5− 五味・五性・五つの調理法、五目
五味・五性・五つの調理法
■ 五味
1.塩:腎と膀胱に通じ
2.甘:脾と胃に通じ
3.酸:肝と胆に通じ
4.苦:心と小腸に通じ
5.辛:肝と大腸に通じる。
胃が悪くなると甘いものが欲しがる。
■ 五性
食材と体温の関係 −− 食材が体内に入ったとき、体を温めるか、冷やすか の 食材の特性
1.寒(冷):
野菜−茄子(ナス)、トマト、胡瓜(キュウリ)、牛蒡(ゴボウ)
果物−西瓜(スイカ)、梨、柑橘類
肉 −豚
魚介類−蟹、浅蜊(あさり)
その他−寒天、牛乳、豆腐、はと麦
調味料−醤油※ 冷え性や虚弱体質の人は控えめに、暑気払、酔い覚ましに有効
2.涼(微寒):
野菜−生の大根、春菊、サヤインゲン
果物−干し柿、レモン
肉 −鴨
魚介類−蛸(タコ)、海苔
その他−蒟蒻(コンニャク)
調味料−塩※ 去熱、消炎、鎮静の効果
3.温:
野菜−人参、蕪(かぶ)=蕪菁(かぶら)、韮、南瓜、玉葱、長葱、キャベツ
果物−桃、林檎、栗
肉−牛、にわとり
魚介類−エビ、鰯、鯖、鰻、かき
その他−梅干し、米
調味料−胡椒、しょうが、ナツメグ、八角、黒砂糖、酢、にんにく、わさび、みょうが
4.熱:
野菜−特になし
果物−あんず、パイナップル
肉−マトン
調味料−とうがらし、山椒、パプリカ、酒
5.平:
野菜−白采、サヤエンドウ、とうもろこし、もやし、芋類のほとんど、しいたけ、小豆
果物−イチジク、ブドウ
魚介類−あわび、ひらめ、いか
その他−そば、卵
調味料−白砂糖、蜂蜜
調理法で性質が変わるものあり
例:大根は生で寒、加熱で平、しょうがを加えると温になる。かきはそのままで寒、干して涼になる。
■ 五つの調理法
生、煮る、焼く(炒める)、蒸す、揚げる
■ サシスセソ
砂糖−砂糖をはじめに入れるのは分子が大きいので浸透速度が遅い。
塩−もし塩を先に入れると浸透圧高すぎて素材の水分が出てしまい、後からいれた砂糖が染み込みにくくなる。
酢−多少加熱して、刺激臭のある酢酸分を飛ばす。
醤油−加熱が進んでから醤油を入れるのは、揮発性の芳香成分を飛ばさないため。うまみとなるアミノ酸も加熱しすぎないほうが良い。
みそ−タンパク質を熱によって変化させないように、さっと一煮立ち程度。香りも奪われやすいので、加熱のしすぎは禁物。
五目
■ 五目
五つの品目。(品数はあいまいで、かなりいいかげんな数字である場合が多い)
五目漬:なす、きゅうり、しそ、しょうが、みょうがの五品を刻んで塩おしたしにした漬物
五目鮨:魚類・野菜など種々のものを刻んで混ぜた鮨(品数・品目はかなりあいまい)地域によってははっきり決まっているかもしれない。
五目飯:魚・肉・野菜など種々のものを具としてまぜた飯(品数・品目はかなりあいまい)地域によってははっきり決まっているかもしれない。
五目やきそば・五目中華:お店によって具がまちまち。お店の都合で、仕入れの安い食材が使われる。五目とつくだけで値段が高くなるが、お客にとって御得とは言えない場合が多い。
五目丼:(中華丼)同上
五目豆:大豆、にんじん、ごぼう、れんこん、くわいなどどどもに煮たもの。正月の儀式に用いる。