あやまりは俺の常(「お題:「三題話」サンプルSS) 投稿者:AIAUS 投稿日:7月1日(土)01時30分
学校の帰り道。
いつものように、あかりが俺の横を歩いている。
「浩之ちゃん、今日も授業中は寝てばっかりだったね」
「その分、弁当の時間と休憩時間は頑張っているだろ?」
はあー。
あかりがわざとらしく溜め息をついた。
「浩之ちゃん、やれば凄いんだから、頑張ってみたら?」
「やれば凄い、ということは、やらなくてもできるってことだな」
俺が全く取り合わなかったせいか、あかりはあきらめて別の話題を振ることにしたようだ。


「ねえ、浩之ちゃん。もしも、の話だよ?」

んっ?
・・・また、始まったぜ。
[昔話]になるが、この「もしもシリーズ」は幼稚園の頃から続いてきた、あかり先生の長期連載
無駄話だ。「もしも、私がが病気だったら」とか、「もしも、私が大金持ちの令嬢だったら」とか
適当な設定をして、その時に俺がどうするか? って聞いてくるんだ。
子供の頃は延々と続く無駄話につき合ってやったけど、さすがにこの年まで続くとは思わなかった。

「あかりー。別の話にしようぜ。もうネタがないだろ?」

あかりは俺の文句を無視して、話を続ける。
こういう時は強引なんだよなあ、こいつ。

「もしも、私が薄幸超能力少女だったら、勉強がんばってくれる?」

ブッ!!
だっ、誰のことだ、そのえらく具体的な設定は!?

「もしも、私が超小声魔法少女だったら、勉強がんばってくれる?」

えー・・・あかりさん?

「もしも、私が格闘体操着少女だったら?」
「もしも、私が電脳役不立少女だったら?」
「もしも、私が関西委員長少女だったら?」
「もしも、私が金髪脳天気少女だったら?」
「もしも、私が超貧乏触覚少女だったら?」
        ・ 
        ・
        ・

あー、もういい!! 
「誰に言われたって、俺はテスト前以外で勉強したりしねえよ。勉強嫌いなんだからな」
全然いばれないことを、ふんぞり返って言う俺。
その言葉を聞いて、あかりはちょっとためらってから、その言葉を口にした。

「・・・もしも、私がワンコだったら、勉強してくれる?」

・・・ワンコ!?
[犬]ですか!?
あまりの衝撃に息を呑む俺。
その後は家に帰るまで、あかりと俺は一言も言葉を交わさなかった。


ガチャ。
今で夕食のカップラーメンを食べていた俺の耳に響いたのは、玄関の扉が開く音。
ズズズズズ・・・。
俺は無視して、カップラーメンをすすり続ける。
トン、トン、トン・・・。
誰かが階段を登っていく音がして、
ガチャリ。
今度は二階の扉が開く音がした。
ズズズズズ・・・。
カップラーメンを食べ終わると、俺も二階に登った。


ピョコン。
ベッドにかけられたシーツの端に見えるのは、犬の耳。
シーツをそっと剥ぐと、あかりがベッドの上にいた。
もちろん、首輪を付けている。

「やったるでー!!」
「きゃいーん! 浩之ちゃーん!」

結果、俺は期末テストで委員長の点数を抜いてしまった。
愛の力は偉大だ。

「納得できへーん!! これは何かの[間違い]やー!」

委員長、哀れ。

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こんなもん、サンプルにしていいのだろうか(汗)。

・・・気を取り直して。

上記のSSは、[昔話][犬][間違い]の三つの単語が含まれておりますので、「三題話」となっています。
「いかにこじつけるか?」
これがポイントになっていると思いますので、多少の無理には目をつぶってもいいのかも。


では、皆様の御参加をお待ちしております。

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まで、お気軽にどうぞ。

*これは「お題:三題話]のサンプルSSです。