────────────────────────────────────────────
▼「あぁ栄冠はミッキーに輝く(嘘)」 【安直記号】
────────────────────────────────────────────
桜も開花して桜花賞、ようやくまたこの季節が来たのかと感慨にふけるわけだが、フェブラリーSや高松
宮記念では果たしてそうした実感を持つ日が来るのか、G1競走の乱立で1年中G1になるようだと、ハウ
ス栽培で冬にスイカが食べられるような感覚で桜花賞を見るような、競馬の話が季節の挨拶にならない時代
が来るかも知れない、と危惧を覚えながらもこうしてまたこの季節が来たかと思うとなにげに胸が高揚して
しまうものだ。
阪神3歳牝馬S優勝馬ヤマカツスズランがいないことも起因してか、注目馬は年明け頭角を表してきたメ
ンバーに集約される。中でも破竹の4連勝で一気に主役に踊り出たサイコーキララは、話題性も高く、この
晴れの舞台をよりいっそう華やかにしてくれるものだと思う。サイコーキララの父リンドシェーバーは朝日
杯3歳Sでマルゼンスキーのレコードタイムを破ったことで有名で、当然、産駒にもマイルでの活躍が期待
されてきたことだろう。しかしこれまで輩出されてきた産駒は、1000〜1400mまでのダート短距離馬ばかり
で、特に牝馬はその傾向が強く、マイルの壁を打ち破る馬は全くといっていいほど出ていない。エルフィン
Sでのサイコーキララはそうしたデータを払拭したことになり例外中の例外といえるのだが、1400mの紅梅
SとエルフィンSでの2着馬チアズグレイスとの着差を考えると、この馬自身のMAXパフォーマンスは14
00mであるとも思え、決して例外とは言えないのかも知れない。
サイコーキララを管理する浜田師はこれまでビワハヤヒデやファレノプシスで数々の栄冠を手にしてきた
が、それらは全て一流ジョッキーによるものであった。実際、ファレノプシスは愛弟子・石山繁のトライア
ルでの拙乗によって乗替わりを迫られたわけだが、そういった意味で今回、全く同じケースで本番を石山に
まかせるだけに、浜田師としても相当力の入るものになっていることだろうと思う。人間は年老いてくるう
ちに、子供や教え子など自分自身のコピーに自分を投影することによって充足感を得ようとする傾向がある
が、浜田師のはまさしくそれであるのだろう。ファレノプシスに乗せてもらっていた時は自分の力で勝って
いたと思っていたと、今ごろ反省している石山。それを降ろされた時は、自暴自棄になって遊び回っていた
という。それが、サイコーキララによって自分が変わってきていることを話しているが、だったらサイコー
キララ以外でもきっちり成績を上げんかい、というのが正直なところで、溺愛に甘えている姿しかこちらに
は見えないわけで、それがロマンだとか悲願だとかいわれると、鼻で笑うことしかできないわけだがいかが
だろうか。
逆転候補は岡部幸雄のレディミューズを挙げたい。父ティンバーカントリーに、母はマイルCS等重賞6
勝の名牝シンコウラブリイ。その母と同様の藤沢師に預けられ、おそらくこの馬が岡部幸雄にとって、八大
競走達成への最大のチャンスであり、それでいて最後のチャンスであるのだろう。桜花賞に向かうには2/
5という、あまりに遅過ぎるデビューであり、新馬戦を負け、折り返しを勝って、阪神に遠征してトライア
ルを2着しての桜花賞出走権を得たのだから、その結果を牝系も後押ししてG1級であることは間違いない
のだろう。ただ、その短期間に積め込まれた経験がここで生かされるかどうかの不安は相当に大きいのでは
無いか。
今後、大成していくのはレディミューズを筆頭にシルクプリマドンナやフューチャサンデーであるように
思うが、いずれも桜の女王となるには経験値が少ないだけに、ここでの取捨は難しい。シルクプリマドンナ
あたりは山内馬らしくないステップで反対にその少ない経験値に好感がもてるのだが。また逆にサイコーキ
ララは1つ多く勝ってしまっている印象もあるが、そういう意味で大きいところを取れるチャンスはここだ
けかも知れない。
さて、軸をどうしようか。本命党は素直にサイコーキララか、鞍上や血統背景まで加味すればレディミュ
ーズやシルクプリマドンナか。それとも高松宮記念まで連対して全くスキがなくなった最高種牡馬サンデー
サイレンスのフューチャサンデーかチアズグレイスが大レースで結果を出すか。穴党はジョーディシラオキ
の逃げか。
……
全く本命党では無いのだが、今回は◎サイコーキララにしたい。理由は、馬券を外して勝たれて、もっと
も悔しい思いをするのがサイコーキララであるからだ。そしてその結果サイコーキララがもしも惨敗するよ
うであれば、それはそれで世界のホースマンに、石山繁のふがいなさを堂々と叫ぶことができるからである
(苦笑)。
サイコーキララにとって番組的な危惧としてはスペシャルウィークの皐月賞までの過程と似ていること、
連に絡ませるなら、近年でいえば安田記念のタイキシャトルのような決着構成が望まれることである。つま
り、大半が勝負付けの済んだメンバーでサイコーキララが勝つなら相手は勝負付けが済んでいない枠から選
抜されなければならない。4歳牝馬特別を使っていない枠となると、1枠、5枠、6枠、7枠となり、レデ
ィミューズ、シルクプリマドンナ、フューチャサンデーらの名前は挙がらない。
◎ 7枠13番 サイコーキララ △ 5枠10番 オリーブクラウン
△ 5枠9番 ジョーディシラオキ △ 6枠11番 マヤノメイビー
△ 6枠12番 スプリングガーベラ △ 1枠2番 サニーサイドアップ
サイコーキララは阪神3歳牝馬S1着隣のエンゼルカロを同枠に従え、女王継承できる枠となり、先日、昨
年の桜花賞2着馬フサイチエアデールがダービー卿CTを優勝したが、その時の馬番も7枠13番であった。
同枠が皐月賞2着馬オースミブライトであったことからも、桜花賞にオペレートが働いている線が濃厚では
無いか。
そして、阪神競馬場のイベントでは、思い出の名馬としてカツラノハイセイコとハッピープログレスがお目
見えする。共通点が見えないだけに、セイコ→サイコー、グレス→グレイスのアナグラムにしか読めないの
だが、カツラノハイセイコの春天が第83回なら8−13はそのままチアズグレイス−サイコーキララを指す
ので3度目のこの決着型までも例外的に考慮に入れたい。
追加 △4枠8番 チアズグレイス
◎から△の馬連6点。
サイコーキララから抽出されたメンバーから見ると、例年より遅めの平均ペースで、Aコース使用も味方し
て、先行馬有利の展開、中団より後ろの馬の差しは届かず、といった味気ないレースとなりそうだ。
石山繁のことを少しは見直したくなるレースを期待して、桜舞うG1のゲートが開くのを待ちたい…(了)。
|