東鳩SS陰伝之参「魔人達の胎宮」 投稿者:ハイドラント
「困った事になったな。……実に、憂慮すべき事態だ」
 そう呟いた彼の表情は、さほど動じているようには見えなかった。
 いつも通り、温和な好青年といった雰囲気を崩していない。
 だが彼は、大量虐殺の命令を下す時でさえ、その表情を崩しはしないという
事を、部屋の隅から彼を眺める黒衣の男は知っていた。
 月島拓也。
 この「塔」の参謀。
 彼が手を一振りすれば、「塔」の抱える暗殺者達が一斉に動き、無数の死を
撒き散らす。
「どうしたものだろう……彼は見込みのある人材だったのだが……」
 窓の外に広がる夜景を見下ろしながら、月島は迷うようにそう呟く。
 だが黒衣の男は、それが擬態である事に気付いていた。
 ……月島は、試そうとしているのだ。自分を。
「君は、どうしたら良いと思う? 凶鳥」
 やがて窓から目を離し、月島はそう聞いてきた。
 その口調は優しげで、気遣っているふうに聞こえる。
 凶鳥――ハイドラントは、一瞬たりと迷わなかった。
「殺すしかない」
 冷たく、断言する。
 驚いたように、月島の細い眼が僅かに見開かれた。
「反逆者には死を。……この掟は絶対だ」
 感情を消した声で、続ける。
 月島は暫し、こちらの顔をまじまじと見つめていたが、やがて満足そうに微
笑んだ。
「君は、優秀だな」
「……」
「結構。この件は君に任せるとしよう。
 何時までに片付けられる?」
「今夜中に」
 言葉少なに答える。
 月島は小さく頷いた。
 それを見届けると、ハイドラントは踵を返し、部屋のドアに向かう。
「期待しているよ」
「……」
 最後にその言葉を背中で聞いて、彼は部屋を後にした。




              東鳩SS陰伝之参


              「魔人達の胎宮」




 自室の前まで戻ってきたハイドラントは、そこに一つの人影を見つけて足を
止めた。
 薄暗い廊下の柱の陰に隠れ、その姿は判然としなかったが、それでも彼が彼
女を見間違える筈が無い。
「綾香」
「……」
 呟くように呼んだ声に、綾香は柱の後ろから歩み出た。
 床に視線を落としたまま、彼女が小さな声で尋ねる。
「ゆーさくは?」
「……先刻、あいつが『鶴来屋』の門を叩いた事が確認された」
 俯いた綾香を見下ろしつつ、冷たく告げた。
 彼女が、はっと顔を上げる。
 鶴来屋。
 表向きはリゾートホテル。
 その実体は『鬼』の力を継承する者達によって構成される一大組織の本拠地。
「塔」とは表立って敵対している訳ではないにせよ、友好的な関係とはとても
言えない。
 その鶴来屋へ走ったのならば……
「即刻、反逆者と認定された」
「……それは」
「粛清対象になったと言う事だ」
「……」
 粛清。
 それが何を意味するのか、彼女も薄々感づいているのだろう。
 その表情が強張る。
 ハイドラントは、更に続けて言い放った。
「処刑執行人は――俺だ」
 その、言葉に。
 とうとう、綾香の表情が完全に凍り付く。
 小刻みに体を震わせる彼女から、ハイドラントは視線を外した。
「……ゆーさくが、最後に言ったの」
 ややあって、彼女はぎこちなく口を開く。
「『塔』で出世するって事は、私を殺せるようになる事だって……」
「……そうか……」
「どういう、意味なの?」
「そのままの意味だ」
「分からない!」
 綾香の叫びが、静まり返った通路に響き渡った。
 双眸に涙を浮かべて拳を握り締める彼女を見て、彼は僅かに表情を動かす。
 幾ばくかの憐憫を込めて、告げた。
「つまり『塔』は、そういう所だって事だ。
 お前も、来栖川の娘なら……全く知らなかったという事はなかろう」
「……私は……」
 震える声で、綾香が呟く。
 握った拳が、力なく開かれ……
 もう一度、強く握られる。

