「今日はいい天気ですね」


 もうすぐ冬が来る季節
 けれど珍しく日差しは暖かい

 久しぶりに上着を羽織らずに外に出る

 訪れる場所は城の中庭
 朽ちて色褪せたレンガ造りの塀

 常緑樹が淡く影を落とすこの場所が二人の定位置


「小春日和というやつですね
 今日はここで一日中、のんびりしていたいです」

「――…それは良いんだが…ひとつ言って良いか?」

「何ですか?」

「………この手は何だ?」

 ゴールドの大きくて白い指先
 彼の手が先程から首筋や鎖骨を弄っている

 ジュンは躊躇い無くその手を叩き落した

「朝っぱらから何考えてる」

「そんなの…決まっているじゃないですか」


 再び伸びてきた彼の手が、
 今度はシャツのボタンにかかる

 片手だけだというのに器用な奴だ

 程無くして肌が露にされる
 全てのボタンを外されたシャツは肩からずり落ちた

 小春日和とは言え季節は冬間近
 冷気を含んだ風が身体を震わせる

「…寒っ…こら、風邪引くだろ」

「すぐに火照って堪らない身体にしてあげますよ
 寒い時は身体を動かして暖めるのが一番ですから」


 懲りずに肩へ回されるゴールドの手

 再び叩き落そうとして―――…止めた
 ゴールドが自らの胸元を寛げているのを見てしまったから

 ここまで犯る気満々という姿を目の当たりにしたら駄目とは言い辛い

「…仕方の無い奴だな…」

「ええ、ボクはそういう男なのですよ」

 …開き直ったな…

 いや、別にいいんだ
 こいつの性格は良く理解してるつもりだから

 そう、理解はしているつもりなんだけど―――…


「今日は日が暮れるまで、ここでジュンと繋がっていたいです」

「…ひ、日が暮れるまで…って…」

 それは無理
 つーかここ、野外だし

 誰かに見つからないうちに済ませて―――…


「ジュン、愛してますよ…」


 …………。
 …………………。

 …あー…もう…
 この表情とか声って反則だ

 何をされたって許せる気になってくる


「…本当に…救い様が無いくらい仕方の無い奴だな…」

 もういい、諦めた
 ゴールドの体温を感じながらジュンは重々しく溜息を吐いた


  



 このイラストは同人誌の『ティルティロ旅行記』完結記念に作成した、
 恐らく誰も塗らないであろう年齢制限がつくギリギリのヤバめな塗り絵にござります

 …本気で誰も塗らなさそうなので、拙者が着色致しました
 んで、このままアップさせるのも寂しいので同人誌から適当にSSを抜粋して載せました

 とは言っても、そのまま書き写しではござりませぬ
 ちゃんと名前を『ジュン』にして、双方の口調もweb版の性格に合わせて変えておりまするよ

 しかし、やっぱりゴールドは変態オヤジ全開にござりましたのぅ
 同人誌ではこの後に濡れ場が―――…げふんげふん☆

 まぁ、野外ネタは機会を改めて書かせていただく事に致しましょうぞ…