写真集,北のアルバム道東編・知床国立公園より...山と森と湖の風景写真
* 知床の森より ・・・ 神秘の五つの湖 *

国立公園特別保護区に指定されている知床五湖は、国内で最も厳しい自然保護が行われている場所!

五湖周辺は水を通さない硬い溶岩層と水を通す風化した溶岩の塊が堆積した層で成り立つ大地
手つかずの原生林の森に点在する五つの湖の水は、2つの層の間を流れる地下水が
提供外カット / 知床五湖の森より 上の堆積層の薄くなった地表部分から湧き出している清水です。

(湖底から湧き出し、湖を成している地下水は
湖底の岩を伝って知床半島の断崖にもしみ出しています。)
知床の森の五つの湖は、流れ込む川もなければ流れ出す川もなく
静かに…静かに…神秘の水を湛えています。
五つの湖をめぐる為の地上遊歩道は、一周約3q程のコースと
一湖と二湖のみを回って戻る1.6Kmのコースが設定されていますが、
ヒグマの動向によって立ち入りは制限されます。

特に三湖から先はヒグマの出没率も高く、立ち入り制限となることも多く
一湖と二湖のみしか観ることができないことも珍しくなかった状態で、

場合によっては、五湖全域が立ち入り不可となることもあった為
高架木道が作られました。

所要時間 ------ 
高架木道・展望台の往復は約40分
遊歩道で五湖全てを回る場合は約90分
一湖・二湖だけを回る場合は40分!

訪問時に五湖全てを観ることができるかどうかは、森のカムイ(神)の思し召し次第の状況です。
* * * * * 知 床 五 湖 ・ 遊 歩 道 だ よ り / 一 湖 * * * * *
森の中の遊歩道を進み・・・第一の湖へとたどりつく。
(ちなみに,知床五湖の五つの湖には固有の名称は存在せず・・・
遊歩道の順路に沿って,便宜的に一湖・二湖・・・と呼ばれています。)
知床五湖の森より,一湖にて
知床とはアイヌ語で「シレトク」Sir-etok(大地の行き詰まり)
まさに,その名のとおり「地の果て」の秘境の趣が漂う。
知床五湖の森より,一湖に棲むフナ
実に静かな面持ちの・・・
澄んだ湖面が冴え渡る。
知床五湖の森より,一湖・湖畔の風景

知床五湖の森より,一湖・湖畔の風景

右上の写真の魚は,一湖の主のフナ。
元から生息していたものではなくて
開拓者の手によって放流されたもの・・・。
湖畔を進んで行くと,間もなく奥手に知床連山の西峰が姿を現す。

知床五湖の森より,一湖と知床連山

知床五湖の森より,一湖と知床連山

知床五湖の森より,一湖と知床連山

知床五湖の森より,一湖にて
木漏れ日に包まれた湖畔の遊歩道,水面に映る緑が心地よい。
知床五湖の森より,一湖と知床連山
二湖へと向かう森の道への入り口から眺める
知床連山と一湖の風景。
山の青に森の緑がみごとに映え・・・
澄んだ水面に鮮やかな影を落とす。
* * * * * * * 知 床 五 湖 ・ 遊 歩 道 だ よ り / 二 湖 * * * * * * *
知床五湖の森より,二湖の湖畔の風景
原生林の合間から,姿を現した知床連山と二湖。