「私は……そんな事、知りたくなかった!」

 ……その叫びを残して。
 綾香は、暗がりの向こうへと走り去っていった。
 じっと、その背中を見送るハイドラント。
「…………綾香…………」
 小さく、呟く。
「……もう少し、待っていろ。
 この腐り切った世界は、俺が必ず浄化してやる。
 世界の全てが静寂に包まれる時……お前も安息を得るだろう」
 それは、予言か。
 それとも、誓いだったのか……。
 どちらであれ、それを耳にした証人たる者は、ただ一人――
「きっと、そうなるよ……マスター……」
 常に彼と共に在る、彼女だけだった。


・
・
・


 鶴来屋の一室。
 灯りを消した部屋の中、寝転がる彼の視界には染み一つない天井が広がって
いる。
 清潔で柔らかい布団が背中に心地良い。
 広々とした部屋は気分を楽にしてくれる。
 畳の匂いも不快ではない。
 かつて経験がないほど居心地のいい部屋で、悠はしかし呆然としていた。
 昨日まで、自分は「塔」の暗殺者だった。
 それが今は、「鶴来屋」の客人として迎えられている。
 環境の激変に頭のどこかがついて来ていないのか、これは夢じゃないのか、
とすら思ったりもする。
 だが呆然としながらも、悠の心は新しい人生の予感に高揚していた。
「塔」での人生を捨ててしまった事への不安感を取り敢えず忘れていられる程
に、遂に自由を手に入れたという開放感は大きい。
 今後はもう命令されて人を殺したりしなくても良いのだと思うと、自然と気
分が湧き立つのを感じる。
「これから、どうする……かな」
 足が地に着いていないようなもどかしさと、空を飛ぶ翼を与えられたような
爽快さを共に感じつつ、悠は呟くと、彼に自由を保証してくれた人の事を思い
起こした。


「そうですか……英志さんが……」
 柏木千鶴は、悠の話を聞き終えると、頷いて目を閉じた。
 鶴来屋の会長室。
 鶴来屋を訪れた悠は、暫く待たされた後、この部屋に通されていた。
 普通であれば正体不明の怪しい男がいきなり会長になど会える筈がないが、
「西山英志」の紹介だと告げた事と、彼が一切の武器を――表面的には――携
帯していなかった事が功を奏したらしい。
 悠とテーブルを挟んで座り、少し考えるように沈黙している千鶴が、その会
長である。
 そして、もう一人。
「自分の意志にのみ従って戦え、か。……あいつに似合いの台詞だね」
 幾らかの感慨を込めて呟いたのは、千鶴の妹――柏木梓。
 二人から少し離れて置かれた椅子に腰掛けている。
 悠は、その梓に尋ねてみる事にした。
「あの西山という人は、何者なんです?」
「『姫護』の一人だよ。
 私達の妹、楓を守護する者」
 そこまで言うと、梓は一度言葉を切った。
 暫し、言葉を捜すように沈黙してから、続ける。
「つまり……この鶴来屋で最強の戦士の一人ってこと」
「なるほど……」
 彼の全く隙の無い身のこなしを思い出し、悠は納得して頷く。
 世界有数の暗殺者を多く抱える「塔」でさえ、彼と互角に戦える者となると
数えるほどしかいないだろうと思われた。
「それで、貴方はこれからどうしたいとお考えです?」
 会話が切れるのを見計らい、顔を上げた千鶴が悠に尋ねる。
 悠はその問いにしばらく沈黙した後で、いささか歯切れの悪い口調で答えた。
「正直……まだ、分かりません。自分が何をすればいいのか……。
 暫くの間、落ち着いて考えてみたいのですが……」
「それが良いと思いますよ」
 悠を安心させるように、柔和な笑みを浮かべる千鶴。
「と言って、『塔』を飛び出して来られた以上、本来はそれも難しいのでしょ
うが。
 他ならぬ英志さんの紹介です。あなたの身柄は、鶴来屋グループが保護しま
しょう。明日にでも身を隠せる場所を用意させますので、ほとぼりが冷めるま
で、そこでゆっくりなさって下さい」
「……有り難う御座います。
 ですが、俺は……」
「その代わり、鶴来屋の為に働け――」
 悠の言葉を遮り、千鶴は言い放った。
 一瞬、声を詰まらせる悠。
 その表情を見て、千鶴は悪戯っぽく笑う。
「とは、言いません。
 英志さんも、そんな事をさせる為に貴方をここに紹介したのではないでしょ
うし」
 そう言うと、千鶴はぽかんとしている悠を見てくすくすと笑った。
 横で梓も笑いを噛み殺している。
 数呼吸の後、流石に悠が憮然としかけた時、千鶴は口調と表情をつと引き締
めて言葉を続けた。
「……ただ、私達は、私達なりに世界の為に良いと信じて行動しています。
 この崩壊しつつある世界を救う為に。
 もし、貴方が私達の考えに共鳴し、協力して下さるのなら、歓迎します」
 思わず息を呑む悠。
 彼女の毅然とした態度は、彼女が鶴来屋という一大組織を実力で統率してい
るという事実を、確かに窺わせるものだった。
「……分かりました。考えてみます……」
 半ば圧倒されつつも、悠は頷いてそう答えた。


