続けます。
-------- 道南・七飯町,横津岳より * 霧氷 / 樹氷 と 樹霜 --------
霧氷(樹氷),七飯町・横津岳より
パウダー・スノーの雪質を誇る横津岳スキー場の奥地では,
1〜2月になると樹霜だけでなく樹氷も見られます。
(現在は,残念ながら閉鎖されているスキー場ですが・・・。)
霧氷(樹霜),七飯町・横津岳より
ただし樹氷は,スキーヤー以外は超望遠で望むのみでしたが
2005年1月上旬,スキー場全域で樹氷が観測されて・・・
スキー場と同じ標高にあるスキー場に向かう車道周辺で
ドライブ観光のみの者でも樹氷を満喫することが可能でした。
* * * * * 樹氷 / 神秘の世界,繊細な氷の芸術 * * * * *
霧氷(樹氷),七飯町・横津岳より
風とおしのよい丘地では,
風が回って吹きます。
風は,木立に枝ずれを呼び・・・
枝の樹氷が割れます。
そして,樹氷のカケラは梢の粉雪とともに
風に乗って舞い降り来ます。
霧氷(樹氷),七飯町・横津岳より
(上の写真 / 車道から見上げた風景)
きらめく光が青空で優雅に舞い,なんとも神秘的なひとときでした。
ちなみに,樹氷は着氷と着雪を繰り返し風上に向かって成長するものなので
一定方向に風が吹くわけではない場所では,あまり成長はできないようですが・・・
逆に,より繊細な美しさを生みだしているような気がします。
補足 / 樹氷について ・・・・・
霧氷(樹氷),七飯町・横津岳より 一般的には(北海道では?)上の青空のもとの写真のような
繊細な神秘的な結晶世界のものを樹氷といっている気がしますが・・・
東北では,左の写真ような着氷と着雪状態が更に成長した蔵王名物の
エビの尻尾やアイスモンスター(スノーモンスター)こそが
樹氷であるとも言われ,樹氷の植生としてアオモリトドマツなどの
着氷と着雪のしやすい常緑の針葉樹があることを条件としているようです。
確かに,この写真のような落葉樹よりも常緑の針葉樹樹には氷雪が定着しやいのは納得です。
でも,世界唯一と誇る蔵王の存在感あるアイスモンスターの樹氷の迫力には
到底およばないものの,むしろ神秘的な樹氷イメージは上の写真(青空背景の樹氷)
のような繊細な氷の造形美の世界にジャスト・フィットする思いでした。
* * * * *樹 霜 / 樹肌に生す霧霜華! * * * * *
霧氷(樹霜),七飯町・横津岳より 以下の写真の状態が樹氷ではなく
樹霜と呼ばれるものです。
霧氷(樹霜),七飯町・横津岳より その名のごとく樹皮に霜が降りたものです。
枝の姿・風情がそのままの輪郭で霜コーティングされた姿も趣があってよいものです。
霧氷(樹霜),七飯町・横津岳より 霧氷(樹霜),七飯町・横津岳より 霧氷(樹霜),七飯町・横津岳より
--- 余談ですが, 閉鎖された横津岳スキー場について・・・ (追記,2006/冬) ---
横津岳スキー場は,函館・近郊では一番の雪質を誇っていたのですが・・・
スキー場に向かう一本道の高額な除雪費用が問題となり町が管理しきれなくなり閉鎖されました。
その後,民間会社が買い取って運営再開したものの収益が上がらず赤字閉鎖されてしまいました。
今年は,例年になく雪が多く気温が低い分・・・昨年よりも樹氷が満開のはずですが?
今シーズンより,山を昇る道路は完全に雪に閉ざされ冬季閉鎖となり・・・
現在は,この横津岳の霧氷風景を観にドライブすることもできなくなってしまいました。
想像の世界で,雪山の神秘に思いを馳せる・・・この頃です。


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