知床五湖の森より,二湖と水面に映る知床連山 水面に映し見る知床連山が・・・
素顔とは別の表情を覗かせる。


知床五湖の森より かすかに湧き水が見え,目を留める。
苔蒸した溶岩の緑と造形に・・・
なんとなく心を惹かれた。
知床五湖の森より,二湖と知床連山
遊歩道対岸に位置する知床連山の山並みと
ほぼ平行するように横長に広がる二湖。
知床の五つの湖の中で,一番大きな湖・・・。
* * * * * * * 知 床 五 湖 ・ 遊 歩 道 だ よ り / 三 湖 * * * * * * *
ニ湖で引き返す訪問者も多く,ここから先は人影もまばらとなり。
知床の森の自然を,より満喫できる。
知床五湖の森より,三湖・湖畔の風景
開拓者が持ち込んだスイレン
(ヒツジグサ?)の花・・・。
知床五湖の森より,三湖・湖畔の風景
知床五湖の森より,三湖・水面の風景
三湖で,6月中旬から7月下旬にかけて湖上で黄色い花を咲かせる
ネムロコウホネの群生。(写真の頃は,もう花期も終りの時期。:残念)
普通のコウホネは水上に茎をのばして葉を突出しますが
知床五湖の森より,三湖・湖畔の風景 ネムロコウホネの葉は水面に浮かぶのが特徴。

・・・・・・・ 以下,参考写真 ・・・・・・・
大沼にて撮影,ネムロコウホネ
ネムロコウホネ

(大沼にて撮影)
ニセコにて撮影,コウホネ
コウホネ

(ニセコにて撮影)
知床五湖の森より,三湖と知床連山
夏色の知床連山・・・
深緑が鮮やかな湖畔の森。
知床五湖の森より,三湖・湖畔の風景
* * * * * * * 知 床 五 湖 ・ 遊 歩 道 だ よ り / 四 湖 * * * * * * *
クマよけの鈴の音が,原始の森にこだまする。
知床五湖の森より 知床五湖の森より
知床五湖の森より,四湖の水面
清らかに透き通る湖水・・・
知床五湖の森より,四湖・湖畔の風景

知床五湖の森より,四湖と知床連山
遊歩道の一番奥に位置し・・・凛とした静けさが漂う四湖。
* * * * * * * 知 床 五 湖 ・ 遊 歩 道 だ よ り / 五 湖 * * * * * * *
知床五湖の森より,五湖と知床連山
曇りなき水面鏡に,原生林の森と知床連山が映える。
知床五湖の森より,五湖と知床連山


知床五湖の森より,五湖と知床連山


知床五湖の森より,五湖と知床連山


五湖から遊歩道の出口(入り口)へのルートは,奥深い森の中・・・・・。
知床五湖の森より
枯れた後も息吹を感じさせる
倒木の根・・・。

知床五湖の森より
カムイ(神)の化身のような樹木・・・。
知床五湖の森より


知床五湖の遊歩道は、五湖全てを回ると所要時間は普通の方ならば1時間半程です。
2001年・夏(写真・撮影時)、普通ではない(?)我が家の場合には2時間半程でした。
尚,知床半島で出会った鹿の写真は 写真集 / エゾ鹿の物語 で掲載しています。

* * * * * 追記 / 世界自然遺産・知床 * * * * *
太古より続く豊かな生態系を今に残す,秘境の地。

知床半島,斜里町・ウトロより,知床連山に昇る朝陽

北海道の東北端・斜里町と羅臼町にまたがる知床半島は、険しい火山連峰と
深い原生林と海食崖の豪壮な海岸景観など原始的な自然景観を有し、
世界的にも高密度でヒグマが棲息し国際的な希少種のシマフクロウや
オオワシ・オジロワシなどの繁殖地や越冬地にもなっています。

この知床半島を中心とした約3.8万ヘクタールの地域が国立公園に指定されたのは
1961年(昭和39年)でしたが、それから40数余年の時を経て2005年7月14日知床は
屋久島と白神山地に続く日本で三つ目の世界自然遺産として登録されました。
流氷が流れ着く世界で最も低緯度の地域である知床は、流氷のもたらす恩恵にあずかる海洋生態系と
陸上生態系が連続する食物連鎖が存在することが高く評価され、対象地域は知床国立公園に加えて
遠音別(おんねべつ)岳原生自然環境保全地域などの陸域と海岸線から約3キロの海域をプラスした
総計・約7万ヘクタールが指定地域となりました。

知床の原生林に棲息するヒグマは自然界で鮭を大地にあげることのできる唯一の存在として
知床の海と陸の生態系連鎖の中で大役を果たしている存在でもあります。



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