「柏木千鶴、か……」
 回想から立ち戻ると、悠は彼に強い印象を与えた女性の名を呟いた。
 今までは、「『塔』と敵対し得る組織のボス」としてしか知らなかった名前
だ。
 まだ若く、そして女性という事もあり、悠は彼女の事をただのお飾りだろう
と推測していた。
 しかし、百聞は何とやら。
 実際に会ってみて、悠は彼女が本当の「実力者」である事を見抜いた。
「世界を救う」との言葉も、口先とは思えない。
「彼女の元で戦ってみるのも、いいかもしれないな……」
 ……だが取り敢えず、暫くは休もう。
 ゆっくり考えてみる事にしよう。
 今、この世界で、自分が何をしたいのか、を。
 人は自由意志を持ち、その意志に従って戦うべきなのだから……。


・
・
・


 鶴来屋、東館。
 鶴来屋内の建物の中では比較的小規模なそれは、今は物々しい警備に守られ
ていた。
 周囲を警戒している警備員達は、鶴来屋の人間ではない。
 この街の人間ならば、その制服ですぐに分かる。来栖川警備保障の人間であ
る。
 その中に一人、疲れた風で入口脇の柱に体を預けている男がいた。
 腕には分隊長の地位を示す腕章が巻かれている。
 来栖川警備保障第二分隊長、オルフェ。
 彼は実際に疲れていた。そして機嫌が悪かった。
 というのも、つい先日まで部隊改編に伴う徹夜仕事が続いており、ようやく
それが終った所に、また徹夜仕事が舞い込んだからである。
 公務で鶴来屋を訪れる来栖川の要人達の警護、という。
 オルフェは実直な男ではあったが、連日の徹夜、かてて加えて東館を借り切
った要人達の「公務」とやらが、彼の目にはどう見てもただの宴会にしか見え
ないという状況下で、なお職務に精励しようと思うほど来栖川家に対して厚い
忠誠心を抱いている訳ではなかった。
 彼の部下達も、程度の差こそあれ、総じて余りやる気のある表情はしていな
い。
「全く……せめて差し入れに酒の一本も寄越そうって気すらないのか、お偉い
さん達は……」
 既に皆寝静まったのか、どの窓からも灯りの見えない東館を見上げ、オルフ
ェは部下に聞こえない程度の小声で愚痴った。
「へーのき隊長もいなくなっちまったこったし、俺ももう辞めようかな、こん
な仕事。
 いい再就職先さえあれば、すぐにでも……ん?」
 ふと、彼は顔を上げた。
 視界の端、夜空の上を何かが横切ったような気がする。
「……何だ?」
 彼は目を凝らした。
 何か……大きな鳥のようなシルエットが、空から本館の屋上に舞い降りた…
…ような。
 距離と暗さの為、判然としない。
「……」
 気のせい、か。
 そう判断して忘れようかとも思ったが、彼の生来の真面目さがそれを許さな
かった。
 一つ頭を振ると、彼は寄りかかっていた柱から身を離す。
「……ちょっと、本館まで行ってくる。
 ここは任せた」
「あ、分隊長……?」
 部下にそう告げると、オルフェは返事を待つ事なく、本館に向かって走り出
した。


