パッチン・コアの高周波特性(2)

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パッチン・コアの高周波特性(2)

ブランドも材質も不明のφ8mmのパッチン・コアにφ1mmのアルミ線を10回巻いて
作ったコモン・モード フィルターのインピーダンスの周波数依存性を測定した。



rは50Ω(1/2W金属皮膜抵抗)、信号発生器の出力e0は1.0Vp-p(公称)とした。

しかし開放出力電圧e0は10MHzを超えると少しづつ低下し、公称50Ωの出力抵抗も全周波数に亘って一定ではなく、予め負荷を外して測定周波数毎にr(50Ω)の電圧降下を測定し、下式で計算しておいた。8MHzまでは公称値50Ωであるが、10MHz時の52Ωから、50MHz時80Ωにまで増加する。出力インピーダンスは誘導性を持つ様である。

負荷Zを接続しない時の電流をi0とすれば

(r0+r)*i0=e0
r*i0=e

これから

r0=r*(e0/e-1)

負荷Z(=jX)を接続した時は、電流i1、rの電圧e1として次式が成り立つ

(r0+r+jX)*i1=e0

即ち、

√((r0+r)^2+X^2)*i1=e0
r*i1=e1

これから、

X=(r0+r)*√((e0/e1)^2-1)

また、減衰量dBmは、次式によって計算でききる。

dBm=20*log(abs((r0+r)/(r0+r+jX))
=20*log((r0+r)/√((r0+r)^2+X^2)

   
測定結果(インピーダンス)


測定結果(減衰量)


インピーダンスは15MHzまでは周波数に比例して増加しており、コアの比透磁率μr が一定のインダクタンスであることを証し、共振法を使った測定結果と整合的である。しかし、15MHzを超えると、インピーダンスは周波数と共に低下して行く。これはコアとの並列容量約3pFのインピーダンスにほぼ等しい。アルミ線10ターンの浮遊容量であろう。パッチン・コアの巻き線数を増やせば良いと言うものではないことを示す。
インダクタンスは巻き数の2乗に比例するので、1ターンでは1/100となり、10MHzのインピーダンスは25Ωである。

校正のため、金属被膜固定抵抗の1kΩ、2kΩ、3kΩを負荷として上記同様に測定し同様の計算をした。オシロの振幅読み取り精度の範囲(誤差10%程度)で良い一致をした。簡易な測定であるが、結果に大きな誤りはないと考える。

ちなみにTDKのクランプ・コアのカタログでは、ZCAT1518-0730(-BK)の10MHzにおけるインピーダンスが25Ωであり、これに相当する製品かも知れない。

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