 ばさりっ……。
 最後に、一つ大きく翼を打つと、ハイドラントは屋上へと降り立った。
 しゅるしゅる……と、背中の翼が何処へともなく仕舞い込まれていく。
「……悪くない眺めだな」
 他に誰の姿もない屋上から眼下の夜景を見下ろし、小さく呟く。
「夜景だけは美しいよね、この街も……」
 もぞり。
 応えと共に、ハイドラントの背中が蠢いた。
 ずっ……ずりゅっ。
 異音と共に肉が裂け、それが現れる。
「夜の闇は、全ての汚れを覆い尽くす。……誰の言葉だったかな?」
 ……それは、少女。
 まだ年端もいかない……だが見る者を惹きつけて離さぬ美しさを備えた少女
が、ハイドラントの背中から生まれ出でた。
「確か、何処かの詩人だ。詳しい事は知らぬが、おそらく世界の醜さを多く目
の当たりにした者なのだろうな。俺や……日陰、お前のように」
 少女がコンクリートの床に降り立つと、ハイドラントはそちらに向き直った。
 月光を受け、一糸纏わぬ少女の身体は、あたかも女神のように光り輝く。
 少女は腕を一振りする。
 と、一瞬の間を置いて、少女の身体は白い衣に包まれていた。
「……で、やるの? マスター」
 日陰と呼ばれた少女はハイドラントの隣に並ぶと、その顔を見上げつつ問い
掛ける。
 彼は頷いた。
「絶好の機会だ。
 今の俺は悠の粛清という任務を受けてここにいる。『塔』の疑惑の眼は、俺
が悠を殺すと見せかけて逃がすのではないか、という一点のみに注がれよう。
 俺達の真の目的が、発覚する事はない」
「うん」
 その言葉に首肯すると、日陰はすっと両眼を閉ざす。
 彼女が何をしようとしているのか気付いたハイドラントは、邪魔をせぬよう
一切の物音を立てるのを止めた。
 十数秒ほども、そうしていたろうか。
 やがて、日陰がゆっくりと瞼を上げる。
「……三女と四女は、ここにはいないみたい。
 でも、『鬼天の巫女』と『天魔の鬼女』はいる……。
 それと、『姫護』は、今は誰もいないみたい」
「それは僥倖だな」
 ハイドラントはにやりと唇を歪めた。
「万が一、あの四人全員と戦う事にでもなれば、流石の俺達も生きて帰れるか
どうか怪しいものだ。
 その『姫護』が、一人もおらぬとはな」
「四姉妹が二人欠けているのは、残念だけど……」
「何、『鬼天の巫女』だけでも最低限の目的は達せられる。『天魔の鬼女』ま
でいるならば取り敢えずは充分だ。
 しかし……」
 そこまで言って、ハイドラントは言葉を切った。
 少し考えるように、指で顎を挟む。
「……『姫護』はいなくとも、ここは鬼一族の本拠地。
 当然、『巫女』らは厳重に警護されていよう。
 悠を探し出すのにも、もしかすると手間取るかも知れん。
 ……ならば」
 さっ……
 片手を突き上げるハイドラント。
「出でよ……我らの下僕、御使い達よ」
 その、呼びかけに。
 彼の影から、無数の黒いモノが飛び出した。
 十。二十。三十……。
 百余りも現れ、二人の周囲を覆い尽くしたそれは、黒い鳥。
 真紅の眼を持つ烏の群れ。
 主人にかしずく従者の如く、二人に対して頭を垂れる烏達に、ハイドラント
は命じた。
「鶴来屋の中を荒らしまわり、ひたすら混乱させろ。
 そして、悠を発見したら、すぐ私に連絡するのだ。良いな。
 ……行け!」
 クァッ…!
 群れの中でも一際大きい個体が応えるように鳴き、舞い上がる。
 それに続いて、烏達は次々と飛び立っていく。
 その様子を眺めつつ、ハイドラントは日陰に問うた。
「『巫女』と『鬼女』の事は、お前に任せていいな?」
「はい、マスター。
 でも、その前に……」
 彼の言葉に頷きつつ、日陰は視線をある方向に向ける。
 ハイドラントがその視線を追うと、そこには貯水タンクが見えた。
 普通の目で見れば、それはただそれだけのものだったが――
「……ふむ。
 屋上に降りる所を見られたか? だとすれば、目敏い奴もいたものだ……」
 感心したようにそう呟くと、ハイドラントは右手を振りかぶった。
 その手首にある銀のブレスレットに嵌められた白い石が、仄かに輝く。
 それは「屑繭石(セツケンセキ)」。
 ハイドラントの力の源であるストーン。
 その輝きが一瞬強まると、彼の右手は炎に包まれた。
「……火群(ホムラ)!!」
 燃え上がる腕を、大きく振るう。
 と、そこから無数の火炎弾が放たれ、貯水タンクを打ち砕いた。
「どぁぁっ!?」
 衝撃波と噴き出た水とに押し出され、陰に隠れていた男か転がり出る。
 オルフェであった。
 屋上にやってきた彼は、今までタンクの陰に隠れてハイドラント達の様子を
窺っていたのだ。
「くっ……!」
「逃がさないよ」
 すぐさま立ち上がり、二人に背を向けて走り出そうとするオルフェに向けて、
今度は日陰が手を伸ばした。
「青牙砕破球」
 ヴゥン……!
 青い光球が指先に生まれ、放たれる。
 重力球。
 それはオルフェの頭上に飛び、彼を床に叩き伏せた。
「がはっ!?」
 強烈な衝撃。
 息を詰まらせるオルフェの耳に、二人が近付いてくる足音が響く。
「……あれ? これは……。
 ねえマスター、この人、面白い魂を持ってるよ。
 質は違うけれど、マスターと同じくらい深い闇を心の中に隠し持ってる……」
「ほう? それは、確かに面白いな。
 ……ならば、こいつも『変質』させるか」
 足音が、止まる。
(何だ……俺をどうするつもりなんだ!?)
 激痛の為、涙に歪む視界の中に、オルフェは黒衣の男が自分に向かって腕を
伸ばすのを見た。
 その腕のストーンが、再び輝く。
 今度は、輝きは際限なく膨れ上がり……オルフェに押し寄せ、呑み込んだ。
「……!」
 光に包まれる寸前、オルフェは絶叫した。
 意識せず、口を突いた言葉。
 それは救いを求める声だったのか。
 それとも、誰かの名前だったろうか。
 自分の叫びの意味を理解出来ぬまま、オルフェの意識は闇に堕ちていった。


 そんな一幕から、程なく――
 鶴来屋の各所で、悲鳴が響き始める。
 それはやがて全域に広がり、鶴来屋は叫喚の坩堝となってゆく……




                東鳩SS陰伝之参「魔人達の胎宮」 了